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第2話『変わりゆく運命』

誤字脱字が多かったらごめんなさい。

大幅な訂正を行いました。

 女…いや、少女の声が商店街に大きく高い声が響いた。

 商店街と言っても10軒程の商店と宿場、倉庫が立ち並ぶ小さなものだが…

 田舎とい言う括りだとかなり大きい…まぁ、国の最北端だしな。

 その少女は薄茶色のフード付きのケープを着て腰には紫の剣があり背中から魔術に使いそうな杖が見える。

 髪は白紫な感じで、セミロング程だろうか…耳の近くには三つ編みがあり顔はどこか幼い。俺と同じ15歳程だろうか…

 それよりかなりやばい…10人程の黒いケープやらローブを着た男たちに囲まれた。

 そこにはイートデスの顔も見える。


「ヤベェ…怖!…」


 そう言う。

 恐怖心があるのは確かだ…まぁ、死んだ所で生き返れるが…

 商店街に居た村人が逃げたのを見計らったかの様に、

 黒ずくめの男達の真ん中にいた人一倍やばそうな空気を放ってる男が出てきた。

 彼は黒い革の靴と真っ黒のズボンと黒のマントを翻し、腰には片手剣が見える。


「俺の名は!ヘルオブメッセンジャーだ!地獄から死を告げるために、この世に戻ってきた!ヘルオブとでもメッセンジャーとでも呼べ!」


 ヘルオブと呼ぼう…ヘルオブは皺々の顔と全体的に白い髪で老人だ…俺の予想だと剣術は剣王は下らんだろう。 どうするか、ここにいる奴らは下でも上級まで剣術は極めただろうし…

 そうこうしてる、倉庫の屋根に居た少女が「とう!」と軽い掛け声といっしょに俺の所に跳んできた…

 といい音を立てて着地して俺の近くへ来る。彼女の髪がふわりと舞ってうなじが見えた…


「私はサーシャ!この人を守るために来たわ…」


「チッ!隣のにいさんは?…」


 ヘルオブさんが余裕そうに訊いてきた…


「俺はクリス、クリス・アトルーデ…何で俺を追い回すか知らんが、俺の邪魔になるなら遠慮なく殺らせて貰う!」


 そう言い放った。

 かっこつけすぎたね…黒ずくめ達から歓声が上がる。

 いや、かっこよさではなく苗字に反応してる⁉︎


「もしかして、あの、アトルーデ家の末裔か? やはり当たりだった…さすがメッセンジャー様だ」


 何だ、ヘルオブに歓喜してたのか…


「サーシャ、宜しく頼む…後…ありがとう!」


 ひとまず礼を兼ねて挨拶する。


「クリス…いい?お礼は生き抜いてからよ…今お礼言われて死ぬような事になったら元も子もないし努力が消えちゃうわ…話変わるけど、クリス…どうするの?」


「ひとまずやってみなければわからない!」


「そうね」


「少なくとも俺はこいつらを殺せた経験はない…剣術に関しては皆上級レベルより上だと思う!」


「感は良いのね…」


 俺らが仲良く話していたら、黒ずくめ達の堪忍袋が切れたらしい。


「何を喋っている!早くしろ…俺らから行くぞ〜!」


 左端の一番若そうな男がキレて喋った瞬間。

 シュンと風の様な音がした。左端の男が目を見開いている…横を見るとサーシャが何処かへ消えた。


「アァァァ!」


 左の方にいた男達が声を上げた…左端のキレた男は真っ二つになっていた。


「ライクデス!」


 斬られた男はライクデスと言うらしい。

 その他にも2〜3人が斬られて倒れこんだ。


「うぐっ!腕が〜!」


 1人がそう叫んだ。


「アガァァァァァ!」


 左端の雑魚4人がサーシャに斬られて殺された。

 ス!トトッ!


