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第6話『潜入! 黄昏の怪盗魔アジト 前編』

更新遅れてごめんなさい。

誤字脱字があったらごめんなさい。

「それでは、移動を開始する

 ひとまず裏口から敷地内に入ったら連絡する」


 俺は、サーシャと早足で黄昏の怪盗魔のアジトに向かった。


「ここだろうか?」


 そこには、木やら石やら何やらで出来た簡素な塀があり、正門と思われる場所には剣を携えた人が何人か居て、門にはダイヤと剣を合わせたような紋章がある。


「間違い無いわ…裏口はあれね…」


 俺たちは歩きながら話す。とは言えど、他人から見れば走ってる様にしか見えないだろうが。

 裏口と思われる場所には、大きな箱が2つ縦に重ねられて置いてある。


「どっこいしょ… 箱重ぇなぁ…」


 ひとまず、箱を塀の中に入れる。

 それから、俺ら二人が塀の中に入る。裏口の門は人、半分程の高さなので楽に飛び越えられた。


「どうするか…」


 困った…中に入ったは良いがどうするか分かんない。

 木箱の使い方もわかんない。箱は良く見ると、底面に穴が空いている。

 

「これ、ちょっと見て…」


 サーシャが箱を持ちながら寄って来た。

 箱の中身に紙が付いてたので剥がしてみる。

 文字が書いてある。なになに?

 内容を小声で読んでみる。


「痩せ鼠の配下ことクリス、そして我プリンセスサーシャ様へ

 この箱は底面をわざと外しました。

 その穴から箱をかぶってください。

 穴が空いてる面が正面です。

 ついでですが、箱には『倉庫棟1階武器武器庫行き』と書いてあります。

 無事を祈っております。

 特別に素晴らしい専門家、情報屋痩せ鼠ことギールより。

 P.S.

