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ゲーム実況による攻略と逆襲の異世界神戦記(アウタラグナ) 作者:かすがまる

第2部

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44 ドラデモ的ドロップについて/騎士は転戦する、少女黒騎と共に

 神の感じ取る世界は、ワタシの感じ取った世界。
 人間の哀しみが寒く、人間の憤りが熱い、ワタシたちの世界。


◆◆◆


 ニュース速報が物騒すぎてドン引きワロエナイ。原子力潜水艦が消息不明て。

 と、というわけで、いもでんぷんです! 

 剣呑な世の中だなあって思いながらゲーム内で戦争しております。中学ん時の真っ赤なジャージ着て食パンかじりつつです。今日も日本は平和……なんだよね?

 まあよくないけど、まあいいや。集中すべきはドラデモですよ。

 最終戦争モードに突入しましたねえ……トリガーは「ヴァンパイア使徒の内の誰かが欠ける」ですから、ま、当然の流れですな。ただ『黄金』が欠けてっていうのはレアケース。だいたいは『崩山』が『絶界』にやられるのが切っ掛けですので。

 あ、そう言うと『崩山』弱って感じですけど……攻略サイトでも「半固定イベント」だの「内政ターンエンド」だのと言われ放題ですけども。

 単に相性の問題ですねえ。

 例えば、今まさに大陸中央部で激突している『艶雷』と『絶界』なら……って。

 いや、これ、何でわかるんでしょ? 大陸マップにめっちゃマーカー出てるんですけど。兵数とかステータスとかは確認できないにしろ、位置だけでも相当に有利な情報でしょうよ……うーむむ……見てるとモヤモヤしてくるなあ。

 他の使徒にはマーカーなんてない。いつも通り。サチケルちゃんにだってない。戦っていると出る仕様? でも『黄金』と戦った時にはなかったし……?

 んー、保留。とりあえず遠いし。

 どうせ『艶雷』と『絶界』じゃ、遠距離戦で膠着する組合せだし。

 それが使徒同士の相性ってやつです。そんな『艶雷』を封殺余裕の『万鐘』サチケルちゃんも、『崩山』だけは大の苦手で涙目必至。やっぱり物理で殴る系は恐いよね。絵面も、筋肉男が幼女を追い回すとか、ちょっと……。

 よくよく気をつけなければならないです。

 結局のところ、使徒の潰し合いが勝敗を大きく左右しますからね。

 ちなみに、使徒六人中最初の脱落者がエルフ側だった場合、最終戦争モードにはなりません。むしろヴァンパイアは舐めプレイを始めます。

 で、焦ったエルフによる人間支配がスタートするのです。属国化どころじゃ済みません。男は肉盾として前線へ送られるし、子供は眷属獣の餌にされるしで、人間はひどいことになります。そして最後はエルフ諸共滅ぼされるという鬼畜展開。

 いやー、はっはっは。ドラデモってやつは、本っ当にバッキャロウですわ。

 今更なことを言いますが。

 クロイちゃんをヴァンパイアに従属させないで、よーかった!

 最初も最初、シェルボアを串刺しにして魔物初撃破ボーナス取った時の、大牙。今も装備中のコイツを、予定通りに魔神へ捧げていたら……冗談じゃないですね。

 ドラデモの、DXディーエックス。デラックスじゃなくDXディーエックス

 これが何なのかは、何ひとつわからないんですけど……どう検索したって何もヒットしないどころか「もしかして:バカ」とか煽られる始末ですけども。怒るべきか怖がるべきかも訳わかんないいもでんぷんですけども!

 この最終戦争モードを、人間の勝利で終わらせてやりますよ!

 そのためにも、クロイちゃん、《サモン》系を目指すぞ!

 普通にやったって魔神には勝てない。勝ち方もわからない。でも、このDXには鬼神が実装されてますからね。毒には毒を、神には神をですよ。強化してぶつけてやるしかないでしょ。最強召喚魔法の《サモン》系解禁は絶対条件ですとも。

 そしてそして、強化方法としては、とにかくヴァンパイアをブッコロなのです。

 ヴァンパイアが攻めてくるってのは、大変なことですけども。

 でも、ふたつの意味で鬼神強化の大チャンス。

 ひとつに、武闘派クロイちゃんの活躍を各地で披露できます。開拓地でやった「信仰の仕組みの矯正」効果を拡大できるってわけです。なんか布教みたい。

 もうひとつは、魔神の信仰値の掠め取りです。ヴァンパイアを倒すとドロップするもの……灰と石。この石の方が重要です。エルフの葉飾り同様、その個体が神から得ていた加護の力を秘めてます。それを鬼神に捧げちゃう。鬼神印にしちゃう。

 ゲームお馴染みの経験値呼ばわりするのは、ちょっと気が引けますけど……。

 でも、いただきます。やれることは全部やるの精神で。

 やり方はどの神も共通してるので大丈夫。これまで倒したやつの石も、戦場の慣習として神院が保管してますしね。

 あ、そういえば『黄金』の石が未回収なんですよ。

 クロイちゃんが気を失っちゃったってのもありますけど、それにしたって謎な紛失でした。まあ、使徒や従僕の場合は加護の力がどっかへ継承されるんで、そう極端に高パワーってわけでもないんですけどね。惜しいっちゃ惜しい話ですわ。

 とにかく。そんなわけだからして。

 ちゃっちゃと次の戦地へ行こうじゃないか、イケメン騎士とその仲間たち。

 あっちこっちのヴァンパイアをやっつけて回って、強さとカッコよさをこれでもかってくらいにアピールしまくるんだ! 一緒に! もっともっと!