「楽勝だったわ…」


「よし! 俺が先導して敵を怯ませるから相手が怯んだとこを斬ってくれ!」


「うん!」


 小声で作戦会議をした。


「行くぞ!」


 タッタッタッタッ!


「我に神の加護と知恵を恵んでくださいませ

 我に神の喜怒と愛楽を恵んでくださいませ

  セクセッションファイヤーボール!」


 そう言いながら剣を抜いた。

 ポンと響きの良い音を立てて5個の火の玉が敵を目掛けて飛んで行く

 変な音を立てて火の玉は両端に居た男4人に炎が付く。


「アァァァ!…ギャャャ!火が…火がァァァ!」


 4人の男達は様々な声で嘆く…

 俺は燃えている4人を置いて、手が震えていた男の元へ行った。

 横を見るとサーシャが、燃えてる4人の首を次々に狩っている…


「俺は、怖がってなんていないぞ! お…お前なんかイチコロだからな!」


 その男は強がっているようだ。


「手が震えてるぞ…」


 震えてるのを指摘しながら男の両手を斬る。



「ギャャャ! 手が…手から血がぁ…血が出てりゅ…」


 その男は倒れこみ、失禁した。

 可哀想だがチャンスを逃すわけにはいかない。

 寝首を狩った。


「ふ…体に火が着いたらケープを脱げと言っただろ! 雑魚が…」


 ヘルオブさんは燃えた仲間にそう言い放った。

 冷たい人間ね…

 よく見ると、ローブとマントの3人を守るように4人が立っていた。

 ケープの4人の元へかけ抜けて行く。


「ここから先へは行かせん…」


 イートデスさんが無愛想に言う。

 俺はここでイートデスを殺すつもりだ。

 その為に曲刀に手を掛けてる。


「そろそろ戦いを終わらせてもらっていいか?」


 俺はイートデスに言う。

 右手に違和感が…なんだろう?


