ソフィア=パーシモンとナルメア=アルトグレイ
ぶちっ
「こんなもんかな?」
僕たちは今街はずれの草原に来て薬草の採取を行っていた。SCP-832《会計士の硬貨》のスキルで手にいれた《鑑定:価値》がやっぱり有用だ。簡単に薬草が集まる。
「うん、もう良いと思うよ」
僕の声にナルメアちゃんが返事をしてくれる。
今のナルメアちゃんの装備は修復したナルメアちゃんが使い古した革鎧に元の友達の形見である剣二振りを腰に掃いている。
「それじゃそろそろ帰ろうか」
「そうしましょう」
良い感じに袋一杯になった所で袋を二人で持ち、街へ戻る。
僕が女の子になってから一週間がたった。最近はスカートに慣れ始め、何か男としての尊厳を失いつつある気がしている。いや、大丈夫だ。確かにヨーロッパとかの方はスカートが男性の正装になっている所があったような覚えがあるし。
僕たちの今のところの生活は一般的な下級冒険者達の生活とほぼ変わらない。朝依頼の争奪戦に行って依頼を剥ぎ取り、受付へ提出する。といってもそこまで競争率が高いわけではない薬草採取ばかり取っているが。
ナルメアちゃんはjobは《回復術師》といういわゆる《回復役》なのだけど二人のお友達の剣を売りたくないけどそのままにしておくのはもったいないと言うことで剣士に転向するらしい。jobが《剣士》や《戦士》といったものでなくともスキルがあればある程度の動きは出来る。《魔法使い》の人が剣を覚えて《魔法剣士》の真似事をするなんてこともたまにあるようだ。
ナルメアちゃんの場合は回復しながら戦う継戦能力の高い戦闘職になりそうだ。そのうち《回復剣士》なんてjobになってそう。
僕のステータスは女の子になったときまるで変わっていた。
ソフィア=パーシモン Lv20
job 《SCP-■■■■-AW》
STR 200
VIT 300
DEX 500
POW 4000
スキル
《自己修復》《剣術E》《gじぇヴぇkcw》《■■■》《トラブルメーカー》《言語理解》
jobスキル
《SCP-foundation》
SCPの召喚が可能。
君は禁忌に触れた。
名前が変わってる。それにステータスだが男の時より低くなってる。いや、それでも普通のひと20人分の怪力はあるんだけど。
それにスキルが[検閲済み]が無くなったけど表示がバグってる。そして《トラブルメーカー》のスキル。何これ、要らないんだけど。それと僕には魔法の才能は無さそうだ。はっきりわかんだね。ちょっと悲しい。魔法の才能が一切ないことに落ち込んでいたらナルメアちゃんが優しく抱き締めて慰めてくれた。優しさを感じる。
でも女の子になってから冒険者ギルドに行ったときは大変だった。またあの変態冒険者グループが絡んできたのだ。僕の姿が見えなくなってナルメアちゃんの隣にいるのはちっこい弱そうな女の子。無理矢理手込めにしようとしてきた。まぁ、完膚なきまでに叩きのめしましたが。
ちょっと受付の女の人に引かれながらギルド登録をし、Fランク女冒険者として再スタートを切ったのだ。
そして今に至る。今日も依頼のキュルケ草採取を完遂し、冒険者ギルドで報告と納品をする。そうしたら受付嬢が僕たちに冒険者証の提示を求められ、渡したらカードを新しいのと交換された。
「おめでとうございます。今回の依頼の達成により冒険者ランクがEランクになりました。このランクからはダンジョンの侵入が許可されるのでこれからもどんどん頑張ってくださいね」
お、ランク上がった。それにダンジョンか。元々の目的の『魔族の謎の転移手段の調査』も達成しておかなくては。ダンジョンについて何か情報は無いかな?
「ダンジョンかぁ……最近何か新しいダンジョンか何か見つかってないですか?」
僕の問いに受付嬢さんは困ったように答える。
「それはあんまり聞かないですねぇ……第一新しいダンジョンが発見されてもまず最低Aランクパーティーの調査が入りますから今のソフィアちゃんだとまず行けませんね」
「そっかぁ……」
ダンジョンを見つけても報償金は出るらしいが僕の目的はあくまで情報。魔族の転移手段だ。ランク上げながら色々と個人で探してみようかな。
と、そんなとき、後ろから新しくパーティーが来た。五人で編制されたパーティーで、そのメンバーは見知った顔だった。
クラス委員で真面目、成績優秀容姿端麗の美辞麗句が服着て歩いているような女子、赤山樟葉。
クラスのマドンナ的立ち位置でいつもクラスの中心にいた須賀あさひ。
いつも物静かそうにクラスの端で本を読んでいた美少女、《深窓の令嬢》なんて呼ばれてた加山菫。
そして――
「すいません、冒険者登録に来ました。あと、人の事は探してるんですけど……」
嘘でしょ?何で、こっち来たの?
本町君と、小野寺君。




