運命の人
分類は『自叙詩』です。
大股で、ある一定の距離を保ち、決してその間隔を縮めさせない。
だけどたまに止まって振り返っては、少年のように微笑んでくる。
その一瞬の隙を狙って、走って追いかけてみても、伸ばした手は空を掴むだけで、またズンズン先を行ってしまう。
10センチのヒールでは足りないほど、一生懸命背伸びして、おぼつかない足取りで後を追う。
死ぬほど大好きなのに、ちょっと触れ合っただけで、消えていった男。
―16才の夏―
同じ歩幅で、同じスピードで、同じ景色を見て、同じ気持ちを共有する。
たまに少し先を歩いてゆくが、たまに寄り添い、肩を並べる。
ハイヒールを履いて背伸びする必要もない。
スニーカーを履いた足でゆっくり大地を噛み締めて歩ける。
つまづいたって、笑って待っていてくれる。
安定と幸せを提供してくれ、適度に追いかけさせてくれる男。
―18才の夏―
一歩一歩、確かめながら、足並みを揃えようとする。大股で、小走りで、我が道を進む足跡を、
不確かな足元を探るように、おぼつかない足取りで、少し遅れて歩いてくる。
乗り物に乗って、どんどん先を行こうとも、懸命に、自分の足で追ってくる。
愛する分より愛してくれた、その想いに耐えきれなくなって捨てた男。
―21才の夏―
人生には3人の運命の男がいるという。
必死で追いかけなければならない人、追いかけてくれる人、足並みを揃えられる人……………
あなたはどれを選びますか。
わたしは
愛されるより愛したい
でも
愛する分だけ愛されたい