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ぬるっとジョブチェンジ

 

「これでとりあえずは安全になったな」



 蛾による死に戻り、暴走モードに突入した木蓮主導による蛾の乱獲から一夜明けた今日。

 蛾の驚異があるので家を完成させる事を優先した結果、壁の上に丸太を切った板を乗せるだけの家が無事完成した。自覚はしているが、今は考えてはいけない。

 そんなのでも建築物として認識されているので、中に魔物が湧く事もなければ進入してくる事もない。今後時間をかけて、今の屋根部分を2階の床として活用するか周囲に2部屋目を増築しついくつもりだ。


「離れてみると、見事な豆腐建築だな。丸太製だから醤油かけすぎた冷奴か」



 っぽーん

『条件を満たしました。所有NPCを移住させますか?』

 これは事前に分かってた事だから、即決でYES。



 すると、高台に建てられた我が家から周囲の地面に大量のマーカーがつく。これがNPC用の建築予定地になるようだ。とりあえずフェアリーリングがある広場と資材置き場に近い部分をNPC地区になるよう設定しておこう。


 っぽーん

 条件を満たしました。ジョブが【村人】から【村長】にランクアップされます。


「ブラウさーん。お客さんきてますよー」

 こんな時に客って誰だよ。えっと先にそっち解決するか。

「今いくよー」


 ジョブのランクアップは追々確認しよう。


 ルーに呼ばれて向かったテントには、見たこと有るのから無いのから集団でたむろしてた。

 ここに狙ってこれるのは位置を教えた彼等移住希望者だけだ。と、思っていたのだがクラン結成クエストに当たる桃園の誓いをするため近くに結構な人数が訪れている様で、近いうちに騒ぎになりそうな予感がする。


 彼らには広さに合わせた土地代を払ってもらい、資材置き場に置いてある資材を購入するか自前で用意するか自由にさせておく。まあ家を建てるだけの建材を自分たちでどうにかできる人はそうそう居ないだろうが。俺達も木蓮の店を間に噛ませているだけで、結局他のプレイヤーから買っているのには変わりない。

 挨拶を済ませた後は、はっきり言って放置だ。別に統治する訳でもないし、PKなどの最低限のルールは土地を購入した事で設定してある。後は住人になっていくうちに自然と出来上がっていけばいい。






 場所を新築の我が家に移し、全員から酷評を受けた。いや、頭の中では左右に枝分かれした階段が中央にあって、エントランスは吹き抜け。とか出来ると思ってたんだけどな。


 木蓮から「これ使ってみて」と渡されたのは真っ白な一本の鞭。

「毛虫の毛を縒って束ねたもので作ったの。想像通り毒効果がついたわよ」


【武器】 毒針毛の鞭 品質 B 打・毒属性

 物理攻撃 28 魔法攻撃 ー 耐久 80

 状態異常(毒)付与



 おお、通常攻撃は上がってないが、毒効果が付いたのか。数字は表示されないようだが、毒攻撃のひどさは自分で喰らったからわかる。


「じゃついでに。鱗粉だが、予想通り水に溶かしたら毒薬になった。

 しかし経口性なんだよ。このままだと、魔物の口の中にまで毒薬を突っ込まないと効果が発揮されない。逆に粉のままだと設置型、つまり空中にでもばらまけば敵味方関係なく効果が出てしまう」


 よほどいい結果が出たのだろう、俺がアドバイスで出した水滴を使った簡易顕微鏡をこちらにつきだしてきた。

 覗くと、拡大された細胞が破壊されて周囲の成分が中に入り、細胞が急速修正、一気に分裂していく。

「今見て貰ってるのは回復薬だ。この細胞膜を破壊しているのが苦味成分だった」

「毒薬の話をしてたんじゃないのか?」

「こっちから説明した方がわかりやすそうだったんでな。で、苦味成分は比重の差が大きいので分離出来る事は他のプレイヤーでも周知の事実だった。だが、この苦味成分をとり除くと、回復成分が細胞までたどり着かず性能ががた落ちする。これが難関だったんだ。」


 いつのまにか回収した顕微鏡に、毒液を垂らして配り直す。


 しばらく変化が見えなかったが、徐々に細胞が膨らんでいき、いきなり弾ける。女性陣は目の前で風船が割れたかの様な反応をしている。やっぱ女性は文系が多いのかね。


「こちらも毒成分と、浸透成分を分離する事は容易だった。で、それぞれを組み替えて出来たのがこれ」


 渡された回復薬の、性能はほぼ変わっていない。慎重に舌に乗せると、きな粉味? 特別美味しい訳ではないが、苦くて飲めないってほど不味くはない。

 味付けの研究までは出来なかったのだろうが、他のプレイヤーと比べてかなり良いスタートラインにつけたんじゃないだろうか。



「藤やん、組み替えたって事は毒薬も?」


 っと、そうだった。質問に笑顔を見せる藤やん。ヒメアは以外と人が見ている所と別の場所をちゃんと見てたりするんだよな。


「細胞膜を破壊する苦味成分+毒成分。こちらは肌に触れるだけで効果がある。まだ雛型だが、経口の必要な不味くない回復薬、苦くて触れるだけで効果のある毒薬の2つが同時に出来た」


 木蓮は俺用に鞭を作ってくれたし、藤やんは薬の研究をしていたのか。人がグースカ寝てる間にも皆頑張ってたんだな。


「なあ、ここらで一度洞窟にいかないか?」

 今から皆の装備整えるのでも悪くないのだろうが、せっかく作ったんだから生産者なら効果をみてみたいだろう。


「その鞭の性能次第で売値が決まるんだから頑張って使ってよ」

「毒薬の効く敵が出てくれるといいんだがな」


 残りの二人も、ふんすと気合い入れているし、んじゃ久しぶりに頑張るか。





苦いポーションにジュース混ぜる革命に対するアンチテーゼw

書く方に文系が多いせいでしょうか? 小学校で習う程度の知識にまとめておきましたが、こういった調薬を化学として捉えるって作品がないですよね。

昔からネタとしては思いついていたのですが、結局こんな小ネタに><


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