10.テスト勉強①
授業が終わり僕は下校の用意をしていた。
「ねぇねぇ湊、今日さカフェで勉強して帰らない??」
そう声をかけてきたのは紗奈だった。
この前公園で大切な話をして以降僕たちの関係は以前のように戻った?いや前よりも積極的に絡んでくるようになった。
「ん、あぁいいね」
「行こうか」
「やった!じゃあ行こ!」
テストまで1週間をきったので流石に勉強しないとまずい。
僕はもう3年なので受験も控えている。
成績の良い紗奈に勉強を教えてもらえるのは本当に助かる。
「あなたたちとても楽しそうに話しているけど、どうしたの?」
後ろから声をかけてきたのは愛菜だった。
「ん、私たち今から『2人で』カフェで勉強しようって話してたの。」
紗奈が愛菜に対して自慢げな表情で喋りかけている。
「そう、2人でね」
「そういえば紗奈さんは成績がいいらしいですね、ぜひ私にも教えて欲しいところね」
2人の間に火花が散っているように見える。
「そういえば愛菜って勉強できるのか?」
シンプルに疑問に思ったので聞いてみる。
「まぁ人並みってところかしらね」
「んーわかりにくいな」
帰ってきたのは抽象的な答えで結局どちらか分からない。
「そんなことより湊、早く行こ!」
紗奈に腕を引っ張られながら僕はそのままカフェへ連れて行かれた。
カフェに到着すると僕たちは飲み物を注文し、そのまま席に着く。
ここのカフェは学生が多く僕たちの他に勉強している人たちもいるので心置きなく勉強に集中できる。
「紗奈、そろそろ勉強始めようか。」
僕たちは軽い雑談を終え勉強を始めようとした。
「それはいいんだけどさ、愛菜ちゃん、どうしてあなたもいるのかな??」
逆側を見ると愛菜がコーヒーを飲みながらこちらを見ていた。
「どうしてって、私はいつも兄さんの後ろをついて行ってるから」
すっかり忘れていた。
愛菜はここ最近、こそこそストーカーをするのではなく、文字通り僕の後ろをついてくるようになったのだ。
「ふーん、そう」
紗奈が不満げな表情を浮かべながら勉強の準備をしている。
そうして僕らは勉強に取り組んだ。
「んーここの問題分からないなぁ…」
僕は数学がとても苦手だ。
「ねぇ、紗奈ここのもんだ…」
僕が紗奈に分からない問題を教えてもらおうと声をかけようとしたら、愛菜が僕の声を遮るように喋り始めた。
「兄さん、ここの問題はねこの公式を使ってこういう風に解くんだよ。」
「あぁありがとう…」
紗奈に聞くはずだったが愛菜が食い気味に喋り出し問題の解き方を教えてくれた。
てか愛菜のやつ普通に勉強できそうだな…
「本当は私が教えるつもりだったのに…」
紗奈は愛菜に先を越されとても悔しそうにしている。
一方で愛菜は「ふふふっ」と紗奈にマウントを取るような表情をしている。
再びバチバチッと火花が散ったように見える。
まぁ僕からしたら教えてくれればどっちでもいいんですけどね…
こんな事を言ったら2人がどうなってしまうのか分からないので心の中にしまっておこう。
「そういえば愛菜は勉強しないのか?」
愛菜は最初から勉強道具を出さずにただこちらを凝視している。
「私はやらないわ、だって兄さんの勉強している姿を近くで観察するいいチャンスなのだから逃すなんて勿体無いもの。」
「あはは、なんだそれ」
普通に凝視されてると集中できないんですけど…
そんな事を考えつつ僕は勉強を再開しようとする
その時
何やら入り口の方からガヤガヤと声が聞こえる。
「って、あいつら同じ学校の奴らじゃないか…」
カフェの入り口の方に同じ学校の生徒を発見した。
「ちょっとまずいか…」
僕の両脇にいるのはクラスでも見た目に定評があり人気のある2人。そんな2人と僕が一緒に勉強している姿を見られるのは少々まずい。
「なぁ2人とも、ちょっと場所を変えて家で勉強しないか?」
「いいけど、どうして?」
「いや、ちょっとな気分転換にどうかなって。」
「わかった!」
「わかったわ」
2人は周りを確認して、察しがついたのか素早く用意を済ませ、外に向かった。
そして僕たちは家に向かうのであった…
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