第9話 願いの絵馬が揺れる音
見返りを求めない行為に、温かいつながりがある
魂の声は、いつも核心を突いてくる。魂の共鳴。
オレのオンボロ人生で、本当に心を許せる友人と出会えた時、
確かに魂が震えるような感覚があった。
それは、損得勘定や社会的な地位とは無関係な、純粋なつながりだった。
境内の奥へ進むと、参拝客の話し声や、願いの絵馬が風に揺れる音が聞こえてくる。
学業成就、商売繁盛、縁結び。
様々な願いが込められた絵馬が所狭しと並べられている。
健二:「ボクらも、なんかこう、特定のコミュニティに属してないからさ、
こういう場所でみんながつながりを求めてるの見ると、ちょっと羨ましいっすよね。
対人運って、結局は『どこに属せるか』みたいなことなのかな?」
彼の切実な声に、オレは胸が締め付けられる。
オレもまた、社会の枠組みからはみ出し、どこにも属せないような
孤独感を味わってきた。
だが、その孤独の中で、本当に大切なつながりを見つけるための
準備期間だったのかもしれない。
ワイズマン:「コミュニティとは、必ずしも目に見えるものではない。
そして、対人運もまた、自分から与えることで循環する。
ワシは多くの人との出会いの中で、与える喜びを学んだ。
無償の奉仕の中にこそ、真のつながりが生まれるものじゃ」
ワイズマンの言葉は、長年の風雪に耐えた古木のような深さだ。
オレもまた、小さなボランティア活動や、困っている人を
手助けすることで、心の充足感を得てきた。
見返りを求めない行為の中に、確かに温かいつながりが生まれるのだ。




