表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/45

微かな嫉妬心


「ねぇ、ファララ。君は、学園に行く前に常識を学ばなきゃだね」


姉様の呆れたような声に私は斜め上を向く。



あのあと、騎士が入ってきたものの。

研究員は、全員ぶつぶつ何か言っているだけで説明してくれず。


唯一、冷静だったアディさんは、陛下に報告に行った。


私達も、ぽかんとしたままだったため、部屋に戻された。


「姉様、今日これからどうします?」

「……制服のデザインでも考えて遊ぶ?」

「制服のデザイン……ですか?」


制服のデザインとは?


「……んー、あのね、8歳から入れる学園って、制服のデザイン自由なんだ。まぁ、女子はスカートだけど」

「……楽しそうですねっ!」

「うん、楽しいよ。楽しいけど……8歳になるギリギリからやり始めると、ほんっときつい」


そのなんとも言えない顔で察してしまった。


姉様、苦労したんですね……。


「それに、10年分考えなきゃだし」

「え? ずっーと同じじゃダメなんですか?」

「ダメってわけじゃないけど……馬鹿にされるよ?」


私達の家は、伯爵家だからね……。


そう言って姉様は、困った顔をした。


「あ、でも、全学年変えなきゃってわけじゃないんだ。2年に一度変更で、夏服と冬服を作ればいいの」

「結局、十着はいるんですね……なんか、ダメなこととかあるんですか?」

「特にないよ。基本なんでも。過度に露出し過ぎてなかったら」


詳しく条件を聞くと、許容範囲は、肩出し以上ミニスカ未満らしい。あと、動きやすさもいるんだとか。


肩出しは良いのか。割と緩かったな。


「姉様、あの……夏服、白で冬服黒のお揃いにしたいです……!」

「……! もちろん、良いよ……前回とはなかなか違う感じになりそうだし」


そういって姉様はほわりとした笑みを浮かべる。


おぁ〜〜!!

美少女すぎて、目が死ぬ。


そんなことを考えながら、私はペンを持った。


ちなみに、この世界の言語とあっちの世界の言語は違うが、私は両方理解できる。


(ファララ)の頭がいいからだろう。


絵も、歌もうまけりゃ、顔も魔力もいい。


ファララ、チート過ぎないか?


と思ったが、前のファララは早死にしたらしいので美人薄命というのかもしれない。




「姉様、デザイン、こんな感じでどうですか?」


しばらく紙に向かってデザイン画を描いていたが、私が書きあがったので、姉様に差し出す。


そのデザインは夏服のもので、真っ白な肩出しシャツに、セーラー服のような襟元、ネクタイ、裾にはフリルが付いている、スカート。


スカートの色は姉様青、私赤。

リボンの色は、姉様水色に、私ピンクだ。


……なかなかに可愛いと思う。


「……可愛すぎない? これ、私、着こなす自信ない……ファララなら似合うだろうけど……」


しばらく絵を見つめ、ぽつりと零した言葉に首を横に振った。


「……姉様と私は顔一緒なので平気です!!

ぜぇっーたいに似合いますっ!!」

「説得力が凄い……」


なんとも言えない顔をした後、姉様が腰につけたベルトポーチから、小さな万年筆のようなものを取り出し、空中に何か描き始めた。


「ミルドアレイスフェラ……こんな感じ……?」


相変わらずすっごい能力だ。


姉様のお友達リシアーネこと、

契約精霊、エールリシア・ミルドアレイスフェラ。


姉様の前世からのお友達だという彼女(?)は、なんとびっくりなことに、土の上位精霊だそうだ。


姉様、筋金入りのチート。


私が敵に回したくない人ランキング堂々トップである。ちなみに師匠はランキング外だ。


「……本当、エールリシア様って凄いですね」

「ふふ、そうでしょ?」


誇らしげに姉様が見つめているのは、私が描いた制服が具現化したものだ。


エールリシア様の精霊術は、状態変化。


「……契約精霊、か……」

「…………何か言った、ファララ?」

「いえ、なんでもないですよっ! 姉様の案も見せてください!」


不思議そうな顔をする姉様にそういって私は話題をそらす。


「どう? これ……」

「……綺麗……」


姉様の描いた冬服は綺麗だった。

どこが、とは言えないけど。


黒いシャツに、白のベスト。白のスカートに黒のフリル。


裾には、赤と青の編み込まれたリボン。


「良いと思います。すっごく素敵。姉様らしくて」


嬉しそうに微笑む姉様を見て、微かに芽生えかけた嫉妬がシュルシュルと萎む。


「ねえ」

「 ? 」

「ずっーとずっと、大好きだよ……フェリス」

「……ファララ?」

「気にしないで……姉様。続けましょうか」


姉様。呼び慣れたはずの呼び方にどこか違和感を感じた。


私は、気のせいだと頭を軽く振ってそんな考えを追い出し、デザインを描くのを再開した。





今日中にあと、1話更新……出来たら、します!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