10 アライグマの難題
ふたりと魔女は、次に、アライグマの町に着きました。
茶斑の猫の頭の上に乗った梟は、首をひねって、顔がほぼ逆さになっています。
「あらあら、大きな池が干上がっているわ」
それを聞いて、二人が言います。
「そうなんだ、この町の人たちが困っているんだ」
すると、梟の魔女はそのまま首を一回転させて元に戻ると、言いました。
「どうして、隣の川のビーバーに、その場所の水を止めないで、って言わないの?」
それを聞いたふたりは、町の町長に会いに行きました。
「町長さん。どうして、池の水が干上がっているのに、隣の川のビーバーに、その場所の水を止めないで、って言わないんですか?」
それを聞いた町長はびっくりして、目を真ん丸にさせました。
「なんだって。ビーバー? そんなことは知らないぞ」
聞いてみれば、まずどうして川と池に関係があるのかわからないようでした。
猫たちも首をかしげて、茶斑の猫の頭に止まる梟に尋ねました。
「どうして、川と池に関係があるの?」
梟の魔女は、ため息をついて、地図はあるかと聞きました。
町長は町の周囲が簡単にわかる地図を出して、三人に見せてくれます。
梟は、それを一通り眺めると、ある一点を指しました。
「ここよ。ここの水量が減ると、池の水が流れ込んで、干上がってしまうの」
そこは、近くの川のなんと言うこともない場所でした。ふたりが町長に聞いても、なにもないと言います。
「この少し上流で、ビーバーがダムを作っているんじゃないの? ほんの少し、下流に変えられないか交渉してみたら?」
それを聞いた、アライグマの町長は、戸惑いながらも、ビーバーの町に交渉にいきました。
すると、そこは第一候補だったけれど、アライグマの町に遠慮してやめたのだ、と言われました。
町同士で契約がなされ、ビーバーたちはたった半日でダムをその場所に移しました。
すると。
「おお、池の水が!」
「我々の美しい池が、戻ってきた!」
すっかり干上がっていた池の水が、ゆっくりと溜まりだしました。
あと三日のうちに、すっかりいっぱいになるでしょう。
「ありがとう。我々では気がつけなかった。お陰で助かったよ」
町長はふたりの手を握ると、少ないけれどと、お礼のお金と美味しい水でいっぱいの水筒をくれました。
「良かったね。さあ、行こう」
ふたりと魔女は、アライグマの町を後にしました。




