SCP-682《不死身の爬虫類》 2
『貴様か、俺をここに呼んだのは』
唸るような声。その威圧的な声と周囲の血と糞尿の臭い、そして死臭が襲いかかり、脳を揺さぶる。SCP-682に手を向け、《収容》しようとするが
『おっと妙な行動をするなよ?そんなことをしてみればそれをするより早く俺が貴様の頭蓋を噛み砕く』
と牽制され、動けない。
『まぁいい。やはりそのような行動を取るということは貴様が俺をここに呼んだのは間違いないか』
「……そうだよ」
『ふん、やはりな。最近財団の者共が度々騒いでいる《オブジェクト失踪収容違反》とやらの原因もお前だろう。大方、俺のような存在、貴様らで言うところの《SCP》を呼び寄せる力、か』
僕の能力による召喚はあっちの財団でも観測はされてるのか。そんなことよりどうする?この状況では手も脚もでずにSCP-682にぶっ殺される。
ふと、気付く。こいつを黙らせる方法を。
「SCP-682。ここまま大人しく帰れ」
『何?』
「僕の能力はお前の言った通りお前達のような存在を召喚出来る。あとは、わかるよな?」
『まさか貴様――!』
「SCP-053《ようー『待て!』」
やっぱり。焦っている様子のSCP-682。
「どうしたの?」
『解った。見逃してやる。やるならばさっさとやれ!』
「随分と話が通じるね?」
『貴様にあの《幼女》を呼ばれたら面倒だ、それに元の世界に戻されてあの塩酸風呂に入れられるのは嫌だが、あの幼子に会うよりはましだ。どうせ元々あの女を助けるのが目的だったのだろう?あの忌まわしい奴等はこの世界にはいないからな。元々俺がここにいても意味はない』
どんなものにでも耐性をもち、体組織の大半を失っても死なないこいつが恐れたもの。
SCP-053《幼女》。
こいつの牽制手段を僕も持っている。何はともあれなんとかなった。
「じゃあね、SCP-682。《収容》」
光に包まれていくSCP-682。最後に捨て台詞を残していく。
『次に呼び出してみろ。貴様とこの世界全て壊してやる。覚えていろよ!』
「解ったよ」
そうしてSCP-682は《収容》される。
SCP-682がいなくなった後の空間は静かだった。
本当に危なかった。あのままじゃGHクラスシナリオ突入してたんじゃないのかな?
SCPは本当に危険だ。僕もこの力を本当に制御しきれるかわからない。今後の身の振り方を考える必要がある。
気を取り直して僕は女の子に近づく。息はある。ただ身体中に付いたゴブリンキングの体液とひどい扱いを受けたせいで損傷した各器官をなんとかしないと危ない。
「SCP-427《冒涜的なロケット》」
僕はまた、SCPを召喚する。




