非なる者
左「さて、いくか。紫紺も来るか?」
紫「はい。」
沖「くれぐれも死なないようにね~。」
土「総司!!てめぇ何言いやがる!」
沖「嫌だなぁ土方さん。冗談ですよ冗談。」
平「冗談に聞こえねぇよ・・・。」
左「さぁ、長引きそうだからとっとと行こうぜ?」
テクテク
あ・・・。私、木刀しか持ってないや・・・。
紫「左之さん。わたし、木刀しかもってないです・・・。」
左「あぁ、そうか。じゃあ俺の使えよ。」
紫「ありがとうございます。」
ー15分後ー
左「おっし!十番組行くぞ!!」
隊「おぉぉぉぉ!!」
テクテク
特に何も無い・・・?ん?
紫「左之さん。今、あの人達がこちらを見ながら紙の受け渡しをしてました。
いいんですか?」
左「よくねぇぜ?さて、行きますか。
紫紺はあっちの野郎を、俺はこっちだ。生け捕りにしてくれ。」
紫「御意。」
タッタッタ
紫「もし、そこのお方。」
他「あぁん?誰だてめぇ?」
紫「あなた、先程違う方に紙を渡しておられませんでしたか?」
他「なんだとっ!?」
紫「いえ、少しばかり内容が気になりまして…。」
他「てめぇ…。さっき原田と一緒に居た野郎だな!?」
紫「そうですね…。確かに一緒にいましたが。」
他「ならば、仕方ねぇ!!斬り殺すまでだ!!」
ズシャッ!!
え…?前髪を切られた…?
私が…私が一番見られたくないものを!!許すまじ!!
紫「はぁぁぁぁぁぁ!!」
ガキィィン!!ドっ!ザシュッ!ゴッ!
紫「殺しては…いないな。」
袂から包帯を出して左目を隠す。
紫「見にくい…。」
隊「紫紺さん!!奴は?」
紫「んと、そこに転がってる。」
隊「…死んでませんよね?」
紫「多分。峰打ちだから気絶しただけだと思う。
多少斬ったけど死なない程度だし。」
隊「分かりました。おい!!屯所に連れていけ!!」
全「了解!!」
隊「紫紺さん!?その目は!?怪我でもなさいましたか!?」
紫「いや、平気。帰ろう。」
隊「あ!はい!」
タッタッタ
左「あ、紫紺!!どうだ?捕まえられたか?」
俯きながら答える。
紫「捕まえて屯所に送りました。」
左「そうか。何でお前俯いてるんだ?顔上げろって。」
クイッ
紫「アッ…」
顎をつかまれ上を向かされる。
左「!?お前その包帯は?怪我をしたのか?」
紫「いえ…怪我はしていません。」
左「じゃあ、何で…?」
紫「人間に見られたくないものだからです。」
左「人間に…?お前も人間だろ?」
紫「私は人間であり異なる存在でもあるんです…。」
左「…。おい、お前。」
隊「は、はい!」
左「俺は話がある。先に屯所に戻ってろ。今のことは誰にも言うな。」
隊「はい!」




