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現実回

夏って言ったらとコレでしょ^^


 


「宿題終わったか?」

「いつか夢のマイホームをなんて思っていたが、コンクリか木造以外の家なんて想像してなかったから難しいな」


 本を買ってログアウトし、今日はいつも通りと言うかなんと言うか頑張って仕事をしたのだが、仕事終わりに藤村が俺の家まで押し掛けて来た。男ヤモメのワンルームなのでむさ苦しいが、夏休みの最終週に友達の家に集まって宿題の写し合いしていたのを思い出す。今回の宿題は『自分の理想の家の設計図を造りましょう』て感じか。小学生時代と一つ違うのはそれぞれの手には缶ビールが握られ、パソコンを前にしている事だが。


 目の前のPCにはノイシュバンシュタイン城が映し出されていたが、そっとバックさせる。

 ありきたりじゃないからといって自作出来る家でないと意味がない。


「そもそも自作出来る家ってのがイメージ出来ないんだよな。家って大工なり建築屋が造りあげる物としか思っていなかったから」

「でも今時の2×4は簡単らしいぞ。金具で止めるだけだから素人でも形だけならそれっぽくなるって」

「そうなのか? じゃなくてビール2本目だろ、今週の分が足りなくなるじゃねえか」

「そういうと思ってケースで買って冷蔵庫に入れてある。これなんていいんじゃないか?」


 藤村が自分のノートパソコンをこちらに向けると、空中に浮かぶ城の画像。いやぐっと来るが自作不可能だろうが。

 程良く酔いがまわって「家の形じゃなくて他で付加価値を付ければいいんじゃないか」と言う話で盛り上がり、総ガラス製の家や水中建築や山の中身をくり貫いた秘密基地風と意見は出た。

 しかし経験を積むとわかるのだが、深夜に酒煽って出した意見に禄な物はない。解っていてもそれが楽しかったりもするのだが。


「そういえば、木蓮の店近いらしいぞ」

「ああPT組んでる人だな」

「そうそう、ホームページ見たかんじ男物もゴツい感じじゃなくてシンプルでよさげだった」


 こいつがそんな事言うのもめずらしいな。ゲームはゲーム、出会いは出会いで区別する方だったはずなんだが。


「オフ会でもする気か?」

「当たり。ヒメアちゃんとは女同士すでに交流あるみたいだから今週末集合だってさ」

「いきなりだな。まあいいけど」


 オフ会と言ってもヒメアって子が確か中学生なはずだから、そのアクセサリーショップに行って雑談ぐらいかな。気に入ったら幾つかアクセ買ってみてもいいか。しかしゲームをプレイしている記憶も無いのでどれほど会話が出来るか心配だな。


「んじゃ宿題終わらせますか」

「この歳になって夏休みの宿題させられるとはおもわなかったけどな」


 垂れ流しで出した建築案をすべて消して、資料をまとめる。

 ついでにプレイ中の映像を垂れ流しておくか。昨晩は土地の購入からスタートしているが、PTメンバーとはいきなり別行動したみたいだな。

 オフ会で共通の話題が欲しかったので一緒に冒険している場面でも有って欲しかったのだが……まぁいいか。女3人ならそちらが会話の主導権を握るだろ。



 とりあえずは装備についての資料から始める。適当でもいいんだが仕事で慣れている分一覧にしておいてやるか。

 鞭で差別化をはかるのであれば、表面の違い。

 ①鮫肌であれば強い摩擦が発生し、皮膚どころか肉までちぎれる。

 ②ツルツルであれば引っ掛からない分、動きを制御しやすい。巨大なみみず腫れは出来る。

 ③卸し金を円柱にした形状。これだと骨まで削る可能性もあるが、摩擦が大きすぎて対魔物だと毛なり皮なりで止まってしまって役に立たないかもしれない。


 素材の区別

 Aは茨などの植物製。ゲームらしい素材で毒や麻痺にさせやすいと推測。

 Bは革製品。一般的な素材で②が多くなるだろう。編み方を工夫したり鮫革やドラゴン革が見つかれば①も可能か。

 Cは金属製品。薄く、編み込めるほど剛性、柔軟性を持つ素材は製造が難しいのは想像できる。生産出来れば③。


 防具は現地情報によってかなり変化があるだろうから、中世物の映画やアニメの画像を載せて置くだけに留めておく。


「俺《錬金術》取ったらしい」


 顔をあげるとテレビモニターの中の藤村のキャラが擂り鉢で何かを砕いていた。


「《陶工》にしたとか言ってなかったか? てか映像勝手に変えるなよ」

「見てなかったし、実際変えても気付いてなかっただろ。なんかあざといから辞めたんだってさ」

「《錬金術》ね。ポーションとか作るのか?」


 錬金術=ポーションは鉄板だろう。幸いうちのPTには木蓮と言うヒーラーがいるので使った事は無いが、セオリー通り苦くて飲めた物じゃないらしい。


「あぁ初級ポーションを作ったみたいだが、この画像みてみろよ」



【初級ポーション】

 品質  D

 制作者 藤やん

 効果  HP30即時回復



「品質も効果もNPC売りと同じだろ。スキルレベルが低いならこんなもんじゃないか?」

「ただ苦くて飲めた物じゃないから定番のリンゴジュースを半分混ぜてみたんだってさ」


【初級ポーション】

 品質  D

 制作者 藤やん

 効果  HP14即時回復


「なるほど。薬効が半分しか入って無いなら当然回復量も半分になるわな」

「しかも味が喧嘩しまくって、より不味くなったんだってさ」


 HP15回復じゃなくて14なのは、リンゴジュースに回復を妨げる成分が入っていたせいかな?


「お前理系だろ? なんかいい意見ないかと思って」

「ゲームの世界の化学が現実の化学と一緒とは……俺らの宿題も現実を持ち込んだ物か」


 思い付く事だと成分分析、抽出からだよな。回復効果が有る成分を抽出出来れば効能を上げられるだろうし、苦み成分を排除出来れば飲みやすくなるはず。

 理系とあがりでも道具が用意されている前提の知識だから、現時点でアドバイス出来る様な物じゃないんだよな。


「じゃあこのサイトなんか役に立つんじゃないか? ガラスが無くてもこれなら用意出来るだろ」

「ほうほう。よし、この情報も添付しておくわ」


 藤村は気が済んだようだしこっちは家についてのまとめだけしておけば宿題終わりだ。

 家については複数の選択肢を一応出してはいるが、フェアリーリング内の俺が現実の俺と本当に好みが同じなら選ぶのはコレだろうという本命を選択肢の中に混ぜておいた。


 夢のマイホームをまさか夢の中で先に叶える事になるとは思わなかったが、さてどんな家になるんだかな。




ようやく文章量が増えてきて感戻ってきたのかな?それでも2000字そこそこなんですがw

とりあえず3600字ぐらいが自分で読んでいて読みやすいので、そこまでいけるように頑張るます^^



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