恋人が殺された部屋で俺は。
真っ白だったベッドシーツが真っ赤に染まっていた。何度も何度も二人で愛を確かめ合ったベッドの上でショウコは腹を裂かれて死んでいる。
「……ショウコ」
不思議と恐怖は感じない。俺は変態なのだろうか?
『ショウコがベッドの上で死んでいる』という事以外は『日常』のままだ。俺はその日常に興奮していた。二人で沢山の話をしたコタツ。コルクボードに貼られたたくさんの思い出の詰め込まれた写真。
熱帯魚の水槽にはまだ餌が浮いている。
『彼女はついさっきまで生きていた』証拠だ。
駄目だ。欲望を抑えられない。俺は服を脱いだ。警察にあれこれ聞かれるだろうが関係ない。これで彼女を抱くのは最後なんだから。
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血塗れのベッド。血塗れのショウコ。血塗れで腰を振る男。男が俺に気がついて俺を見て笑った。
「彼氏さんじゃないですか。今日は早いんですね。お邪魔してます。これが終わったら自首するので外に出ていってもらっていいですか?」
『最近視線を感じるの』『つけられてる気がするの』『ストーカーかな?警察に相談しようかな?』
ショウコがそう言っていたのを思い出した。
俺はなんて言ったっけ?
『気のせいだよ』『分かった分かった。今度俺が警察に相談してやるよ。今度な』
「あぁ」
こいつがそうか。ストーカー。本当だったんだな。ごめんなショウコ。責任とるよ。
俺はゴルフクラブを握りしめ男に近づいて行った。




