水しぶきの夢
星に捧ぐ。
文章: ペン
今日は月曜。登校日だ。休日が開けるこの日が、毎回憂鬱でたまらない。
家を出る。そこかしこに水溜りがある。どうやら昨日あたり、雨が降っていたようだ。外の天気なんて知らない。それが最近だろう。
学校を目指して歩く。なんだか今日の風は涼しい。まるで空気と一体に溶け合うようだ。傘が要るかと思っていたが、そうでもない。でも、雲間から射す日が鬱陶しいので、日傘代わりに使ってやる。
どうせ射すなら、雲なんかぜんぶ、蒸発させちまえばいいのに。
少しうつむきかげんに歩んでいると、前からきらきらとした風が吹いてきて、俺は顔を上げる。
――なつかしい。
そう思ったときにはもう、俺の身体は大気に融けるようにして、水しぶきへと変わっていた。そうして、俺の水しぶきがぜんぶ、風に吹かれて、地面の水溜りに吸い込まれる頃、俺の心はこの世界にさよならを告げていた。