おーくん、芸能界に入る 前編
ぼく、おーくん。ある日、お母さんとテレビを見ていたら、こんなCMが流れたんだ。
『こんにちは~!アイドル育成芸能事務所で~ス!ただいま、新規入学すると、先着30名様に、{1年間無料保障}を、お付けしま~ス!くわしくは、アイドル育成事務所で~検索!!!』
あ、アイドル育成事務所だ。最近よくCMやるね~。でさ、このCMやってる人の口調が気になるんだよね~
『で~ス!』とか、『ただいま、新規入学すると、先着30名様に、』って言うのがさ。
「あの人って、御菓子 幾兆っていうんだよ。」
おかし いくちょう?へんなの~
っていうか、さっきから後ろにだれかいるんだけど・・・
「あ、あなたは!」
えっ、どうしたの?!お母さん。
「お、御菓子 幾兆さん?!」
え~~~~~~!!!このひと~!
「あなたはおーさんですね。いまからあなたはアイドル育成事務所に入ってもらいます。」
なんで~!
「え・・・あたったの?!」
も、もしや・・・・
「お母さんが投稿したのよ。まあ、あなたも少しはお母さんのこと感謝しなさいよ!!」
え・・・僕アイドルになりたいとかいってないし・・・
「むむむ?アイドルはいいって?それでも大歓迎!わが社ではアイドル以外にも、芸人、歌手、女優、俳優、タレント、モデルなどのたくさんの職業が出来ますぞ!」
ああそうですか・・・っていうか一部アイドルと同じものがあるんですが・・・
「それで、1年間無料保障は・・・」
「もちろんあります!あなたは25人目の新規入学ですからね。 ではさっそくこちらへ!!」
ガチャ。
ドアを開けるとそこにはロールスロ・・・・じゃなくてふつうのワンボックスが1台止まっていた。
(なんか不安だな・・・・)
と思いながら、ぼくはワンボックスの後ろへお母さんと座った。
つづく