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新しい場合

 そんな二人を見て、いいことを思いついた。けれど、トーガは嫌がるだろうな。

「それで、どうするの?」

 レインの一言で皆の視線が一気に集まった。やはりここで実力を示し、仲間にしてもらえるように頼むのがいいだろうか。腰のケースに手を伸ばすも、金棒を取り出すには至らなかった。

「仲間に迎え入れる」

「本気で言ってるんですか?」

 今度は皆の視線が一気にルーヴェルへ向かう。よかった。あんなに凝視されていたのでは、ゼノを盗み見れない。隙あらば彼の姿を視界に入れたいのに。


 ちらっとその姿に目をやると、火の玉で遊んでいた。自分の人生が左右されるかもしれないというのに、興味なさげだ。彼自身そんなことは知らないのだろうが。

「トーガが懐いているなら間違いない。そうだろ」

「もちろんです。お師匠はすごいんですから」

「それで何がすごいんだ?」

「……」

 レインに質問されたが、またも無視。トーガは彼の何がそんなに気に入らないのだろう。馴れ馴れしいが、人に嫌われるような感じでもない。むしろどこか懐に入ってしまうようなところがある。

 無神経にみえるような行動でも、考え抜かれた策略があるような。ただのチャラい人ではないような感じがするが、そう見えてしまうのはその服装のせいだろう。

 そう思うも、私が考えたいい案はそれを助長させる気がしてならない。少し抑えめにした方が良いだろうか。いや、どうせなら派手にしてみたい。

「よかったですね、お師匠」

「あ、そうだね」

 イメージを膨らませていたせいで、上の空の返事をしまったのがトーガのヤンキーモードに火を付けてしまった。

「お前ら、お師匠に謝れよ」

「見た目で判断して悪かったな」

「ちゃんと謝れって」

 トーガは、私が傷ついていると勘違いしてしまったようだ。

「大丈夫よ。自覚はしているから」

 もっと強そうな見た目だったらよかった。甲冑に身を包んで大きく見せるのはいい考えかもしれない。だが、動きにくくなるのは問題だ。どんな時でも一番にゼノのもとへと駆け付けなければならない。

 

 だが、寄り添おうとしてくれる彼の思いも無下にはしたくない。

「僕が嫌なんですよ」

「え?」

「だって、こんなに素敵な人なのに。この阿呆どもは何も分かってない」

 とても優しいが、幹部に対してはなかなか辛辣だ。よほどの因縁がありそうだ。

「ありがとう。でも、トーガくんがそう思ってくれてるだけで、私嬉しいから」

 全員に好かれることなど、不可能だろう。どんな正義のヒーローだってそれは成し得ない。だから、嫌われていてもいい。好きになってもらわなくて構わない。

 ただ、一人でも好いてくれる人がいたなら、私はここに居られる。どんなことを言われても。

「でも、この方は微塵も魔力が感じられない」

「捨て駒にしかならないでしょう」

 つらら野郎は黙っていたが、他二人の幹部に激しく同意している。 

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