ゲーム起動
「さってと♪」
手で丸めたビニール袋はそのままゴミ箱に投げ捨て、中身の箱をもって座椅子に腰掛ける。箱には大きく|《FairyRing》の文字と円形に配置されたキノコ。
|《FairyRing》国産メーカーから発売された完全新作・大型VRMMORPGで、ちなみに今日が発売日。VRソフトはそれこそ星の数ほど発売されたが、完全新タイトルとなるとかなりめずらしい同じ世界で国別に大陸が違うソフトを全国同時発売。
「暇な学生や廃人には勝てないだろうが発売日にスタートできるのは社会人としては上出来か。」起動させながらもVR用ヘッドセットを被り前情報を思い返す。
中世・剣と魔法・スキルこれだけで内容がわかるほどの王道だか最大の目玉がシステムだ。
国産ながらも平均好きな日本人らしくないと話題になっている理由が技やレシピが実装されてないらしい事。
催眠型と言われる今作では、接続中のプレイヤーとネット環境を使いゲームに反映されている。たとえば、「銅の剣が最強な訳がない」とプレイヤーの大多数が考えていればどんなに強化しても最強にはならない。逆に多くの人間が最強の装備を揃えてよりよい物を求めれば新たな最強が現れる。他のMMOで言えば基本の素材以外すべての物がユニークアイテム扱ってことだ。
消費者に丸投げかよとも感じたが、信じる者がいなければ神さえ滅ぶのと一緒。尖れにくい従来タイトルの不評もあってかなり好意的に受け止められていた。
っとヘッドセットに設定された電話に同僚で悪友藤村の着信
「どうだぁ設定済ませたかぁ」あいかわらず間延びしたしゃべり方、最近ヒゲを延ばしだした藤村はゲー友でもある。
「要点だけで会話するな。今インスト終わったからもうちょいだな」
「じゃじゃじゃあお先に」
「おうフレとうr」切れてる・・・・
明日 ヒゲ 毟る」と心のメモに記して設定を始める
名前はいつも通りで、性別は変更できないので男のまま容姿で変更できるのは髪型とヒゲと体毛。体毛ってなんじゃそれ まぁそのままで髪も黒でいいだろ。お次が
「目の前に盗賊がいます。戦いますか?」
「手先は器用だと思いますか?」
「平和であればそれが一番?」
この手の質問が続きかなり悩ましい。RPGだから戦闘は必須としてなんらかの生産もしてみたい。アンチメジャーでイン時間の限られる社会人としてはネタや趣味スキルとれないような純特化は避ける感じで答えていった。
さて楽しませてくれよ♪
名前 ブラウ
Lv 1
職 村人