 伝心の神器で連絡してくれるとありがたいです。」


 なにが特別に素晴らしいだ…てか俺を下にする書き方やめてほしい。

 ひとまず箱を背中から被ってみる。


「背中痛い… ひとまず、端に行こう」


 背中が痛い… 広さはあるが、重くて箱自体硬くて移動しづらい。


 端っこに行き、地面に箱を密着させ、伝心の神器を持つ。


「こちらクリス、聴こえるか?」


『こちらギール、良好だぞ… 箱の調子はどうだ?』


「発想は斬新だが箱が重くて不便だ。体位が少々きつい」


『我慢してくれ…

 サーシャにも伝心の神器を使う様に言ってくれ…』


 俺は隣のサーシャの箱を叩き、黒い物を見せる。

 サーシャは頷いた後、腰からそれを取り出した。


「聞こえるかしら?」


『あぁ、聞こえてるぞ。本題に移る…

 さっきも確認したと思うが、黄昏の怪盗魔の基地は2つの建物に分かれている。

 裏口から見て右にある平屋の建物がある。それが倉庫棟だ。用は無い…

 正面にあるでかいのが本棟だ。

 ひとまず本棟に迎え』


「わかったギール…」


「分かったわ」


『クリスさん、サーシャさん、少し良いかしら?』


「ん…ナオ、どうした?」


 ギールがナオと代わった。


『融通のルートを潰すのは難しいかもね…

 いっそ、倉庫棟を燃やしちゃうとか… それだと後が面倒だし…

 ひとまず、情報を調べてみて… ついでだけど、ダイヤルを2に合わせると私に直接つながるわ』


ゴトッという音が聞こえた後、ギールが喋り始めた。


「そろそろ良いか? ナオには、定期的に連絡してくれ、作戦記録の仕事が彼女にはあるからな。

 それと、ダイヤル3に合わせるとケントに繋がるからな。

 健闘を祈る』


 会話が終わったので黒いそれを胸に戻す。


「行くわよ!いい?」


「あぁ…」


 俺たちは基地の本棟を目指して走るのであった。


 ***


「変な感覚がした。

 何かが入り込んできた様な感じだ。

 鼠ではないな」


 男が言う。


「念の為警備を強化しますか?」


 もう一人の男が言う。


「別にいい。どうせあんな奴ら役に立たん… ろくに人と殺り合った事もねぇ奴らはな。

 お前もそう思わんか? パウル」


「確かに思わない事も無いですが… パトリック公」


 パトリックは高そうなローブを着て、背中に大きい剣を背負い話す。


「パウル、念の為警戒しろ… 俺の勘だとあれは人だな。

 俺らに敵意を持つ者だな…」


「パトリック公、さすがです… 見張りに行ってきます。

 それでは」


 パウルはとてつもない速さで走り去っていく。


「さて、俺を楽しませてくれる奴はいるかな…」


 パトリックは一人呟いた。


 ***


 俺たちはいまアジトのなかにある本棟1階の廊下にいる。

 この建物は三階建てと思われる。


「サーシャ〜、少し良いか〜?」


「いいわよ…」


 廊下の端に寄る。

 ひとまず連絡してみよう。

 ダイヤルを2に合わせてポチッとな…


「聞こえるか?」


 ダイヤルを2に合わせてそれを使う。


『聞こえるわ、どうかしたの?』


「ナオ、どこに行ったらいいと思う?」


 何の手がかりもない。


『ひとまず、何か手がかりになりそうな物は何かしら? 資料室とか?

 資料の中にもしかしたら黄昏の怪盗魔と殺人魔が取引した情報が残ってるかもしれないわね…

 私はそういうのあまり詳しくないからあんまり役に立たないかもしれないけど…

 がんばってね』


「十分、役に立った」


 機嫌をとったとこでそれのスイッチを切る。

 資料関係の部屋か…


「ここか?」


「ん? クリス、どうしたの」


 案外近くにあった。木で出来たドアのプレートには『情報資料室 -入室時は幹部に許可を取る事!- 』

 と書いてある。

 ひとまず、近づいてドアノブに手を掛けてみる。


「鍵がかかってない… 運がいいなぁ〜」


 ドアを開けて部屋に入る。

 本棚には様々な紙や本が綺麗に整頓されて収納されている。

 棚にはわかりやすい様に資料ごとにまとめられている。

 こんな感じで並んでいる。


 左から

『土地売買に関する資料、鹵獲品の管理、奴隷に関する資料、殺人魔様との契約及び取引交換などの資料、

 ギルドメンバー、ギルドルール及び規則』

と言った感じに並んでいる。

 なにが鹵獲だ!村人から普通に物や金を奪いまくったくせに…

 それはさておき、俺ははそこから取引の資料と念の為ギルドメンバーの資料を出す。


「ふむふむ…」


「どう?」


 色々わかった。

 まず、契約内容はこんな感じだ。


『“主な内容”

 1.黄昏の怪盗魔(以後怪盗魔)は、

 黄昏の殺人魔(以後殺人魔)に月、アトリア金貨5枚を送る事。


 2.怪盗魔は、殺人魔に支援士として2から3人のギルドメンバーを送る事。

  ➁.その者には報酬としてアトリア金貨数枚を渡す。


 3.怪盗魔は、殺人魔に、有事や事件が起きた場合に全力でそれの支援、解決を行う事。

  ➁.殺人魔は怪盗魔に何かが起きた場合、それを支援、解決を従事する。

  ③.支援に当たった者には特別報酬としてマイツ銀貨10枚程を渡す。


 4.怪盗魔のメンバーは月に数名ほど殺人魔の元で訓練を受ける事ができる。

  ➁.訓練を受けた者には、一律マイツ銀貨5枚を渡す上、

  成績次第では殺人魔への加入資格を得る事が出来る。』


  ついでだが、最後にこんな事が書いてあった。


『黄昏の怪盗魔本部にて 署名。

 黄昏の怪盗魔団長、“ケヴィン・バーキン”

 黄昏の殺人魔団長、“ヘルオブ・メッセンジャー”