◆◆◆


 草原を黒騎が駆けていく。両の手にそれぞれ片刃剣。馬上にて鳥の開翼の構え。

 クロイ。そのまま五百骨の中央へ分け入るつもりか。

 ならば私は外を削ごう。お前の戦果を拡大させるためだけに、このアギアス・ウィロウの武を振るおう。頭上、手を開いて五指を示す。一度反らし、振り下ろす。

 一千騎は五隊へ。二百騎の高速でもって戦場を制限して。

 そして、クロイの激烈さを目撃するのだ。

 敵意を一身に浴びても一切臆さずの一直線。飛来する雷も石も、赤黒き徒党が現れ出でて引き受けるから、速度そのままに突き刺さる。後は乱れ舞いだ。クロイの双剣が閃くたびに炎が上がる。絶叫が轟き灰が散る。

 黒馬も実によく駆ける。跳びもする。敵へ敵へと肉薄し続ける様は、これも激しい舞踏のようだ。しかも孤立しない。残影のごとくに赤黒き徒党が現れ戦う。

 強い。クロイは強い。以前より強くなって、今なお強くなろうとしている。

 慢心無き練磨の果てに、クロイよ、お前は何を討つつもりなのだ。

 あの『黄金』をも超える敵とはデーモンか。ドラゴンか。

 あるいは、まさか……いや、恐らくは……。

 凄まじいな。使徒の在り様とはどこまでも壮絶なものだ。

 お前もまたひとりの人間であることに変わりはないだろうに……それがための無謀な振る舞いもあって、傷つき苦しんだろうに……使命がお前をつるぎにしている。万刃を召喚するまでもなく、お前自体が一振りの神器のようではないか。

 なればこそ、我らは駆け遅れまいぞ。

 御大将をひとりで駆けさせていては、いかなる武も勇も成り立ちはしないのだ。

 二百騎を四つに割る。五十騎で一振りの剣となる。全包囲からそれをやるから、騎馬による二十の小隊剣舞だ。クロイを意識せざるをえないヴァンパイアの、その散漫な抵抗を物ともせずに斬り裂く。速さと鋭さで駆逐していく。

 内側に一騎当軍の火炎斬舞。外側に二十の火輪。弱者をしいたげることに慣れすぎた獣の群れなど、一骨たりとて逃がしはしない。

 五百骨ことごとくを討ち果たし、灰塵として……一騎一名も欠けることなし。

 クロイも傷ひとつない。そしていつもの歩みが始まった。この遊撃騎行を始めてよりやるようになった灰踏みだ。戦場を歩いて回り、足を灰で白くしていく。騎乗もせず、何かを確かめるような面持ちだ。

 また一歩、もう一歩、ということだろうか。

 そうやって、お前は闘争の深みに……いや、高みへときざはしを登っていくのか。

 斥候を放ち、巡回小隊を出し、この場に休止する者らには順に馬と兵装の手入れをさせる。油断はしないが一呼吸はつける。既に十数度の戦闘を経ている。

 西地の惨状は、目に余る。

 こうも広く深くヴァンパイアに侵入されてしまっては、拠点間の連携など見込めるはずもない。解放した村々も、あれほどに喰い荒らされていては……厳しい。

 今の五百骨は、この辺りでは最大のまとまりだった。これで民の避難する時間が確保できたろうが、不気味さもあるな。ヴァンパイアの行動はどこまでも組織立っている。その獣性からすれば、散り散りに人を襲っていそうなものだが。

 浸み透りの戦術……少数部隊による進攻を重ねた後に、本隊が面で押し込んでくるものだろうか。それにしては、大部隊であるべき本隊の気配がない。

 それとも、ただの瀬踏みか……こちらの反応を見るための戦線荒らしだろうか。そうだとすれば退き際が悪すぎる。クロイの力もあるものの、かくも各個撃破されていては元も子もないだろうに。事実、砦を攻める戦力はもうあるまい。

 ヴァンパイアの戦術目標は、どこにある。

 それを見極めるまで……この遊撃騎行は終われるものではない。

 む、クロイが騎乗したか。視線で次の敵を要求してくる。お前もまた終わらせるつもりがないといった風だな。よかろう。すぐにも案内しよう。

 神は、開拓地でも黄土新地でもなく、この西地へとクロイを配した。

 その意味をこそ、私は考えるべきなのかもしれない。

 馬を駆る。

 次の戦場へ。そして次の次の戦場へと。
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