表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/45

家造り・1

 

 切り込み鞘を30本製作して木蓮の店に預け――委託販売形式――ておいて、馬車満載の資材を積んで帰ってきた。

 するとなぜか全員揃ってるし。


「おかえりー」

「皆家造りにいったんじゃないのか?」

「ヒメアは土台に杭がいるからってお前待ち。ルーは石材をカットしないと使えないから、安全地帯のここで作業。俺は苗植えたんであとは成長待ちだ」


 なるほど。なら俺がこっち残っていた方が効率は良かったか。

 早速ヒメアの杭10本を作ってやる。スキルを発動させると丸太の端がゴボウの笹掻きの様にみるみる削れていく。

 鋸もいらないしスキル便利すぎだ。


「ん。ありがとう」

「さて、じゃあ俺はヒメアを手伝ってくるわ」



 残ったのは俺とルー。木蓮は追加の資材を取りにいった。


 ログハウスは現実世界で集めて貰った資料を見る限り、簡単なようで難しく、かつ単純だ。


 ○

 ○

 ○

 ○

 ○

 丸太をただ重ねるだけでは支える柱がないので当然上から崩れてしまう。

 そこで上下をカットして平面にしてやる。そして次は壁と壁が接する角の部分。

 ここを加工しないで重ねるだけだとキャンプファイヤーの井桁のようになってしまい、丸太の太さと同じ広さの隙間が出来てしまう。そうなったらとても壁とは呼べないだろう。

「ここを円形に削るっと」

「何してるんですか?」


 ルーも暇みたいだな。スキルを使えば自動で作業が進むのでやっている当人は特にする事がなかったりするんだよな。

 それでも辺りには鋸と石ノミの音が響いているのがシュールだ。


「家造りって簡単なんだなーっと思ってさ。材料の加工さえ済んでしまえば、後ははめ込むだけで壁出来上がるぞこれ」

「私も家って数ヶ月は掛かる物なんだろうと思ってました。私の家は出来たブロックを積むのが時間かかっちゃいそうですが」

「その時は人海戦術だな。木蓮の家もレンガだから仕組みは同じだろうし、作業が被らないようやっていくか」

「これからどうするかって決めてます?」

「家建てた後か? 目の前にダンジョンもあるし、探検でもしてみるのもいいかな。何かしたい事でもある?」


 どうやら家の資料を集めるついでにネットで調べたら、ゲーム初心者の自分がトップチームである事がわかって不安になってしまったらしい。

 メインストーリー(あるのかも知らないが)もせずに、ただ移動しただけのトップチームにプレッシャー感じる事なんてないんだがな。

 どう説明すべきか詰まっていると、助っ人が帰ってきた。

「よう。御帰還だぞ」

「ヒメアも藤やんもどうした? 帰ってくるには流石に速すぎないか」

「浅瀬以外杭が入らなかった…」


 ああそういえば海の土地なんて購入してないもんな。恐らく海は別のエリアなのだろう。

 落ち込むかと思えば、予定を変更してベランダから釣りを出来る家にすると意気込んでらっしゃる。

「ヒメアは舟欲しくないか?」

「!!? いるっ!」


 話題変更に丁度いいな。先ほど思い付いた大航海計画を話してやると案の定食いついた。


「そうは言っても目の前に怪しさ満点の洞窟と、海に浮かぶ城が見えてるんだ。一応調べてみる必要があるだろうし、そうなれば準備もしなきゃいけない。いつになるかわからないいつか、な」

「ブラウが頑張れば造れる! 頑張れ!」

「帆は木蓮が準備するだろうし、防水薬とか練金で作れれば俺にも金策のチャンスが巡ってくるな」

「石工は……船に石材って使いますっけ?」

「いや落ち着けよ。船なんてすぐに作れる物じゃないだろうし、先の先の話だって言ってるだろ」


 だいたい造船なんて設計図があれば作れる物でもないだろうし、外洋に出るならドック? 船を造る為の巨大な道具を作る所から始めないといけないから当分先になるはずだ。



 バカ話している間もスキルが働いてくれたし、現地で組みにいくか。

 建築予定地は海が一望できる高台。

 ヒメアが海の目の前、木蓮とルーが丘の手前に、藤やんは俺の建設予定地の更に奥、別エリアになる森の近くらしい。

 ちょうど今一本だけ高い木があるあたり……


『さっき別れたばかりなのにテルって、なんだ急に』

『なんかお前の建築予定地にばかでかい木が生えてんだけど』

『ああ、順調だろ?骨粉ってアイテム使うと成長速くなるんだよ。それに木の苗を練金で【木の苗+6】にしたからまだまだでかくなるぞ』


 ……とりあえず完成しても行かないでおこう。ばかでかい木に縄ばしごで昇るとか勘弁してほしい。


 さてと、切り替えてまずはインベントリから材木を出す。気をつけないといけないのは、出しきると重量が発生するので中途半端に出して位置を決めていかないと。


 最後に端が出ると、小さく砂煙を吹き上げて材木が地面に落ちる。コレを水平にもう1本。


「そういや床も作らないとか。地面直置きで腐ったりしないよな」


 普通のゲームならそんな心配しなくてもいいんだろうが、このゲームだとあり得そうで怖いんだよな。その辺りは情報がないのでトライアンドエラーするしかないか。

 インベントリに丸太二本しかはいらないので何度も往復、幸いだったのは毛虫は丸太を乗り越えれないようで、丸太で四角く囲えてしまえば体当たりしか脳がない毛虫はこちらへの攻撃手段が無い。

 後は丸太の上からビシビシと鞭でダメージを蓄積させれば安全に討伐出来た。


 敵にもよるんだろうが、攻撃されない陣地を作ってやるのは作戦としていいかもしれないな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