 人界歴3114年サラ月15日、正刻に署名。』


 おそらくリーダーの名前だろう。

 ひとまず、この契約の書かれた紙をポーチに入れよう。


 あと、取引ルートと何と無くわかった。

 まず、どこかから物を奪う。

 次に、それを換金する。

 そして、その金をアジトで殺人魔に渡すと…


 取引を止めるのは難しそうだ。

 暇だったのでらメンバーについても調べた。


「あれ? どう言う事だぁ? こりゃ…」


 喰い違う点があった…

 さっきの契約書では、怪盗魔のリーダがケヴィンだったのに、こちらのメンバー表では、

 リーダーがパトリック・S・スミスになっている。

 てか、泥棒のくせに聖人かよ!…


 ひとまずこれ以上ここに居ても仕方がないので、契約書とメンバー関連2冊と取引関連数枚を盗んだ上で、部屋を出ようとした。


「ん? 隠れろ…」


 俺は箱に隠れる。

 そもそもサーシャは元々、箱にいたので今更あれこれする必要はないが…

 ずっとあの体勢はきつそうだなぁ〜


「おい、この部屋に寄らないのか?」


 廊下に居る人が話す。


「後で良くねぇ? 腹減っちまったぜぇ〜?

 てか、飯はまだかぁよぉ〜?」


「そうだな… どうせ重要なジョブじゃねぇしな」


 そんなで二人は去って行く。

 まだ怖い。

 通り去って行ったようだ。


「良いぞ、出るなら今だな」


「わかったわ」


 二人で廊下に出る。

 俺はひとまず、人がこなさそうなところを探すのであった。


 ***


 男は決して広くもない廊下をとてつもない速さで走る。

 

 男は疲れた顔1つせず走る。


「どこだ?… 俺の敵は?」


 男は探す。


「俺の敵はどこだ?」


 男は止まる。


「見当たらない…」


 それでも探す。


「あったか?」


 男が持ったのは灰色の鼠だ。


「違うな」


 男は容赦なくその鼠を放り投げたのであった。


 もう一人の男はひらけたベランダにいた。


「うむ、(クリス)は何かを得たようだな… それにしても暇だ。

 パウルも苦戦してるようだな。」


 男は花を持ち、花びらを一枚一枚丁寧に摘んだ。


「花びらの終わりは儚いな…

 風に舞って行け…」


 花びらは風に乗って飛んで行く。

 どこまでも。


 ***


 俺は、あの後、ドキマギしながら移動した。

 建物の構造は面倒で、二階に通じる階段が北にあるのに対し、三階に通じる階段は南にある。

 その為、移動距離が増え、敵に見つかる可能性が一気に増えた。

 運良く数人とすれ違うくらいで済んだがその時の鼓動と言えばもう、

 バクバクドクドク破裂しそうだった。


 二階は会議室や居住室などもあった。

 中には奴隷の部屋なんてのもあった。

 こいつらは、泥棒序でに村や町の人を攫って雑務をやらせたり時にはあっちの処理もさせてるらしい。


 あっちとは、汚物処理では無い方のあっちだ。すなわち(しも)処理だよ。

 最低最悪だ!

 そんなで二階の旅を終え三階へ。


 三階はというと…殺風景だ。

 今まで廊下に部屋がぎっしり並んでいたのに3回は左右に一つの部屋しか無い。

 片方は幹部総務室で、もう1つは最高指導者室と書いてある。

 俺は後者に入る。理由はスレートに書かれた、

『最高指導者以外の立ち入りは絶対禁止 -立ち入ったものは火炙り- 』

 に惹かれたから…ではない。

 どうしてこちらを選んだかと言うと数分前に戻る事になる。


「サーシャ、開けるぞ良いか?」


「えぇ、戦いに備えておいて」


 俺は箱を端に置いて部屋のノブを開けるのであった。


 ***


 これは数十分前の話だ。


「人居ないな?」


 おれは人の居ない場所に寄り、黒いやつを出す。

 ダイヤルを今度は3に合わせた。


「え…? あ…? その…?

