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無知な村人世界を変える  作者: 蚊々
出稼ぎ生活
25/45

カエルの王子様

 

 トゲトゲのフルーツ形爆弾『メガランブータン』により煤だらけになった銅ガエル達は追撃のブラックフォールでボロボロになっている。


 げろっ(おらが可愛い子分になにすっべ もう我慢なんねこっちもいかせてもらっぺ)


 石段の上で見物決め込んでた王冠付きのボスガエルが杖を取り出すと詠唱を始めた。

 魔法はやばい。同じ事を思ったのかルーも被害を増やさないよう移動しているので、数を減らすため雑魚に止めをさしていく。


 ここで光ったのがロンリーウルフのロン。絶えず走り回り舌攻撃を避けながら浅くではあるが噛みつき、文字通りその爪で敵をひっかき回していく。その合間を縫って突っ込んでくるカエルには凪払いのノックバックで1カ所にまとめた所をルーの一撃


「アッパースイングです。」


 洞窟内でさんざん使い、細かく傷のついた金属性のハンマーから繰り出された一撃を喰らった銅ガエルは、後ろにいる仲間達を巻き込んですっ飛ぶ。他の武器を知らないが、その原始的な攻撃は『重量の力』を見せつける一撃で直接攻撃を受けてないカエル達まで逃げ腰になっている。


 げっこ~~~~


 忘れ去られた王冠カエルが詠唱を終え、頭上に円錐状の岩が4つ。それが一拍おいてこちらに飛んでくる。


 げこっげここ(おっとぉ直伝の一撃くらうがいぃ)


 ちっ伸びきった鞭を引き戻す時間もなく左に頭から飛び込むが、一瞬前まで居た場所に岩が直撃し4つの衝撃音と女性の悲鳴が重なると、拳大の破片が体中に降り注ぐ。


 ルーは重い武器を持っての回避は出来なかったらしく、今は回復薬を取り出している。戦いには支障ないようなので安心だが、ガリア君は直撃してしまったのか腋に細かくヒビが入り、直前まで済んでいた詠唱が破棄されてしまった。唯一無事だったのは素早さが売りのロンだけか。


「ルーはガリアの詠唱時間まで引きつけてやってくれ。ロンは浅くでいいから銅ガエルを攻撃。ボスは俺が相手してくる。」


 本当は単体なら火力のあるルーがボスに行った方がいいのだが、ガリア君に正確な指示をしてもらう為にはルーが近くにいた方がとっさの判断がしやすい。


「ほら王冠付き。鞭でイかせてやるよ。」

 げろげ~ろ(オラは王子だど。鞭なんて親にも打たれた事ないのに)


 王子って割りには古いネタ知ってるんだな。余計な所に思考がいってしまうが、魔法職とタイマンで接近戦なら遅れを取る訳にはいかない。はやく倒して援護に回ってやらないと。


 ッパン パッシィィン


 鞭の先端が音の壁を叩くと詠唱を始めたカエル王子の頬から顎にかけて攻撃し、詠唱を破棄させる。


 ピシィン


 お次はステップを利かさないサイドからの一撃が杖に絡みつき、腕を曲げると杖が俺の左手に収まる。


 うむ。初めは使えない武器選んでしまったと不貞寝もしたが、何度も自ら誤爆しつつ練習した今では鞭以外使う気にもなれない最高のパートナーといえる。


 パシシィィン バッシィン パッシィィィン


 いちいち手元まで引き寄せず、当たった反動に手首の返しで方向をつけ動く間を与えない。なんか変な高揚感が生まれてくるが、精神安定の為に封印。無表情で攻撃を続ける。


 げこっげ げっげ げこん(いたか~痛いって言うとろーね堪忍して・・・くださいお おねがぃします。)


 さてこっちは終わったし、援護に向かうか。


 っぽーん 『銀ガエル』を仲間にしますか? Y/N



 懐かしいけど嫌な予感しかしない。カエルって好きな方じゃないんだけどなぁ。なんかカエルの王子様が上目使いでみてるし・・・・・Y。


 っぽーんっぽーんぽんぽんっぽぽん


 やっぱりピンポンダッシュか。





 残った素材を回収していき、本来の目的だった石の切り出しを始めたが、一悶着あった。採取出来たのは確かにガリア君より明らかに大きいサイズの石で、ルーのファンシートロッコには1つしか入らないのだが、クエスト用以外にも余分に持ち帰りたいと主張し始めた。


「もし作るの失敗したらいけないし。でもこうすれば。だって欲しいんだもん。」


 女性はかくも『バイキング・バーゲン・オマケ』に弱い生き物なのか実感し、それに男がかなうはずもなく現状。


「だからって2個は流石に積みすぎじゃね?」

「ふぅふぅ  私もちょっと思う。目の前にあると欲しくなっちゃって」てへっ


 トロッコの中に1個。その上に人間以上の大きさがある巨石を2個積み込み全員で押している。ロンは引っ張る為のロープが無いので周りを警戒。


「やっぱアメザリ偉大だわ~~」


 ダンジョン脱出用の光魔法や、それを使ったプレイヤー製アイテムが売られている事を知ったのは街に戻ってきてからだった。






「ようやく持ってきたか。では参れ、王女から直接届けるよういいつかっておる。」


 失敗する事無く、無事に出来上がった彫像を連れて、えらそうな貴族の後を付いていく。リクエストを聞かず彫って良いのか聞いたら、だいたいの要望はクエストを受ける時に聞き出しておいたらしい。たどり着いたのはお屋敷。城を想像していたが別宅?避暑地?だが、洞窟の壁とは別に建物を造り、頭上には鏡張りの灯り取りが空いていて他の建物とは作り方からして違う立派な屋敷。


「やっと出来上がったのね。きゃ~可愛い~こういう友達ずっと欲しかったのよぉ」


 正面扉をあけた途端に女の子が突っ込んできた。この金髪をこれでもかと縦ロールした小学生低学年ぐらいの女の子が王女?謁見室に近い部屋に座ってて、後ろにはメイドが畏まってるイメージだったんだがずいぶんフランクだ。

 今回届けた彫像は要望通り動物をモチーフにした石像。むしろルーリィの姿が気に入ってたようで『お稲荷さん』。姿が神の遣いだから強いって訳でもなく石の品質と出来、ゆかりがありそうだと封じ込めた土の精霊で強さが決まるが、現時点では最高の出来上がりとなっている。


「ふかふか  では無いけど綺麗な毛並みね。ぜったい仲良くするね。そうだ報酬よね。ん~じゃぁ王宮御用達石工を名乗っていいからいつでも会いにきて。」



 代金と、御用達と書かれた札を渡された。連続クエストってやつか?


 そうそう。ロンも気に入られたが、名前を付けた魔獣は愛着があるので新しく捕獲してきてあげたが、札は貰えなかったので村人は生産職ではないらしい。




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