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SCP-408《幻想蝶》

 「ふぅ」


 ピザを食い尽くした僕は満足して横たわっている。


 「SCP-458、『収容』」


 その一言でSCP-458は魔法陣に包まれて消えた。SCP-117も同様に『収容』した。


 ふとステータスが気になった。かなりの量の魔物を倒しのだから少しはステータスが上がっているだろうか?そこでステータスプレートを見てみる。


 杜若 義彦


 job SCP-■■■■-AW Lv20


STR 300


DEX 400


VIT 350


POW 3750


MP [検閲済み]


 スキル

 [検閲済み] 《自己修復》


 jobスキル


 《SCP-■■■■-AW《SCPfoundation》》

 SCPオブジェクトの召喚が可能。君は禁忌に触れた。



 お、ステータスプレートにレベルが追加された。それにモンスターをたくさん倒したからまあまあなレベルに。ステータスも倍になった。


 それに《自己修復》か。これのおかげでSCP-117のデメリット(体内金属消費)が今影響してないのか。でも、今までなんのスキルも取れてなかったのに何で獲れたんだろう?


 「まぁいいかぁ……でも、これからどうしようか」


 気にしても仕方ない。今は今後の事を考えよう。


 「上に戻ってクラスの皆と合流……?」


 普通の考え。でもこれ戻るとかなり面倒なことになる。まず普通に考えてクラスの皆に『何でこいつ生きてんの?』って思われる。だってクラスの皆が揃いも揃って大ピンチに陥ったあの状況でおいてかれた僕一人(無能君)がどうして生き残ってるのか、びびられる。

 

 これは君たちが『なにそれ美味しいの?』みたいに言ってたSCPの力で乗りきったと言える。でもねぇ?そのあと多分事情を知った騎士とかお姫様とか王様とかがめんどくさそうだ。


 だってこの力、『別の世界からおかしな力をもったアイテム、生物を召喚できる。しかもその中には世界とか簡単に破壊できるものもある。しかも召喚した本人に制御できないものが結構ある』っていうのだよ?

 どんな病気でも直してしまう薬や、さっきのピザボックスみたいに無限に食糧を増やすやつだってある。色々利用されまくるじゃないですか。魔王討伐作戦後も僕だけ帰れなさそうじゃ無いですか。

 しかも『おかしな力をもった生物』。もう完全に魔物とかそこら辺に見られますね。そんなん召喚できる僕とか魔王認定待ったなしです本当にありがとうございました。というわけでクラスには戻れません。


 「ならばれないように上に戻ってとんずらここうか」


 決まり。僕はここから逃げて楽しい異世界ライフを送るんだ。クラスの皆は魔王討伐頑張ってね。僕は逃げます。


 「というわけでどん!SCP-408《幻想蝶》」


 地面に展開される魔法陣。そこから大量の黒い小さな影が出てくる。それはまるでイワシの群れのように集まり形を作っていく。

 影はより集まり形を作る。目の前には、


 大きな大きな、竜が居た。


 『ーーーーーーーーーッ!』


 咆哮。それはビリビリと洞窟の壁を揺らし鼓膜を叩き破らん程だ。ひとしきり鳴いた後、それら(・・・)はこちらをじっと見つめていた。


 「落ち着いた?《SCP-408》?」


 その途端、竜の尻尾の一部が砂で作った城が崩れるように溶ける。その溶けた尻尾がまた形を成し、文字になる。その文字を形成しているのは、何匹もの、蝶だった。この時、ステータスウインドウが出てくる。



 SCP-408《幻想蝶》

 オブジェクトクラス Safe


《千変万化》

 より集まり、さまざまな形をとる。



 『お前』『何者』『財団』『職員』『違う』『ここ』『どこだ?』


 全部英語だった。でも問題なく読める。異世界召喚のお約束、翻訳機能。スキルの[検閲済み]の中にはこれも入ってるみたい。このスキルはこの世界に入る前にも欲しかった。


 ([検閲済み]スキルは使えない訳じゃないんだねぇ)

  

 『どうした?』


 ざわざわと動き、こちらをまだ警戒しながら対話しようとするSCP-408。慌てて返事をする。


 「ああ、ごめん。僕は杜若義彦。ただの高校生。そしてここは君たちがいた世界とは別の世界」

 『あり得ない』『普通』『違う』『異常』『どうやって』『ここ』『移動』『させた?』

 

 蝶たちはざわめく。


 「『スキル』だよ。君たちがもってるその『変容』の力と似たようなやつ。その力で君たちみたいな存在を喚びだせる」

 『そうか』『同類』『理解』

 

 蝶たちの雰囲気が和らいだ。信用してもらえた?


 「で、ちょっとお願い聞いてもらってもいいかな?」

 『お願い?』

 「君たち人の周りについて透明化させれるよね?その力でこの洞窟出るまで僕を見えなくさせてほしいんだ」

 『洞窟?』『何故?』

 

 頭を掻いて言いにくそうにに答える。


 「いや、恥ずかしながらこのままこの洞窟を出ると君達みたいに確保、収容されちゃうんだよねぇ。それはちょっと困るから逃げたいんだ」

 『それは』『理解』『苦しむ』『俺たち』『食糧』『入手』『簡単』『敵』『居ない』『安全』『人間』『嫌』『何故?』

 「この世界だとこういう力(スキル)をもってる人はたくさん居るんだけど……どうにも僕のは異質みたいで。良いように使われちゃいそう。それは嫌じゃない?」

 『納得』『了承』『しかし』『報酬』『求む』

  

 ま、これが普通だろう。


 「オッケー。何が欲しい?」

 『甘味』『いつも同じ』『砂糖水』『飽きる』

 「グルメだな……」


 契約成立かな?

SCP-408《幻想蝶》

オブジェクトクラス Safe

 沢山の不可視の蝶の群れ。危険を察知すると危険生物の姿をとる。

 他の生物の周りについて透明化させることもできる。


http://ja.scp-wiki.net/scp-408

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ストーカーの転生憚~前世では守れなかった貴女を、今度こそ~
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