 ごめんなさい、その要件は?」


 気弱な男、ケントだ。


「あぁ、ひとまず、情報は色々入ったから良いが、この後どうすれば良いと思う?」


「うっ…その…

 その基地の(おさ)を探せば良いのでは?… その人を倒せば多少妨害になるかも…

 その… すいません!」


「その… 良いぞ、別に。

 ここの長を倒せば良いんだな、ケント?」


「は、はい…」


「パトリックはいねぇかもしれんが幹部倒されるだけでも痛手かもな、

 やってみるぞ! ケント…」


「え、が…頑張ってください…」


 俺がスイッチを切ろうとしたところ。


「ケント… なにその気弱な態度は…?

 仲間が命張って身を削ってると言うのに、あんたはそんなことしかできないわけ?」


 耳がきぃーんとするかと思った。

 今声上げたの女…だよなぁ…


「ナ…ナオ、その…すんませんした」


 ケント、すんなり謝った…


「ケント、あんたがそう気弱だとみんなが落ち込むでしょうが!

 そんなで士気落って、仲間死んだらどうすんのよ!」


 ここまで俺の事を思ってくれなんて… そうじゃなくて誰、これ?

 サーシャは箱から出て伸びをしてるしギールにしては声が高すぎる。

 もしかしてあのブロンド美女様⁉︎


「いい、次そんな態度をとったらーーだからね!

 いい?」


 かっこいいっす!先輩。

 じゃなくて最後、最後なんて言った?


「はい、あぁ〜…」


 ゴトッ!と事が聞こえた。


「取り乱して悪かったわね。

 あいつは心は雑魚だけど頭だけは良いから…

 アジトの長を殺るって言うのは名案だと思うわ。

 こういう事なら私よりもケントの方が詳しいんだけどなぁ…

 うんうん…なんでも無い!

 頑張ってね」


「あぁ」


 そんなで俺はそれを胸に戻し、箱をがぶるのである。


 ***


 ガチャッ…

 俺は三階の最高指導者室に入る。

 この、ラッティオにあるアジトは本部ではない。

 資料室でわかった事だ。


「失礼〜しま〜す…

 誰もいませ〜ん」


 人らしき影はない。

 お部屋はと言うと、お高そうな机に部屋の装飾も豪華だ。

 壁には鹿の角まで飾ってある。


「妙に不気味だ…」


 生活感もある。数時間前までここに居ただろう。

 出かけるとしたらなぜ、綺麗にしない。

 恐らく、アジトの長はこのアジトの近くにいるだろう。


「ん?」


 ベランダでもあるのだろうか?

 奥に大きい扉がある。

 それは少々開いている。


「あの扉の向こうに何があると思う?」


「何かしら、念のため確認した方が良さそうだわ」


「あぁ、そうだな。

 開けてみるか」


 俺は、部屋の奥にある大きな扉を開ける。


「ここは?」


 そこには何もないベランダがあった。ひさしもほとんど無い。


「鼠の正体はお前か…アトルーデ。

 こいつは楽しそうだ」


 そこには、商店街で俺に話しかけ、サーシャの氷槍(アイススピア)で気絶した男がいた。


「うそ…だろ?…

 なんで、《殺人魔》のお前が《怪盗魔》のアジトに居るんだよ…」


 奴の額には、傷もある。


「俺は、黄昏の怪盗魔のリーダー、パトリック・シェトルダ・スミスだ。

そして、黄昏の殺人魔マーダー レーダーだ」


 奴は、怪盗魔の、ボスでもあり、殺人魔の幹部でもある。

 つまり奴は二股をかけていたのだ。


 -- 終わり --

-- サーシャのステータス --

名前.サーシャ

年齢.15歳?

職業.護衛?

--剣術--

流派.特に無し、

特技.とてつも無い速さで相手を斬る事ができる。

--魔術--

得意系統.水術

特技.大抵の魔術を使える。1つの魔術を応用して何かを行う事が得意。

レベル. 炎術.上級 水術.聖級の下 風術.中級 土術.上級 治癒術.上級 解毒術.中級練習中

--その他--

美貌.美しい銀髪、仄かに紫がかり、その顔を見れば誰もが振り返る。

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