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適当男の転生軍師 2  作者: TUBOT
テルシオとの戦い
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オルとレデの

 俺の部屋には数人のエーリッヒJr隊の人間が集まっていた。

 彼らは一通りフェリエからの訓練を終えここに集まっていたのだ。

「ご苦労だ。今日の任務はこれで終わりだ。ゆっくりと休むように」

 俺は自分の部屋にまで入らせた部下に向けてそう言った。ついでに今の失敗作のソフトも食べてもらおう。

 俺はそう考え隊の人間に自分の作った失敗作のソフトを一人ずつに食べさせた。

『噂通りだな。菓子なんかで釣ろうって言う考えは』

 隊の者達はそう言い合っていた。

『やっぱ、その話は有名にでもなっているのだろうか』

 俺は前々から菓子で釣る事が話題になっていたらしい。それくらいの話は聞いているようだ。

「オルさんとレデさんも、お菓子で釣っていますからね」

 シィも懐かしい名前を出してきたものだ。あの二人はそろそろ情報を持って帰ってくるころだ。彼女らの話いかんではおれの身の振り方や目標を考えないといけない。

『俺達をガキ扱いしているんじゃないか?』

 などという文句を言いながらも隊の奴らは旨そうに食べている。なんだかんだいって餌付けは成功しているようだ。

「その噂のオルさんとレデさんですが、今日くらいにこちらにやってこれるようです」

「そうか、ならお出迎えをしないと」

 俺はそう言う。彼女らではこの王宮に入れてもらえないだろう。この王宮の人間である俺が中に招待をしないといけない。

「ロドム様、お待ちください。あなたは悪役をしているのを忘れましたか?」

 シィが言うので俺は思い出した。

 そうだった。オルとレデの前では俺は悪役を演じてシィが二人にやさしく接するという、飴と鞭作戦を使っているのだ。

「シィが二人を出迎えて。俺は何かお饅頭でも作っておくから」

 俺達はそう言い合い俺は饅頭を作り始めた。


 ここは、この王宮の部屋の一室。ここにはいくつもの本があり、豪華な机に来客用のソファーがある。

 名も知らぬ高級士官がここでこれからの政の相談でもしていたのだろうと、そう思わせてくれるシックな感じの部屋だ。

 ある士官が書斎として使っていたものらしいが、あの女王の琴線に触れて王宮から追放をされたらしい。

 この城にはそういう場所がチラホラある。女王はよっぽど恨みを買っている事だろう。

 これを見るにこの国の女王が暗殺をされそうになる理由も分かるというものだ。

 シィはこの部屋でオルとレデの二人にお茶をだしていた。

「それでは話してくれますか?」

 シィがオルとレデに向けて言うと二人は話し出した。

「王宮ではあのテルシオが幅を利かせているんです」

 オルは話し出す。

 もともとテルシオの功績は食糧不足にあえぐ村を救ったことからだ。食べれるものが増えればさらに税を上げることもできる。税の徴収の効率を一気に引き上げたので王宮に呼ばれたのだという。

「王宮の人間は『農民たちからは死なない程度に絞る』って事しか考えていませんからね」

 シィはその言葉に困惑を感じながらもそう言う。

 彼女とて元は搾取される側の農民の出である。農民の暮らしが豊かになればさらに税を増やして絞れるだけ絞るという考えは身に染みて分かっている。

 それに納得できないという気持ちも半分なのだ。搾取される側の経験があるからこその『困惑』である。

「だけど、負けたはずのテルシオが、今、はばを利かせているんですよ」

 それにシィは疑問に思った。本来なら負けて帰ってきたテルシオは下手をすれば絞首刑になってもおかしくはないのだ。その彼が、なぜ王宮ででかい態度を取れるのか?

「王は『今のテルシオ』ならば信用できるといっています。そのテルシオは今王宮の中の大改編をしているのです」

 汚職をした人間を容赦なく解任して各地の農民たちに農業を教えて回っている。そして、必要以上の税の搾取をする領主を王に通告して領地を取り上げたりしているという。

「そんな事をして。テルシオは嫌われるのでは?」

「はい嫌われてます」

 テルシオを殺そうとした者はどんどん返り討ちにされているのだという。何人もの貴族や騎士が断頭台にあげられているのだ。

 俺はここでの話を聞いたのはあとになってからだ。だがここまで聞いただけでテルシオはなぜ王に徴用をされているか分かった。

 汚職をするものは断罪し税金を効率よく取れるように地盤固めをしている。

 テルシオはうちの女王みたいなものだ。大臣は王宮の人間の怒りを自分ではなく女王に向けられるようにして、大臣はその傀儡の女王の陰に隠れて自分の信じる政治をする。

 ハト派の大臣は王宮では受け入れられない。平和志向を貫徹するために怒りの向け先として、女王を人柱に出したのだ。

 おそらくテルシオはそう言った感じの怒りの向け先に選ばれたのだろう。

「彼の両親も王宮で王族と近い場所に部屋を与えられ、王族に選ばれた衛兵にしか入る事の許されない区画にいるとか。まったくこの重用のし過ぎはおかしいと思いませんか?」

 その言葉も当然おれは後で聞いた。

 たぶんこの部分は自分が怒りの受け先になる事を王に命じられてから、テルシオのだした条件なのだろう。

 その警備が厳重で安全な区画に居れば両親の安全は約束をされるのだ。

「それは、私達がじっくり吟味しますよ」

 その時にシィはこの事の意味を分かっていなかったのでそうとだけ答えたのだという。

「これから、よく注意をしてくださいよ。下手に危険を冒してまで情報を集めなくてもいいです」

 シィはこの時そう言ったらしい。これはいい仕事だ。

 テルシオの監視の目が厳しくなるはずだ。危険は冒さないほうがいい。

 それから、オルとレデの二人は知っている限りの情報をシィに話していったのだという。

 その時、俺はアイス作りが佳境に入っていた。

 これを気にいってもらえるか分からない。その事で頭がいっぱいだった。

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