第5話『潜入! 黄昏の怪盗魔アジト 前夜祭』
更新大変遅れてしまいごめんなさい。
誤字脱字が大変多いと思います、ごめんなさい。
物語りがわかりづらいかと思います。ごめんなさい。
「我に神の加護と知恵を恵んでくださいませ
我に神の喜怒と愛楽を恵んでくださいませ
我に神の慈愛を恵んでくださいませ
ファイヤーボム!」
魔術の練習も終わり、ギールも家に来たところで作戦の最終調整を行う。
クリス、いいか?作戦は[ナツ月 25日]に行う。
作戦名は[オペレーション NO. 001 K]だ。
この作戦には俺も入れて三人の案内者が付く事になる。
ただ、黄昏の怪盗魔の基地に潜入するのはクリスとサーシャの二人のみだ…」
「わかった…」
俺は返事をする。
「わかりました。明日は何時にどこへ行けばいいのですか?」
「陽刻10時頃村の噴水広場に集まろう…馬は南の方に置いてある…移動に関しては任せてくれ」
「わかった。俺らは装備の準備を終わらせて残りの時間は適当に休むか…」
「クリス…俺はそろそろ帰る。元気でな!」
「あぁ、ギールもな!」
「えっと、ギールさん… 改めてよろしくお願いします」
「あぁ、サーシャさんもな! それでは!」
ギールと別れの挨拶をする。ギールが俺の家から帰るのを見てサーシャと軽い話をする。
「この杖、どうしよう… ひとまず練習してみるか」
ゴーン…ゴーン…ゴーン…
陰刻6時の鐘が鳴るのを聞きながら庭へ行く。
ひとまず杖を持ちながら魔術詠唱をしてみる。
「我に神の加護と知恵を恵んでくださいませ
我に神の喜怒と愛楽を恵んでくださいませ
我に神の慈愛を恵んでくださいませ
ファイヤーボム!」
詠唱を唱えると同時に大きい音を立てて炎が広がり、庭の草を焼き焦がし家の壁や塀が黒くなる。
サーシャが驚いた顔をしながら急いで魔術を行う。
「我に神の加護と知恵を恵んでくださいませ
我に神の喜怒と愛楽を恵んでくださいませ
我に神の慈愛を恵んでくださいませ
ウォーターボム!」
庭に大量の水が降り注ぎ、火を消して行く。
「危なかった〜… クリス、危ないじゃない…
杖は魔術の威力を高める効果があるのよ… 知らないの?」
「ごめん… 知らなかった。さて、次は無詠唱に挑戦してみるか…」
俺はそう言いながら杖を右手に持ち、杖に力を込める。
氷の弾、小さめで威力は普通で数は一つ
そんな氷の弾を意識しながら更に右手に力を込める。
淡い青の光が杖のあたりに集まり一つの氷の弾ができる。
音を立てて氷の弾が飛翔し壁に突き刺さる。
「威力の調整が難しいな… まぁ、明日は対人戦が主だし威力の調整も要らないか…」
やはり威力面の事は後にしよう。 魔術を発動する速さを極めなければ。
目標は、数秒程なさだな。
そろそろ暗くなってくる頃だし練習をやめるか。
「そろそろ暗くなってきたし家へ戻るわよ!クリス…」
「あぁ、そうだなサーシャ」
そんな1日が終わった。
***
[ナツ月 17日]
俺は、サーシャと村の南にある分かれ道に居た。
そこはイートデスと戦った場所でもある。
「よし! 荷物は持ったな…」
ギールの言葉で朝が始まる。
「剣よし! 杖よし! 食料よしと! さて馬を出しましょ! クリスも準備出来た?」
「ああ、今そっちに行く」
ゴーン…
陽刻6時の鐘がなった。
おれは荷物を持ち、急いで荷車の上に乗る。
「みんな乗ったな。 それでは出発する」
ギールの声と同時に手綱が振られる。
ヒヒーンッ!
盛大な馬の鳴き声が響き馬車が動き出した。
***
ポートパート村を出発してから2日あたりだろうか。
馬車は、相変わらず走り続けている。
ラッティオの街までは7日程掛かる距離がある。
もっとも近い方でマイツリードの首都のマイツなんて20日は最低でもかかる。
ナツ月が比較的涼しい時期だったのもあってか馬車は順調に進んで行った。
***
[ナツ月 14日]
正刻頃、俺たちはラッティオの街に差し掛かっていた。
まず驚いたのは街を覆うように造られている石塀だ。
人が四人ほどの高さの石塀がそびえ立っている。何度見ても圧巻だ。
「よし、街に入るぞ…」
門から街に入り、大きな道を進み商業区の門をくぐる。
「ギール、それにサーシャ! やっと付いた!」
簡素な馬留めに馬をくくりつけ、建物に荷車やら荷物やらを運び込む。
「暑ぃ、なんで街までこんな離れてんの?」
商業区の一角。古びた平家で入り口は広く天井も高い。
「休むか…さあ、二人とも入ってくれ」
「それにしてもこの街は大きいのね…」
「ザイサリ領内では二番目に大きな街のはずだ…」
ギールは地学にも詳しいらしい。
「本作戦に参加してくれる人の紹介だ。二人とも、入ってくれ」
荷車を入れた土間の隣にある簡素な部屋へ入る。
ギールがガイド二人を呼び出す。
「初めまして、クリス・アトルーデさんにサーシャさん。それとギールさんはお久しぶりです。
私はナオ… ナオ・ミリー、よろしくお願いします」
その女性はブロンドでどこにでもいそうな顔だが背が高く碧眼で、顔はどこか幼い。
礼儀正しく、人によれば美少女にも美女にも見えるだろう。
「え… えっと… 僕は、ケ、ケントと言います… よ…よろしくお願いします…」
頼りなく喋る男性は背は低めなのに顔は幼さがなく大人に見える。
髪は黒い。途轍もなく黒く、差し込む光を照り返している。ここから遙か南に住む闘人族だろうか?
