生産者の終着地点
今までのあらすじ。
初めてのVRMMORPGに飛びついたキャラクター名『ブラウ』が就いた職業は村人だった。
廃プレイをする気も無い彼は村人としてNPCと交流を深めつつ、見た事の無い世界を楽しみつつのんびりプレイするはずでした。
しかしチュートリアル用の村で出会ったヒメアと言う釣り好きプレイヤーに出会い、彼女が釣り上げた巨大なアメリカザリガニ(泥啜り)をテイムした辺りから徐々に歯車が狂い出す。
テイムしたモンスターを移動用のペットとし巨万の富を得、中間素材を販売する事で彼らのPTは無駄にお金を手に入れましたが、ゲーム内通貨には目もくれず『誰も見た事の無い景色』を求めて馬車の旅を続けて行きました。
他プレイヤーがダンジョン制覇を目指している間にも地上を進み、海岸線にたどり着いた一行はその美しさに時間が経つのも忘れ魅入ってしまいます。
皆にばれないうちに準備する。と思っていた時期が私にもありました。
そもそもログイン地点で準備してバレないと思っていた俺が愚かだ、瞬速でバレました。勝手に決めたのは怒られなかったので助かったが。
遅れてきたメンバーにも事情を話した所「一人で勝手に決めた事には納得いかないが、アイデアは良し」との事だった。確かにPTでやったクエスト情報だからその場で結論出す必要もなかったんだよな。
よしっ反省終わり。
土地を買い、フィールドに家を建てると言っても建築知識のある人間なんて俺たちの中にはいない。
ここでFairyRingの設定をおさらいしておくと、このゲームは催眠型に分類される。まぁ俺も専門知識なんてないのでザックリ言ってしまえばプレイヤー全員が共通の世界にいる夢を見ている感じだ。
「ちょっとググりたいからログアウトする」
とかしようとすると現実世界で体も意識も眠っているので朝(夜中に自然に目覚める人は除外)にならなければ起きられない。
そしてゲーム内で外部サイトを検索する事は出来ないので、建築知識を調べようとするならプレイヤーやNPCから会話として聞き出すか、起きた自分にメモと言う形で調べて貰うしかないのだ。
説明が長くなってしまったがつまり今からすぐ家作りに着工する事は出来ないと言う結論。
現実世界で自分が建てたい家を各々調べてくる事として、今日の所は必要となる出あろう準備をする為それぞれ別行動になった。
ヒメアは初めての海岸なので釣りに出かけ
木蓮は自ら立ち上げた中間素材販売店の管理に
ルーは石材を切り出しに
藤やんは今回の事で覚えた『陶工』を上げらしい。ついでにクラン設立条件の『桃園の誓い』クエストの情報も上げておいて貰う。
そして俺は最寄りの街ロックウェブの街役所に来ている。お役所の書類申請とかメンドクサい事は言い出しっぺがするよね? そんな無言の圧力に負けたからだ。いや別に拒否するつもりは無いが、あの目に疑問形の意味はなかった。
フェアリーリング(このゲームのワープゾーンでタイトルと同じなので分かりにくいが俺のせいじゃない)から出ると、地下都市ロックウェブの大広間。
「おぉ~人多っ」
自慢じゃないが俺たちはほぼ素通りで抜けてプレイヤーやNPCすら居ない人間生息圏外に移動しちゃったからまばらな人混みを見るだけで感動物だ。
自分も忘れていそうなので確認すると、
チュートリアルの名も無き村
そこから南にあるベレーガ
ベレーガ十時にそれぞれ
東にあり塔型ダンジョンのあるヒルトップ
南にあり採掘場とオークションのあるロックウェブ
西にあり図書館と農園の広がるリシカス
この4つの村・街が人間が住んでいる土地で、それ以外は人間では領地を広げられないモンスターの世界。
今ほとんどのプレイヤーはベータで公開されて攻略サイトに情報が豊富に揃っているヒルトップに集まっていて、他の街には用事がある時にだけフェアリーリングで飛んでくるのが主流になっている。
さて、記憶の整理をしている内に街役所に着いてしまったか。
そこは地下の岩壁を掘っただけの簡素な外観だったが、中に入ると磨きあげられた石畳に彫刻の彫られた石柱、カウンターの奥に職員が働いている姿が見えなければ歴史遺産と言われても納得しそうな内装だった。
「ここで土地の購入が出来るって聞いたんだが」
「ああブラウさんですね。お話は伺っています。では会議室に」
運営とNPCの関係はわからないが、話を通しておいてくれたらしい。そして人が集まる場所だから自然と似るのか、会議室も現実で知っているそれと変わらないんだな。
「さて、場所はX:28Y:35を中心とした2エリア分で間違いないでしょうか。代金は運営から支払われますので、それ以外の説明をしますね」
地図で指さされたのは確かにあの海岸線だな。
役人さんが説明してくれた中で、まず大事なのは外のエリアなので当然モンスターが湧く。
それは村と認識されれば湧かなくなるので気にしなくてもいいらしいが、ちゃんとした防衛装置を設置出来ないと一定確率で防衛戦がおきるらしい。
それって突発イベントだろうに言ってしまっていいのだろうか? と突っ込みたくなったが、控えて置いた。恐らく俺の職業『村人』効果だろうから、NPCとの会話もバカにならないな。
村になる前でも家など人工的な建物の中にはシステム的に敵が湧かない。
村役場などの公的機関を設置できるスペースを確保しておけば建物は勝手に建ててくれる。しかし道具屋や宿屋などはこちらで人員を含めて準備しないといけない。
これは俺が購入する場所に橋が含まれているせいだが、通行止めになるような建築物は禁止された。
最後にさらっと言われたが、人間生息圏外を越えた先からはPK可能エリアになるので購入した土地を設定しなおしてPK禁止にするなら役所から警備員を派遣しないといけないらしい。
……PK可能になるなら運営がプレイヤーに報告しろよ。
細かく保存すると、お気に入りに入れてくださっている方の更新一覧に乗っちゃうのかな? アクセスが変わってしまっていますので、ここで終わらせておきます。
ひさしぶりに読むと正直1話から書き直したい勢いですが、それをしてしまうと更新する前に力つきてしまう自分が目に浮かびますw
目指せ脱投げっぱなしジャーマンと言うことで、急な設定の変更などはあるでしょうがゆるーく見逃していただけるとありがたいです。




