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4人の高校生

すいません短いです……

 


 ボス戦を無事に終えたのち俺達は全員で食事をしていた。

 わかったのは彼等は実に気のいい連中。同じ農業高校の友達同士、現実の知識でどこまで通用するか試そうとこの町に来たらしい。

「にしてもこの泥啜りは素晴らしいですね。繁殖させてみましょうよ」

 これは調教持ちのワカホリの台詞。

 なんと魔物を捕獲して牧場を造ると意気込んでる。俺の中の調教スキルのイメージが壊されていく…… テイマー職なんてないんや……。

 他のメンバーも農場、果樹園を経営するらしい。


「俺もゲーマーなんでわかるんすけど、普通のRPGだと戦闘職8;生産2割ぐらいっしょ? ここらで一次産業もバーンっと活躍してもいいと思うんすよ」

「RPGで農家や酪農家が大活躍するのもシュールだと思うが。それで畑と放牧場はどこで販売しているんだ?」

「街の外れに専用エリアがあるみたいなんで、一緒に行きませんか? ブラウさんも調教スキル持っているならそのうち必要になるでしょうし」


 俺はもう土地あるからいらないんだが。まあ値段とか知れるのは良い事かな。それにワカホリは異種族の掛け合わせも興味があるみたいだから参考になりそうだ。


 このリシカルの街は2つの地区で明確に区分けがされていた。

 盆地の斜面にへばりつく様に建てられた小さな家家は、すべてが南に向かって扉が据えられており窓一つない。これらはすべて図書館に代表される本の街の面で古本屋だけで構成されている。

 そして中にいるとわからないが、盆地の内部は農作物の花が咲き誇る平原が広がり、この一帯が購入可能なエリアらしい。


「そこの家が販売を取り仕切っているみたいですよ」

「ウッドデッキにチェアーか。ここ座って本でも読んだら気持ちよさそうだな」


 個人的な嗜好かもしれないがウッドデッキは成功者の象徴だと思っている。駐車場にするでもなく庭にするでもなく、贅沢な土地の使い方出来るってすばらしいよな。

 カランコロンと扉につけられたベルが鳴り、家の奥から人の良さそうな50絡みのオヤジさんが出てきた。不動産屋にしてはモッサリした外見だから、断りきれずに区長になってしまった感じかな? いや知らんけど。


「ようこそシリカルに。農地の購入かい?」

「え? あっはい……」


 ありゃ。ゲームとは言えここまでリアルだと現実と大差ないもんな、高校生が土地の売買なんて経験あるわけないから緊張もするわな。


「購入を考えてはいますが、物件と値段と購入した時の条件など一通り説明お願いします」

「まぁ立ち話もなんなんで、そちらに座って下さい。今お茶持ってきますね」


 案内されるがまま席につくが、高校生4人組はガチガチになっちゃってまるで入社面接みたいだ。


「携帯電話ぐらいなら買った事あるだろ? それと対して変わらんから安心しろ」

「にゃははは…… 自分が親と同じ経営者になるんだと思ったら緊張しちゃって」

「僕も。帳簿睨みながら赤ペン持ってる自分を想像しちゃった」


 いやいや先走り過ぎだろ。重く受け止め過ぎてるみたいだから、彼らの為には今日の所はとりあえず俺が必要そうな事だけ聞いて明日以降落ち着いてから考えさせた方がいいかな?


「お待たせしました。これ自作の菓子なんですが良かったらどうぞ」


 ざっとと言うか現実では無いので当たり前だが、かなり簡単な話だった。

 土地は正四角形の平方メートル単位での販売。土地は有り余っているらしいので選びたい放題だが、値段は一律で1平方メートル2万セラと決まっているとの説明だった。

 田圃の広さは俺より高校生グループの方が圧倒的に詳しいはずだが100平方メートルだと800万セラだと聞くと、彼らの顔色が目に見えて曇った。

「一人一反だと3億2000万? そんな……」 

 そりゃ無理だ。プレイヤーの中で圧倒的に儲けている木蓮でも数千万の前半がせいぜいだろう。

「ここなら魔物に襲われないですし、交通の便を考えたらかなりお得なんですけどねえ」




 結局購入後の説明も聞く事も無くお暇する事となった。買えもしないのに居座っても邪魔になるだけだしな。

 それにしても後ろを着いてくる4人が暗い。後ろを振り向かなくてもこちらまで淀んだオーラが背中を圧迫してくる。解決策があるのに言うべきか迷っている罪悪感があるんだろうな。


「ああ辛気くさい。土地ならあるが、問題もあるし条件もある。それでもいいならタレ線だらけの顔やめい!!」



 勢いで言ってしまった…… またメンバーに怒られるんだろうな……




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