「変な気を起こすな… 貴様がしたい事は分かってる」


 あれ? 手が痛い…いや、熱い…とても熱い…だけどどこか冷たい…


「アダァァァァ!」


 ステップで後ろへ跳ぶ。


「大丈夫⁉︎」


 サーシャが駆け寄ってきた。大丈夫じゃない…とてつもない痛みが手に走ったのだ。


「あぁ、大丈夫だ…ただ痛みが普通じゃない…なんだろう?」


「動かないで…

 神よ我に生命と寿命を与えてくださいませ…

 神よ我々の怪我と傷を癒して下さい…

 リカバリーインジャリー!」


 たちまち俺の腕の傷が治っていく。サーシャは魔術も使えるのか…


「…お礼は後でいいから

 我に神の加護と知恵を恵んで下さいませ…アイススピア!」


 キィンと冷たそうな音と共に尖った氷の塊がいくつも飛んで行く…

 詠唱が短かった気がする…多分詠唱短縮したんだろう…


「イダッ!…グハァッ!」


 ケープの3人に氷の玉が当たり、倒れた…多分死んだだろう。

 イートデスは氷の玉を避けたようだ…

 イートデスの後ろを見てみるとローブの男が倒れてる…俺に一番最初話しかけてきた男か…


「イートデス…せいぜい楽しめ…」


 ヘルオブが口を開けた…

 商店街はさっきの様な悲鳴も聞こえず鳥の鳴く声が聞こえ響きている。


「ボス…分かった…楽しませてもらう…」


「アトルーデ! すまんな…

イートデスはあまり感情が豊かではない… 人の死にしか興味がないやつなんだ… 悪いな…

 後、これ以上俺達に死者を出されては困る… イートデスに殺されるがよい…

イートデス…あそこの屋根で戦うと良い… 俺はここで君達の戦いを観させてもらう…」


 ヘルオブが指した先には村一番の倉庫がある…

 タンッ!イートデスがジャンプで倉庫の屋根に乗った…

 サーシャが手を掴んでこう言った…


「どこでも良いから掴んでて…変なとこ触ったら後で炎術火炙りだからね…」


 ドンッと少し大きな音を立てて宙を舞う…


「怖くない?」


 サーシャが訊いてきた。


「俺もガキじゃない」


 そんな会話が終わる頃俺とサーシャは倉庫の上に乗った。


「ハニータイムはこれからだ…」


 イートデスがそう言って右手を出して上へ上げた瞬間…

 ボッボッボッ!と音を立てて倉庫の屋根に火が付く… 魔術か魔法器(まほうき)だろう…


「いいか、タイムリミットはこの倉庫が燃え尽きるまでだ…

 それと今回は剣の効果を消してやる… いくらでも斬りかかってこい…」


 ナイス、イートデス…短剣の効果が無ければ勝ったも同然だ…


「俺は前衛をする…だからサーシャは好きにしてくれ…傍観しても良い、俺と一緒に前衛でも後ろで援護でも好きにしてくれ…」


 そうとだけ告げておく。


「………」


 サーシャは喋らない…サーシャは俺と戦うことを覚悟したんだろう…

 俺達とイートデスに言葉はない…開始の合図もピリオドもない…ただ静寂のみがある。

  先に動いたのはサーシャだ。

 二つの音が聞こえた。一つはイートデスの短剣が剣を通り越す時のな鳴る音だ。

 もう一つは何かで体が斬られる音だ。


「グゥゥッ!アグゥッ!」


 イートデスが声を上げた…


「グウッ!」


 サーシャも声を上げた…イートデスを見ると

 右足が斬られ、左足にサーシャの剣がめり込んでいる…

 どさっ…イートデスはバランスを崩して地面に倒れこむ…


「サーシャ… 大丈夫か?」


 サーシャの頬には傷があった。


「神よ我に生命と寿命を与えてくださいませ…

 神よ我々の怪我と傷を癒して下さい…

 リカバリーインジャリー! どうだ?」


 俺はさっきサーシャ行った詠唱を真似して手から湯水を出すイメージをする。

 淡い青の光がたちまち傷口に集まり、サーシャの傷が治って行く。


「大丈夫よ私は…」


 2人が傷を直した頃イートデスの声が聞こえた。


「騙して悪かった… すまんが俺の負けだ… ここは一旦退かせてもらう…

 ボスに迷惑は掛けたく無いんでねぇ…」


 そうイートデスは言い残し、切れた自分の足を持ち、倉庫から落ちる…


「我に神の加護と知恵を恵んでくださいませ

 我に神の喜怒と愛楽を恵んでくださいませ

 ウォーターボール」


 ひとまず俺は周りの火を消す。


「アトルーデ、いずれ会おう…すまんが俺達はここで退かせてもらう…ではな…」


 ヘルオブの言葉で残った3人が気絶した人とイートデスを抱え、

 死体を置いて帰って行った…

 衛士が駆けつけてきた。

 俺達は衛士に見つかると面倒だと思ったので丘へ向かうことにしよう。


「早くここから離れたほうが良いな…」


「どこ行くの?」


「この近くの丘へ行く…変な事はしない。

君と話がしたい。それだけだ…」


「分かったわ」


 ひとまず戦いは終わった。

 丘へ向かう道中


「あの実は何て言うの?」


「あぁ、あれはべミーの実だよ…

 甘酸っぱくて美味しいよ…目にも良いらしいし食べる?」


「あ、いや私は…」


 俺は言葉に構わず値段の高いべミーの実を二つ買った。


「はい!」


 俺はその実をサーシャにあげた。


「あ、ではお言葉に甘えて頂きます…」


 サーシャは小さな口を開けてはふっ…と可愛い声を出してべミーの実を一口で食べる。


「ん? 美味しい!程よい甘酸っぱさと噛むと出てくる果汁…

 どこかナツの実に似てるけど味がナツより濃厚で…」


「うん、美味い…べミーを食ったのは何年ぶりだったか…」


 ゴクッ…とべミーを飲み込む音が二回響いた。


「あ〜美味しかった〜!」


「喜んで頂いて何よりです。

 あ、そろそろ丘に着くぞ!」


 そうこう言う内に丘へ着いた。


「あ〜見てぇ〜? これ…さっきのお店だ!