それにしては背が高い。それに肌も白く気弱だ。
闘人族とは、俺たちの住むところからはるか南に住むと呼ばれる森の先住民で
肌と髪は黒、背が低く男女問わず露出の高い服を纏って排他的な性格をもっている。
ナオは北の出身でケントは南の出身だろう。
「ナオには情報管理と作戦記録を行ってもらう。ケントには地理学など現地に関して作戦に参加してくれる」
「作戦記録って?」
気になったので率直で訊いてみる。
「作戦の進行具合を、何かに記すことだ。
ナオがお偉方に頼まれてることらしい…」
「よくわからん…」
何の話してるんだよ。
「二人にはこれを貸す」
差し出されのは黒の光沢のある四角い黒い物体だ。
「これは何ですか?」
サーシャが訊く。
「伝心の神器と呼ばれる者だ。神器というよりかは魔法器寄りだが、
伝心の神器の右側にある出っ張りみたいな物を押しながら喋るともう一つの伝心の神器に声が伝わる物だ」
「つまり離れていても会話が出来るんですね…」
「ついでだがこれは特別版だ。左側にあるダイヤルを変えることで話す相手を変えたり出来る。
ひとまずダイヤルは1に合わせておいてくれ」
「高そうだな…」
俺の見立てではアトリア金貨数枚程は行きそうだ。
「戦闘であまり役に立たないという事からマイツ金貨数枚で買えた」
「そうですか…」
サーシャが納得してからしばらく会話が無くなった。
「一旦離れさせて貰っていいですか?」
ナオと名乗る女性が帰りたいと申し出た。
「いいぞ…陽刻6時にはここに居ればいい」
「わかりました。ギールさん」
ナオが簡素にだが装備をして土間の方へむかった。少し経ってから扉が開け閉めする音が聞こえた。
「えっと…黄昏の怪盗魔のアジトは今居る三番地の隣の六番地にありますよ…
コホンッ!今日はここの二階で寝てくださいね…
えっと、サーシャさんはナ…ナオさんと寝て下さいね…」
「二階なんてあったか?…」
ケントが気弱ながらに説明をしてくれたものの間違いがあったので素直に指摘するを
「あ…ごめんなさい。奥の部屋でした…
明日はご…陽刻6時頃この部屋に来てくださいね…
作戦は正刻頃開始ですからね…」
「ケントさん、ありがとう」
「サ…サーシャさん…ど…どうもありがとうございます…」
サーシャとケントの会話が終わった頃正刻の鐘がなった。
昼飯を食べるか…
「クリス…せっかくだしこれから三人でご飯食べに行くけど、いっしょに来る?」
「いや…俺はせっかくだし道で拾った草で何か作って食べるから三人で行って良いよ…」
「じゃあ行ってくるね…」
三人は建物を出る。
今日の正刻クッキングは、【干した紫野ブドゥと旅路で見つけた草で作ったパン】です。
レシピは、そこらの紫の実と謎の草と小麦など。
紫の実は外に置きましょう。
草は、十分に茹でた上で細かく刻み、パンのペーストに入れましょう。
「紫野ブドゥは干すと甘みが増えて中々美味しかった。
パンはあまり美味しくなかった」
俺以外の面々は近くの料理屋で食事してる
「ただいま〜美味しかった〜」
「クリス…損したな」
「うるせぇ!痩せ鼠!」
「言ったなクリス!」
口喧嘩が勃発した。
***
ナオ・ミリーはラッティオの工業区のとある建物にいた。
ラッティオの工業区は人も少なく建物が密集していつも薄暗くゴミがそこらじゅうに散らばり、
スラム街一歩手前といった様子だ。
「英雄サラディン様、状況を報告します。」
サラディンと呼ばれた男は微動だにせず答えた。
「サラディンで良い… 英雄も、様扱いも必要無い。
サラディンなんて仮の名でしか無い。
うむっ、それで?」
サラディンは髭を弄る。
サラディンは無精髭で服装は全体的に黒く、様々な装備を持っている。
「作戦は良好です。
クリスもその相棒も準備万端で明日から問題なく作戦に移せると思います。
これもサラディンのお陰ですね…」
サラディンはため息をしそうな顔をしながら答える。
「ナオ… 俺が何をしたんだ? 確かに作戦の情報をギールに渡したり裏で手引きしたのは俺だが、
まぁ、良い。
俺はこれから紛争地帯に行ってくる。数ヶ月ここを開ける。
しばらくは商業区の基地に居ろ。商業区だから静かにな…
戻ったら商業区の方へ手紙を送る。そしたらアトリア王国の基地に来てくれ…」
「はい、わかりました。
