プロローグ
うららかなな春の日。ある所でこんな会話がされていた。
「あーあ…俺ミスっちまった」
「どうした?何かやったのか?」
どうやら二人が会話をしているらしく、どちらも黒い服に身を纏って大きな鎌を持っていた。
「…間違った奴を死なせちゃったんだよ」
「お前っ!それはヤバイって!?どうすんだよ?」
「それがさ、本当に死ぬはずだったやつを庇って死んだってことで上司が感動しちゃって、本当に死ぬはずだった奴の寿命を延ばすわ、死んだ奴を生き返らせろっていうわ…散々なんだよ」
「うわー…そういえばあの人最近そういうお涙頂戴系の本ばっかり読んでたからな。…でも死んだ奴を生き返らせるって大丈夫なのか?」
「一応まだ大丈夫だ。瀕死だからな。これからその作業をする所なんだよ」
「ふーん。じゃあ早くしないと駄目じゃないか?」
「そうなんだけどさ…そいつリア充なんだよね」
「リア充!?それは許せないな…。そいつのせいで仕事出来なかったんだし何か罰でも与えるか?」
「お前いきなり目の色が変わったな…そういやふられたばっかりだっけ?」
「うるせーな。で、何するんだ?」
「うーん…思いつかないな」
「じゃあさ…そいつがリア充だった記憶無くさないか?」
「えっ……ああそれいいな!よし、それにするか」
「ちなみに付き合ってた奴は誰なんだ?」
「本当に死ぬはずだった奴だよ。そいつの記憶も消すか?」
「うーん…いや、それは消さないでいい。そっちの方が面白そうだ」
「よし、じゃあ行ってくるわ」
「ああ、行ってらっしゃい」
そう言って二人は別れていった。
――これによってこれから起きる大変なことを二人はまだ知らない。