 眺め良いね…」


 恋人かよ…そういえば何でサーシャはここまで俺についてくるんだろう…


「それはそうと話し良いですか?」


 近くに成ってた木の実を適当にとって口に入れる。


「それでは失礼します…」


 2人でベンチに座る。


「その実、おいしい?」


 サーシャが訊いてきた。


「この実はあまり美味しく無いけど水分が多いから遭難した時に食べれば良いんじゃ無いかなぁ?」


「一つ頂戴?… はふぅ… うん、確かに美味しく無いけど、甘味料で味付けすればお菓子にもなりそう…」


「話し良いかい?」


「どうぞ…」


 俺とサーシャは美味しく無い実を肴に話を進めた。


「何で助けてくれたんだ?」


「それはね、私の大事な人に頼まれたの…」


「その人は?」


「ごめん、名前は教えられない…」


 サーシャの大事な人については秘匿情報らしい…


「ああ、言いたくなければ良いよ… あと一つ良いかい?

 何でサーシャはこのろくでなしについてくるんだい?」


「それもその人から頼まれたの…その人はクリスが大事な人で、

 色々とクリスが重要だから守ってって言ったから…」


「分かったもう一つ良いか?」


「なに?」


「このあとどうするんだ?」


「えっとクリスについて行ってクリスを外敵から守る…」


「えっと、それだけ?」


「うんそれだけ…」


 困った… このままうちまで来られても困る… まぁ良いかもう一部屋余ってるし。


「泊まる所とかあるのか? もしなければ俺の家に泊まるか?

 安心しろ、部屋は分けるしダイニングは使い放題だ…

ちと家具が古くて埃っぽいけどね…」


 この村には、環境の悪い超激安ボロボロ宿屋しかない。

 鍵なしトイレ共同その上、南に窓は無い…

 まさに地獄だ。


「では、お言葉に甘えてお家に泊まらせてもらいます」


 結局来るか…埃とか大丈夫かなぁ?


「それだったら今から家に行くか?」


「あ、待って…もう一つ話が」


「ん?」


「あいつら…《黄昏の殺人魔》達はクリスがいつか脅威になると思ってるらしくて…

 それでクリスを追いかけてたらしいの…」


「そうか、こんな出来損ないのなにが脅威なのか…」


「それでね、できればで良いの…《黄昏の怪盗魔》を倒したいの…」


「おう、それで?」


「彼らは《黄昏の殺人魔》に資金提供してるらしいの…

 クリスが一番最初に殺した人いたでしょ?

 あの人は《黄昏の怪盗魔》の人なの…」


「だからビビってたのか」


 そりゃそうだな… 窃盗職が殺人を躊躇なくすることなど出来ない。


「だから黄昏の殺人魔を倒したければ黄昏の怪盗魔を倒さなきゃ駄目なの…

 だがら私は近い内に黄昏の怪盗魔の基地へ乗り込むわ… クリスも来てくれる?

 もちろんこなくてもいいわ… その時は1人で乗り込むから…」


 いやいや…保護対象に危険任務を託すのはどうかと… 勿論受けるが…


「ああ、女の子が1人でいるのをほっとくわけにはいかんからな…

 それに怪盗団達を倒すことは俺の命を守ることにも繋がるんだろ?」


「多分…」


「それなら決まりだ!

 さて、俺の家に行くぞ!」


 人界歴3215年ナツ月13日、俺にはサーシャと言う護衛?が出来た。


ナツの実はさくらんぼみたいな実です。

更新をしばらくお休みします。

感想、意見、コメント、評価等を貰えると光栄です。

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