11 王城にて
次に、ふたりと魔女は、王城のある町に着きました。
茶斑の猫の頭の上に乗った梟は、首をひねって、顔がほぼ逆さになっています。
「あらあら、町の人たちの元気がないわね」
確かに、町の人たちは、ちらちらと王城を見ながら、心配そうな顔をしている人たちが多いです。
それを見て、二人が言います。
「そうなんだ、この町の人たちが……そして王国全部が困っているんだ」
すると、梟の魔女はそのまま首を一回転させて元に戻ると、言いました。
「じゃあ、早速王城に行きましょう」
それを聞いたふたりは、王城に行きました。
「すみません。王さまに会えますか? 『深淵の魔女』を連れてきました。病気のお姫さまも、魔女なら治せるかもしれません」
それを聞いた城の衛兵はびっくりして、目を真ん丸にさせました。
「なんだって。魔女!? そんなことは知らないぞ」
それでもなんとか、王さまに取り次いでもらえました。
謁見の間で、りっぱなたてがみの、ライオンの王さまが言います。
「『深淵の魔女』を連れてきたと言うのは、お前か?」
茶斑の猫が、そうですと答えました。
「確かに、猫と梟、二匹の魔女がいるな」
王さまのその言葉にハッとして、茶斑の猫は言いました。
「いいえ、王さま。『深淵の魔女』はこの梟だけです。白猫の彼女は、魔女にそっくりな姿だけれど、魔女ではないんです」
「魔女ではない? 白い体と赤い目なのに?」
それについて、梟の魔女が非難しました。
「どこがそっくりなのか、魔女にはわからないわ。瞳は赤銅色だし、体は生まれつきではないのよ。こんなの魔女じゃないわ」
それを聞いた、城の人たちがどよめきました。
さらに茶斑の猫が、続けます。
「私は、彼女が魔女ではないと知っていましたが、誰も信じてくれませんでした。だから、『深淵の玄き森』に行って、魔女に確かめてもらったのです。王さま、彼女が『深淵の魔女ではない』という証言を保証していただけませんか」
王さまは戸惑い、けれども頷きました。
「いいだろう。私が、その娘は魔女ではないと保証しよう」
茶斑の猫はホッとして、白猫の彼女と微笑み合いました。
「さて、それでだ。『深淵の魔女』なら、姫を治せるかもしれないというのは、本当かね」
王さまが、やっと本題だという風に、体を前のめりにしてきました。
ふたりは、茶斑の猫の頭の上に乗る、梟を見つめます。
梟の魔女は言いました。
「無理ね」
「え?」
茶斑の猫は目を見開きました。白猫の彼女も、目を見開きました。
梟の魔女は、茶斑の猫の頭から飛び立つと、ニヤリと笑って言ったのです。
「だって末姫に、呪いをかけたのはわたしだもの。解くには、わたしを倒さなきゃいけないのよ。わたしを倒すなんて、誰ができるの?」




