聖武具とSCP-914《ぜんまい仕掛け》 3
戦闘描写が難しく、かなり時間をかけてしまいました。すいません
「まずは雑魚の数を減らさせてもらうぞ」
バンは腕を前に突きだし魔法陣を構築する。そこからその数千のゴブリンの群れが出てくる。僕のと同じ召喚系の魔法陣だったようだ。最初こそ前衛の何名かが飲まれたがその軍勢に怯むことなく大隊の兵士たちは矢を射り、剣で切り殺し、槍で突く。僕も何匹か蹴り殺した。
そして少ない犠牲でバンの元へたどり着く。そして袋叩きにしようとそれぞれの得物を突き出す。だが、
「フンッ」
バンが人外の膂力を以て腕を振るえば兵士だった肉塊が飛び散る。それはすでに撒き散らされていたものと合わさり、どれが誰のものだったのかもわからない。どんな力してんだ。
もとの世界だったらこの漂う死臭と糞尿の臭いで嘔吐からの失神だけどアホみたいなPOWのおかげでそこまで辛くない。
「千のゴブリン程度では怯まぬか。下手をすれば人間の町など一飲みなのだが、成る程人間の軍勢にしてはやる方だな」
「お褒めに預かり光栄だよ、『七大罪』――!」
リーゼロッテさんが一気に袈裟に切り込む。その剣は他の兵士より速く、鋭い。
バンはその剣を避け、右ストレートを返す。リーゼロッテさんはそれがわかっていたように膝を折り曲げ姿勢を低くし拳を避けてその二の腕を切りつけて飛び退く。
バンの切られた右腕は軽く切られたように見えたのにズッパリと切り裂かれ、だらんと下ろされていた。
「まずは右腕。次は左腕を貰うぞ?」
剣を正眼に構えてバンに言うリーゼロッテさん。
「ぬぅ……聖剣か。それに使い手もなかなかやりおる」
呻くような声で言うバン。へぇ、あれって聖剣なんだ。
そしてまた剣撃と拳撃の応酬が始まる。
ただ見た感じはリーゼロッテさんの優勢。そして今、バンの右腕の健も切られた。
「さぁ、止めだ!」
バンに斬りかかろうとするリーゼロッテさん。それを見てニヤリと笑うバン。そして、力の入らないはずのバンの右手に力が入る
あ、あれあかん
「SCP-429《時計式瞬間移動》」
魔法陣が小さめに構築。僕の焦りをわかってかすぐに目的のものは出てきてくれる。
SCP-429はスイッチとダイアル、レバーがごてごてとついた時計のような見た目だ。それが今、すでに僕の右腕に付いている。
SCP-429《時計式瞬間移動》
オブジェクトクラス Safe
スキル
《瞬間移動》
いきたい場所に転移できる。距離が長いと身体的デメリットが発生する。
使い方はわかった。ダイアルを回して位置調整。そしてスイッチとレバーを押す。そうすれば、僕はリーゼロッテさんとバンの間に転移する。
「ヨシヒコ!?」
「ぬぅっ!?」
驚く両者。そんなのを気にしてる隙は無い。リーゼロッテさんを遠くに蹴り飛ばす。三メートルくらい飛んだ。ごめんなさい。
そのリーゼロッテさんの様子を一瞬見たら、お腹に異物感が現れた。お腹を見ると、バンの右腕が刺さってた。というか貫通してた。
「ごぶっ」
血を吐く僕。痛い。めっちゃ痛い。でも、僕はSCP-429のダイアルを回してまた転移する。
「ヨ、ヨシヒコ!?」
慌てて駆け寄ってくるリーゼロッテさん。涙目で可愛い。動揺してるけどそんなのを見て和んでる暇はない。
「リーゼロッテさん、その聖剣貸してください。絶対勝てる方法が有ります」
「な……何を言ってる‼お前は下がれ!」
「いいから!」
「く……わかった」
以外とあっさり聖剣を貸してくれるリーゼロッテさん。僕はそれを受け取って新たなSCPを召喚する。
「SCP-914《ぜんまい仕掛け》」
魔方陣が、構築される。
SCP-429《時計式瞬間移動》
オブジェクトクラス Safe
レバー、ダイアル、スイッチがついたごてごてした右腕につける時計。
装着すると『感覚的に』使い方を理解し、このSCPを使って瞬間移動できる。
あまり遠い距離を飛ぶとそこまで行くのに歩いてかかる時間(時速6~10㎞程度)と同程度目が見えなくなったりする。
作者からのお知らせ
諸事情により、ただでさえ遅い更新ペースがさらに遅くなります。すみません