サラディン…私はそろそろ帰らせてもらいます… まだお昼ご飯を食べていないので…」
「そうだったな…作戦記録よろしくな… また逢おう!」
ナオは無言で部屋を出る。
「すごい世界ね」
ナオは最後に呟いた。
***
街から少し離れた草原。そこに杖を持った二人の男女が居る。
一人は頼り甲斐のある青年。
一人は幼さ残る美人。
「始めるか…」
青年は杖を構える。
「始め!」
美女が声をかけた瞬間、青年は目にも留まらぬ速さで杖を持ち、杖の先に小氷の粒を作る。
音を立てて、氷が飛んで行く。
離れた所にある、木の幹を掠める。
「だいぶ発動時間は早くなったね。正確に当てるのには時間がかかりそうだわ」
「あぁ、初級なら数秒で済むけどレベルが上がると時間もかかる…」
「治癒魔術とかは使えるの?」
「さぁ、どうだろう?一回奇跡的にしかやったこと無いしなぁ…」
「じゃあ、杖を持ちながら、
神よ我々の怪我と傷を癒して下さい
リカバリー
って言ってみようか」
「やってみる。
神よ我々の怪我と傷を癒して下さい
リカバリー!」
杖に緑のような青のような光が集まり蛍の光の様に散っていった。
「問題無いと思うよ… ついでだけどリカバリーはヒールとか、
ヒーリングと言葉を変えても発動はできるよ。成功率は少し下がるけど…」
青年は持っていたナイフの様なもので手首を切る。
「何するの、あぶないでしょ⁉︎
それに変な癖が…」
「まぁ、見てて」
青年が注意して来る美女を止める。
「神よ我々の怪我と傷を癒して下さい…
ヒーリング」
青年がそう言うと光が杖に集まり、その光が手首の傷をかさぶたの様に包んだ。
「なるほど、感覚は覚えた」
青年はまた、手首を切り、杖を構えた。
「よし…」
言葉はなく、杖の先が光る。
その光が傷を少しずつ埋まってく。
「よし!成功したぞ!」
「凄い… 治癒術の無詠唱まで成功させるなんて…
信じられないわ」
「まだ、治癒術に関しては初級を成功させただけだけどな」
「疲れたわ… まだ明るいけど帰りましょ…
長居したら敵に感づかれるかもしれないし…」
美人が喋る。
「少し良いか?」
「何?帰りながら話しましょ…」
二人は歩きながら話す。
「魔術はどの位のレベルなんだ?」
「えっとねぇ、水術が王級一歩手前で、炎術が上級で、風術は中級で、土術は上級よ。
治癒術は上級できるかどうかぐらいのはずだけどそれがどうかしたの?」
「そうか…もう一つ良いか? サーシャが商店街で黄昏の殺人魔と戦った時に凄い速さで敵を斬っただろ?
あれってどうやったんだ?」
「あれね…風術を自分を後ろから倒すような感じで発動させると一時的に前方に早く進めるのよ。
応用でバランスを保ちながら相手を斬るの、凄い難しいよ…」
「なるほど、不器用な俺には無理そうだな…」
「練習すればできるでしょ…」
「さぁ、どうかな?…
ハハハハハッ…」
二人はラッティオの街の門に近づく。
そのまま二人はそのまま商業区へと向った。
***
[ナツ月 14日]
俺はラッティオの商業区に居る。
「準備完了!」
「準備が終わったわ」
サーシャも準備が終わった。
「作戦を行う場所はマイツリード、ラッティオの街にある黄昏の怪盗魔アジトだ。
クリス、君に依頼することは二つだぞ。
黄昏の怪盗魔と黄昏の殺人魔の融通ルートの有無の確認、融通ルートがあるならそれを破壊すること。
もう一つは、黄昏の勢力の縮小、可能ならば黄昏の怪盗魔を壊滅させる事だ。
敵アジトへは、裏口から入ってくれ。裏口近くに木箱を置いてある」
「それでは、移動を開始する
ひとまず裏口から敷地内に入ったら連絡する」
俺は、腰に剣を二つ差し、背中に杖を携え、伝心の神器を胸に着ける。
茶色がかったフード付きケープを着る。
サーシャも似た様な服をしている。
俺たちは建物を出た、黄昏の怪盗魔を倒しに行くために。
-- 終わり --
-- クリスのステータス --
名前.クリス・アトルーデ
年齢.14歳
職業.見習いの剣士
--剣術--
流派.剣神流 正派 上級剣士
特技.特に無し
--魔術--
得意系統.水術
特技.治癒術とその他を除く4系統の魔術を平均的に扱える。
無詠唱。
レベル. 炎術.上級 水術.上級 風術.中級 土術.中級 治癒術.中級
--その他--
料理が人並みに行える。