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テンパるの語源(※諸説あり)

作者: おでん

あまり知られていない「テンパる」という言葉の語源です。もちろん諸説あり…

現代では極限の混乱やパニックを意味する「テンパる」という言葉。この言葉の起源について、驚くべき珍説があります。それは、中国の始皇帝時代にまで遡るというものです。


◆ 始皇帝の傲慢な一言

時は紀元前3世紀、中国。秦の始皇帝は天下を統一し、全てをその手中に収めました。彼は宮殿の壮麗な玉座に座り、目も眩むような金銀財宝や膨大な軍勢を見下ろしながら日々の退屈を紛らわせていました。


その日も、宮殿で盛大な酒宴が催されていました。珍しい果物や豪華な料理が並ぶ中、始皇帝は上機嫌で、手に持った杯を天に掲げ、こう言い放ちました。



ちんはこの世のすべてを手に入れた。金も力も、朕に叶う者などいない。もはや朕を驚かせるものなど何一つない。天でも破る者が現れるなら話は別だがな!」



周囲の臣下たちはその言葉に声を潜め、酒宴の空気は一瞬凍りつきました。始皇帝の言葉は、あまりに不遜であり、あまりに傲慢だったからです。しかし、誰一人として逆らうことなどできませんでした。


◆ 龍の怒り

始皇帝の言葉は、大地や空を超えて天界にまで届きました。それを聞いたのは、天界に住まう一匹の巨大な龍。天の守護者であるその龍は、「人間ごときが天を侮辱するとは許し難い」と激怒しました。



龍は天高く舞い上がり、その鋭い爪を振りかざして、神聖な天を打ち破りました。




◆ 天破る惨事

破れた天からは、あらゆる災厄が降り注ぎました。巨大な雲からは稲妻が次々と落ち、嵐が宮殿を襲いました。天の裂け目からは燃え盛る火が降り注ぎ、大地は激しい地震で裂け、そこから奇怪な獣たちが次々と現れました。


宮殿の中は、まさに地獄絵図と化しました。将軍たちは混乱し、侍女たちは泣き叫びながら逃げ惑います。豪華な食卓はひっくり返り、兵士たちは武器を落とし、我先にと命を守るために逃げ出しました。


あの堂々としていた始皇帝自身も、顔面蒼白で玉座を蹴り飛ばして立ち上がり、命乞いをする始末でした。



「龍よ!待て!朕が間違っておった!天を敬うことを誓う!許してくれ!!」



その光景は、始皇帝の絶対的な威厳が崩壊する瞬間でした。混乱の中、人々はただ泣き叫び、何が起きているのかもわからないまま右往左往するばかりでした。


◆ 「テンパる」の誕生

この未曾有の混乱を人々は後に「天破るテンパールーロン」と呼びました。この言葉はやがて、「極限の混乱やパニック」を意味する表現として広まり、始皇帝の時代を生きた者たちに語り継がれることとなりました。


さらに時代が下り、平安時代に日本に伝わった際、「天破る(テンパール)」が訛り、「テンパる」という形に変わったのです。


◆ 麻雀用語説との対比

現代では「テンパる」が麻雀用語としても知られていますが、この珍説によるとそれは後世に生まれた誤解だとされています。この説を主張する人々は、「テンパる」の本来の起源はあくまで始皇帝時代の「天破る惨事」であると信じています。


明民書房刊『あなたの知らない現代用語 入門編』より


※ 諸説あり


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― 新着の感想 ―
諸説ありと言えばなんでも許されると、……思うよ、うん。
てっきり天然パーマみたいに髪の毛がクリクリするくらいに脳が煮え煮えするパニックのことかと思ってました! 勉強になります! あと、明民書房はおそらくパブリックドメインではないので、まあまあスレスレジ…
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