鑑定チート?いえ、SCP-832《会計士の硬貨》です
さて、情報を探したいところだけど依頼を受けよう。ランクが低い今では情報は手に入りにくい。
先ほど受付嬢さんに示された掲示板を見る。掲示板は7つあり、上部にFからSまでの記号が書いてあった。
僕はFの掲示板を見る。
「……無いじゃん」
Fランクの掲示板にはほとんど依頼用紙が無かった。天辺の方に一枚あるだけだ。
苦労してそれを取る。
依頼
薬草採集
風邪薬に使うキュルケ草をとってきてほしい。
報酬
一束大銅貨一枚
この世界の貨幣は銅貨十枚で大銅貨一枚、大銅貨十枚で銀貨一枚と言うように十進数の要領で価値が上がっていく。因みに大銀貨一枚あれば質素に暮らせば一ヶ月は暮らせる。うん。割りに合わないのかなぁ?まぁ、お金には一応最初の金貨五枚があるから困ってないしいいか。
僕は受付カウンターに依頼用紙を持っていく。
「あの、これ受けたいんですけど」
「はい、《薬草採集》ですね。朝の内に魔物討伐なんかの常設依頼は皆とられちゃうんですよねー。この依頼は特に期限は決まっていないので量が採れ次第またカウンターに持ってきて下さい。キュルケ草の見た目はすぐそこの資料室にある図鑑に書いてあるので知らないなら見ておいた方がいいですよ」
結構親切だ。すごいな冒険者ギルド。
「わざわざありがとうございます。あ、一つ聞いてもいいですか?」
「はい?何でしょう?」
「キュルケ草、市場ではどれくらいで流通してるんですか?」
「そうですねぇ……あんまり買い取ってくれるところがないので何とも言えませんが大体十五本一束で大銅貨一枚と銅貨五枚くらいではないでしょうか?」
以外にあっさり教えてくれるんだな。
「……」
「?どうしましたか?」
「いえ、結構あっさり教えてくれるんだなぁ、と」
その事を聞いて受付嬢はあははと笑う。
「まぁ基本的に信用の問題です。多少質が悪くてもこちらで色々と処理したりするので安定した報酬が渡せますし、個人で売りにいっても安く買い叩かれるか買い取り拒否されちゃうんですよ」
なるほど。
「ありがとうございます。それじゃ、行ってきます」
「ええ、頑張ってくださいね」
ここフラウデーレ王国は《東部連合》のなかでは端の方の大陸と繋がった半島のような見た目だ。そのため他の同盟国よりも多少広大な土地があり、様々な植生もある。そんな植生の一つ、草原地帯に僕はいる。
キュルケ草は依頼の通り風邪薬に使える薬草だ。フラウデーレ王国の草原地帯に多く生えており雑草と見分けがつきにくいらしい。
辺りは一面の草、草、草。この中からキュルケ草を見つけるのは苦労しそうだが、僕はそんなの無視。
「SCP-832《会計士の硬貨》」
毎度お馴染み魔法陣。そして僕の手のひらに集束する。
召喚されたものは、一枚の50セント硬貨だ。ウインドウが表示される。
SCP-832《会計士の硬貨》
オブジェクトクラス Safe
スキル
《けちな鑑定士》
所持者に《鑑定:価値》を永続的に付与。ただし、それと同時にけちになる。
『スキル《鑑定:価値》獲得しました』
お、手に入った。草原の草を一本引っこ抜き、見る。
(銅貨一枚分・・・これか)
レートさえわかれば一瞬で物の価値がわかるようになるSCP-832。これの力を使えばキュルケ草と雑草の違いなんてまるわかりだ。さぁ、キュルケ草を取りまくろう。
「よっしやるぞぉー」
「ーーーこれは……」
「どうですか?問題あります?」
最終的に僕はキュルケ草50束つまり500本を2時間で集めた。
「目が良いんですね!ここまで短時間で多くキュルケ草持ってきたの貴方が初めてですよ!」
そこまで言われるとうれしい。
「これが報酬の銀貨五枚です。ステータスも高いし目も良いなら良い冒険者になれそうですね。これからも頑張ってください!」
「どうも」
うん。ちょっと少ないけどちゃんと銀貨五枚受け取った。
明日は討伐依頼をやろうかな?
SCP-832《会計士の硬貨》
オブジェクトクラス Safe
50セント硬貨の形をしたSCP。
手に持つと自身が持つ資産がどれくらいあるのかどのようなレートでも正確に話せる。
転用して他のものの価値がわかる。
その代わり、室温1100度の部屋に1セント取りに行くほどけちになる。
主人公はアホPOWのお陰でまだ軽症




