SCP-668《13インチの包丁》
「何を……っ!」
フェリアは僕の言動のおかしさに気付きバックステップ、距離をとる。だけどもう遅い。SCPは、召喚された。
「何だ……それは」
「包丁」
僕の手に握られているのは全長30センチほどの包丁。体のサイズから子供が短剣持ったような状態になっている。僕はそれを手で弄びながらフェリアの元へ歩いていく。街中を、友達と歩くように自然に。
「何なのだお前は……!!何故私の《魅了》が効いていない?何故私との愛の素晴らしさに気付かない!?」
フェリアが何か騒いでいるけど僕には知ったことじゃない。あいつの眼窩に向けて包丁を突き立てる。
「ーーーッ!?」
フェリアは刺される数センチ前にハッと気付いたように僕の攻撃を避けた。避けきれなかった攻撃がフェリアの頬を掠め、奴の頬に赤い筋が走る。
「何なのだ、何なんだその攻撃は!?アルト!私に回復を、アルト!?何をしている!?私に回復をしろと……ひっ!?」
さっきまでフェリアに付き従うようにいたアルトさんはもういない。そこにいるのは無気力にこちらを見る美少女だけだ。その顔に気圧された瞬間に後ろから首を狙い攻撃する。
「ーーーっ!何なんだ!何なんだ何なんだ何なんだお前はァ!?」
僕の攻撃をまたすれすれで気付いたように避けるフェリア。今度は首を軽く裂いた。まぁまぁな量の血が流れ始める。
「おい!お前ら何をしている!?早くこいつを殺せ!……何故動かない!?っぁ」
フェリアは騒ぐ。自分が反撃すれば良いだけなのに他人に助けを求めている。まるで自分の中に『抵抗する』という行動が消え失せてしまったかのように。
SCP-668《13インチの包丁》
オブジェクトクラス Euclid
スキル《無警戒》
装備者の殺害対象が殺害されるまでその付近にいる存在は一定の精神抵抗力を持たない場合その殺害行為を止められずまた、殺害対象も抵抗できない。
僕はそんなフェリアに肩車してもらうように乗り、頭を太ももで抑え、今度こそ完全にSCP-668を眼窩に突き刺した。ついでに頭の中を掻き回すように柄ををぐちゃぐちゃと動かす。
「あ……が……」
がくがくと痙攣し始めるフェリア。僕はそれを体重移動でフェリアが仰向けに倒れるように調整する。フェリアが倒れる向きが思い通りになったとわかった瞬間に飛び退きフェリアの腹の上に着地する。
バタリ、と倒れたフェリアにそのまま馬乗りになりこいつの左胸を突き刺す。肋骨に阻まれないよう刃は横向きにした。気休めかもしれないけどやらないよか少しはいいだろう。
悪魔は心臓がいくつもある、みたいな話をどこかで聞いた覚えがあったので念のため腹を何度も何度も突き刺す。穴だらけになったフェリアが完全に息を止めたことを確認して、僕は立ち上がった。
何気にやってること僕が一番えげつないな。
SCP-668《13インチの包丁》
オブジェクトクラス Euqlid
13インチ(大体33センチくらい)の長さの包丁。これを持った人物が害そうと思った瞬間その人物は一定の超常精神抵抗指数(大体数値にすると94。人間の平均は24)以下の場合抵抗できなくなり。また周囲の人間もそれを止められない。
http://ja.scp-wiki.net/scp-668




