チート主人公本町祐介
「凄い……ステータスオール1000オーバー!?こんなの見たことありません!まさか……伝説の勇者様だったり?」
「いやぁ、そんなまさか……」
目の前で繰り広げられる異世界冒険者登録のテンプレ。軽鎧を着た男の子が簡単なステータス測定を行われいた。Eランク冒険者の僕は本町君達が現れた瞬間にカウンターから離脱し、ギルドの端っこでその様子を見る。見ていていっそ清々しいほどだ。
「さすが本町君」
「祐介はすごいんだよ」
周りの女の子達も一様に本町を褒め称える。
何アレ。怖。
「ギルドマスター呼んできます!少し待っていてください」
受付嬢がギルドの奥に行ってしまった。うわぁ、本当にあるんだああいうの。ラノベの中の話だと思ってた。いや、異世界召喚なんてもの自体ラノベ中の話なんだけど。
しばらくすると受付嬢に本町君達は呼ばれてギルドの奥に入っていった。
「うわぁ、あんなのあるんだねぇ、英雄譚の中の話だと思ってたよ」
隣でおんなじ光景を見ていたナルメアちゃんがそんなことをほんわかと言っていた。
「そうだねぇ。男の子が二人いたけど多分あれちっこいほうの男の子に他の女の子三人は惚れてるね。装備もあれ見た目普通の軽鎧だったけど凄い価値だよ」
「すごいね?ヨシ・・・ソフィアはそんなのもわかるんだ」
「まぁね!」
ふふん、と得意気になりながら僕の思考は動揺してた。
(何でこっち来てんの本町君達!?人を探してるって僕のことじゃんどうせ!)
このままだと本町君達は僕達の所に来る。それで根掘り葉掘り聞かれるんだ。とにかくまずはこの場を離れよう。
「ナルメアちゃん、き、今日はそろそろ宿屋に戻ろう?ほら、Eランクに昇格したしお祝いしなきゃ!」
「そうね!何食べようか?今日はご馳走だよ!」
ナルメアちゃんの思考はご飯で一杯になった。よし、この内にギルドから出よう。
僕達はそそくさとギルドから出ていった。ちなみに今夜はおいしいステーキと冷えたビールだった。おいちい。
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「異世界召喚された勇者様が一体この冒険者ギルドに何のようだ?」
場所は冒険者ギルドギルドマスタールーム。そこでは一つのパーティーと一人の大男とその男の秘書が向かい合って話していた。
「僕達のの目的は魔族の拠点となっている可能性のある未開拓の島の調査と失踪した勇者四人の捜索です」
「はぁ!?勇者様は五人も居んのか?」
「四人どころではないです。四十人です。ここにいる五人全員が勇者召喚で呼び出された人間です」
「・・・・・・」
開いた口が閉じられない、といった表情のギルドマスター。
勇者は召喚したその時点でその国の英雄と肩を並べる強さを持ち、最終的には一人で小国など潰せる力を持つと言われているのだ。それが四十人。あっけにとられる。
「・・・・・・わかった。うちのギルドはあんたら勇者のギルド登録を許可する。ランクはCからだ。B以上は試験が必ず必要だからやれねぇがダンジョン潜ったりすんのには充分だ。あと、探してるヤツの名前と特徴、武器とか使ってんならそいつらの武器、得意魔法を教えてくれ。それっぽいヤツを見かけたら教えてやる」
ギルドマスターは近くにいた秘書に命令して五人分のギルドカードを作りに行かせる。その間に失踪したという四人の勇者の特徴を聞き出す。
「はい。一人目は進藤カナタ。片手剣を二本使った二刀流の男です。僕達に共通して黒髪黒目です。彼は《剣舞》というスキルで立体的な動きをするスピードアタッカーです。かなりお調子ものな性格なので簡単に見つかるかと思われます」
本町は自分が覚えている限りの失踪した四人の、特徴を言っていく。
「二人目、三人目は二人組で活動しているようです。明見寛人と佐藤遥斗です。それぞれが《贋作者》と《金庫番》という特殊なjobに就いた二人です。彼らは《贋作者》が見たものを複製し、それを《金庫番》が異空間に保管、使用するという方法で戦っています。戦闘時にみた彼らのコンビネーションは凄かったですよ。《金庫番》と《贋作者》が同時に同じように武器を取りだしたり、複製したりして射出するんです。『ゲート・〇ブ・バ〇ロン』とか言ってましたね」
本町は最後の一人を言うとき、とても言い難そうな顔をする。
「どうした?最後の一人は何なんだ?」
「最後の一人の名前は……杜若義彦。ギルドマスターさん。彼とは絶対に敵対しないでください。彼は、恐らく魔王より危険だ」




