閑話 とある帝国と王国と
牧場に入ると、予想を越えた風景になっていた。地上には泥啜りが花を付けたハーブの横に新しく泥場を作り、ロンリーウルフが仲間とジャレあっている。これは当然。そこに泥を乾燥させた半円形の家が出来上がっている。
げろげこ(おぉ主よ~くこられた。まだ狭い家しか作れんかったけんど、中で休んでいくといいべ。)
なんというか想像しておかなかった俺が悪いのかもしれない。住処は必要だよな。牧場に家建てるなとは言ってなかったし・・・いや俺悪くないだろ。
「はぁもういいや。ここの住み心地はどう?」
げここ(オラたちは、地下で掘れりゃぁ嬉しいなぁ。)
「石があるかはわからないけど、じゃぁ一緒に大蜜壷の所に行こうか。」
ー主ヨ。このカエルが新シイ住人カー
以下「」でお送りいたします。
「そうだよ。地下が好きみたいだから、仲良くしてあげてね。」
「コノ者達ハ器用ニ石ヲ掘リ、鉱物ヲ見ツケル。我ガ良イ同盟国トナロウ」
「ありゃま 王子だったオラが王国作ってもええだか?」
「村の迷惑にならないようにだったらいいけど、やっぱり土地広げないといけないな。」
「ほいほい呼んだかえ?」
ぬぉっ村長いつのまに。見慣れない物が建ってたので見に来たと言う村長に土地拡張のお願いをする。今なら資金はあるし、ここで大きく使っても問題ない。しかし村長の要求はお金ではなかった。
「そっただもんより頼みたいことあるだよ」
そうだった。お金で片をつけようとするとまた怒鳴られかねないのでおとなしく話を聞く。内容は冒険者が立ち寄らなくなって、近くで魔物が暴れ出しているので退治して欲しいと案外まともなもの。
っぽーん緊急クエスト『村の危機』が始まります。
緊急がついたけど、まっとうなクエスト内容で報酬が土地なら頑張るしかないか。
「フム 領土ガ掛カカッテイル以上我ラモ参戦サセテ貰オウ。」
「オラの初陣となるだな。」
激しい不安を余所にその原因の2体は大張り切りで戦準備始めているし唯一のプレイヤーとして心を強く保とう。
戦場は牧場の近く、正確には村の外れで巣穴から出ると空を黒い雲が覆い、稲妻が走っている。森から地響きと木が倒される音が等間隔で響き、木々の合間からわずかに姿を現したのは巨大な蜘蛛。
「そういえば森は蜘蛛もいたな。牧場の蜘蛛は姿見せないからすっかり忘れてた。」
「帝国ノ将来ガカカッタ一戦デアル。全部隊突撃~~」
「一番槍をアリっ子に奪われんなぁ、オラ達の心意気みせてやっぺ」
巨大な蜘蛛がまだ森から出る前に群がるアリとカエルの軍団。慌ててザリガニと狼と蜂も追いかけていった。相手反撃してこないし、まだ戦闘始まってないんじゃね?でも前脚1本折れたからダメージは入ってるのか。
おっとアリが脚から登り、体に直接攻撃を始めた。カエルも負けじと魔法での一撃。ザリガニと狼の両選手も脚に仕掛けてはいますが、やはり弱点を攻撃できる前者が一歩リードしているか?どうですか解説席の村長さん。
「アリには体の大きな敵を倒す技術があるのでそこに期待じゃな」
では、解説席としてはアリ優勢との予想ですね。おっと蜘蛛からの反応がありました。ボディープレスです。これにはアリもたまらず引きはがされます。
しかしここで前に出てきたのは・・・カエルです。カエルが口から飛び道具です。卑怯だぞカエル!なんと凶器を体内に隠していました~~。しかしレフリーのジョー樋口は失神しています。リングに上がることも出来ず、無法地帯となった花道でクモ・ザ・ジャイアント選手ピンチです。
倒れた倒れた、ダウンです。その巨体を支えることが出来なくなったのか蜘蛛がダウ~~~ン。
こうなると自力に勝るザリガニも負けていられません。ダメージを負った脚に執拗に間接技・・・失礼しました。執拗にハサミで踵を絞り込み続けております。下半身一点に細かくダメージを蓄積させるその姿はまるでいぶし銀の貫禄といった所。
そして総合力1位の呼び声高い狼ですが、おっと捕食を始めています。他選手が必死の攻撃を続ける中での捕食。『食べれる時に食べる』これが厳しい自然界を生きる者なのでしょうか。
ここで蜘蛛がついに最後のタップ・・・失礼しました。痙攣が入りました。試合終了です。雄叫びをあげるチーム牧場、そこに優劣はありません。全種族が集まって巨大な蜘蛛を巣穴に運び込む姿はまるでチャンピオンベルトを掲げてのウィニングラン!いや~すばらしい一戦を見せてもらいました。放送時間が迫って参りましたが解説席の村長さん、総括を一言お願いします。
「お前さんは何しとんじゃ!!」
プロレスっていいよね。
楽しくなって書き上げてしまいましたが、今後このような蹂躙戦闘はしない予定ですw
けど、観客席への乱闘シーン書いてないし、またプロレスネタはぶっこむかも。




