火曜は。。。
大蜜壷に預けたありふれたキノコは何のことはない、移動する度に観ていたフェアリーリングでした。使い方も至って簡単で、アント帝国の地下室を埋め尽くすほど繁殖した小さなキノコを地上に置くと、グングン×2育ってくれる。逆に地上で育ちきり、オブジェクト化したフェアリーリングは、繁殖もしないし採取もできない。
恐らくだが、別の場所でこのキノコを発見、加工をして売り出したのがダンジョン内帰還アイテムの素材なのだと予想している。その某も元素材自体を売らないあたり同じ考えだろうが、現物を再現無くフィールドに植えられたらフィールドに魔物が湧く場所が無くなってしまうから当然秘匿します。運営から『レイドクエスト・フェアリーリングを守れ!』みたいな対応クエスト出されたらたまらないしな。
と、昨日は隠していた事を散々怒られましたが2人の驚いた顔が見れたからそれで良しです。
「聞いたよ。昨日倒したコウモリの皮膜全部出して。かっこいいマント作るよ。」
漆黒の厨二マント・・・team40なら1周回って堂々と着れるかも知れないが、オッサン予備軍には恥ずかしい。と、断ったらどうやら違うらしい。
「何言ってるの。漆黒のマントをカッコいいと感じる学生に売るのよ。いいから出しな。」
さすが商売人。揺れる馬車の中で強奪した皮膜で漆黒のマント。フチには赤いラインと金の刺繍が入って、その手の厨二が殺到しそうなデザインかつ高性能のマントを量産している。
◇
マントを作っている間ヒマだったので、御者席に移ると、先にINした木蓮が距離を稼いでくれたおかげで草原は一面に桜?が自生し、濃い桃色の花びらが舞っている。
「ちょっと待つコボ。」
正面に一際大きな樹の葉が、ピンクの小山の様になっているからとりあえずはそこを目指してみるか。
「止まるべきコボボ。」
あぁ言う巨大なオブジェクトって樹木自体が迷宮化してたり大抵何かあるんだよな~。移動も飽きたし、イベント欲しい所だな。
「あ~~行かないでください。コボ」
2足歩行の犬が、コボコボと・・・!?手綱を引っ張り、泥啜りを止めるとゲームでよく出てくる犬人種のコボルトが3匹追いかけてくる。
「ハァハァ 我ら狼の血を引く偉大なコボルトを無視するとは酷いコボ。」
「狼よりむしろ犬だろ。しかも愛玩系の。」
「侮辱するべきでは無いコボボ。」
「体は犬でも心はいつでも狼です。コボ。」
心は狼って=下心だろ。まぁ面白そうだから黙っておくけど。ちなみに自称長男コボルトは両刃の剣を持ち、次男はナギナタに似た、恐らくエン月刀。三男は刃の部分が波打った槍。間違いなく蛇矛って種類のはず。ここで今さらだが、一面に生えたの木の正体がわかった。
っぽーん 依頼『桃園の誓い』を受けますか? Y/N
やっぱりか。システムメッセージを見たんだろう。木蓮とヒメアも様子を見に出てきた。その後ろからタイミングよくログインしてきた藤やんとルーも馬車から降りてくる。
「我ら義兄弟の契りを結びたいのだが、大事な酒を奪われてしまったコボ。」
「冒険者なら困っている者を助けるべきコボボ。」
「出来たらお願いします。コボ」
気弱な張飛って斬新な設定ではあるが、桃園の誓いは三国志で劉備・関羽・張飛が『生まれた日は違えども、死ぬ時は同じ。』と共に戦う約束を交わす有名な話。移動に飽きてたのは全員同じだったようで5人フルPTでいそいそと目的地に急ぐ。
依頼主は手前に居たが、予想通り桃の大樹。イメージとしてはこの樹なんの樹の桃の木バージョンと言えば伝わりやすいか。幹の太さのわりに高さはないが、枝が横に迫り出し小腹が空くような桃の甘い匂いを周囲に放っている。
その巨木の文字通り根本にある人1人が通れそうなウロから自然に出来た地下道が続いていく。アメザリと馬車はここで待機させるしかなさそうだ。
「ダメダメだぁ。悪いがタンク以外の働きは期待しないでくれ」
「了解。ルーは一カ所に敵をまとまった所をスパイダーネットで足止め。俺と木蓮はサポートにまわる。」
わかってはいたが各街の中に設置されているダンジョンも攻略せず、非正規ルートで来ていた俺たちのPTは場違いなダンジョンにまで進んでしまっていたらしい。
がっつり遅くなりましたが投稿。今年中になんとか形になるところまでいきたいとは思っていますが。。。がんばります。




