双子の王子
本日、3話目です。
「ねぇ」
「ねえ」
「きみはだぁれ?」
「なんでここにいるの?」
交互に問いかけてくる少年2人はもしかして。
……クレーシアの双子の第2王子?
クレーシアには第2王子が2人いる。
双子でも普通なら、第2王子と第3王子にわかれると思うが、そういう仕組みなのだ。争いを防ぐために。
「え、えと〜。ファララ・メノウラーネです。適性の問題で保護していただくことになって……」
もじもじしていると、双子が笑った。
……かっ、可愛いぃぃっ。
「ファララ?可愛い名前ー」
「僕は、フィン」
「僕は、フィカ」
交互に名乗ってくれる双子の王子様。
「フィン殿下とフィカ殿下?」
「ううん、殿下はいらないよ。フィンでいいよ」
「フィカでいいよ」
双子の王子様は首をふるりと振る。
やっぱり可愛い。私はこの2人の婚約者候補なの?
絶対、こっちのが可愛いんだけど⁈
「では、フィン様とフィカ様?」
「違うー、様はいらないよー」
「フィカでいいんだよー」
えぇ。いいのか、これは?
周りを見ると、姉様と師匠がいなくなっていた。放っていかれた。
「一緒に来た人達は行っちゃったよー」
「場所、わかんないのー?一緒行こー」
「ありがとうございます……フィン、フィカ」
恐る恐る呼んでみると。2人の顔が輝いた。
フィンが、金髪、緑目の方。
フィカは、黄緑の髪に、金色の目の方。
フィンの方の色は師匠と同じ。
師匠と同じ色の方が、フィン。覚えた。
「こっちだよー」
「こっちなのー」
「あ、え?」
突然、2人に両手を取られて、戸惑う。
え?これはどうすれば?固まっていると、2人がパチパチと瞬きして、私の手を見る。
「ごめんねー」
「痛かったー? だいじょーぶ?」
……え?
あ、あぁ。私の手を見るとちょっと赤くなっていた。痛くはなかったんだけど。5歳児の手はふにふにしてるし。
「だいじょーぶ。フィンとフィカは優しいね」
そういうと、2人はまたコテリと首を傾げて。
「僕達、優しー?」
「優しーの?」
「え、優しーですよ」
「えへへ」
「えへへ!」
そういうときゃっきゃっとフィンとフィカが笑う。
……かっわいいっ!
ほんと、語彙力がなくなるレベルの可愛さだ。
それにしても、よく似ている。
色に違いがなければわからないだろう。さっきの事があったからか、優しく手を引いてくれるフィンとフィカを見ながらそんなことを考えていると。
「僕とフィカ、そっくりでしょー」
「色に違いがなかったらわからなかったでしょー」
私の視線に気づいたらしい2人がにこにこと笑って、交互に喋る。
ってか、2人先に喋るの絶対フィンだけど。なんで? そういうの、2人で決めてるの?
「……はい。フィンとフィカは本当にそっくりですね」
「そーだねぇ」
「そっくりそっくりー!」
2人はそっくりと言われるの嬉しいらしい。
可愛い。
「あのねーでもね、本とかの好きなのは違うの」
「そーそー! 僕はねーお伽話が好きなのー!」
フィカは、お伽話が好きらしい。今度、日本の話を聞かせてみようか。
「そうなんですか! 私もお伽話は好きなんです!」
お父様達にぬいぐるみなどの代わりに絵本買ってもらいまくって、たくさん読んだ。
魔術や、魔法の本も。ついでに毒の作り方、薬の作り方。
毒や薬を作る事が出来るのはいいが、精霊の力を借りられる……自然に好かれている姉様と違い、私は魔法で調合しなければならなくって、きつかった。
「ぼくはねー、勇者様のお話が好きなのー」
「 勇者様はかっこいいのー!リュート・イブ・メノウラーネ様ー!」
「メノウラーネ……?」
私の名前……?
「勇者様の名前は、クレーシアではないのですか?」
クレーシアと言う国の名は、初代国王の名前から取られたのではなかったのか。
「違うよー!クレーシアはね!初代王妃様の名前なの!」
「勇者様の姓はねー、亡くなった勇者様のお母様のものでねー、メノウラーネ家出身の人だったの!」
「そうだったんですか! 初めて知りました」
つまり、私は王家の親戚か。
「ちなみにね、ノーヴィンはねー、初代王妃様の大切な侍女の名前でね、王家の一員なのー」
「そうなのーだからね、フェリスも親戚ー!ファララは王家の血がかなり濃いんだよー」
え、初耳なんだけど。
初耳の情報、ありすぎじゃない?
「あの、フィン、フィカ。面白かったのですが、私に言っても良かったのですか?」
「いいよー」
「有名だしねー」
有名なの⁈ 知らなかったんだけど?
そんなことを考えていると、フィンとフィカが立ち止まった。
「着いたよー」
「ここだよー」
読んでいただきありがとうございます。
ブクマ、評価よろしくお願いします。
今回出てくる、双子の王子は絶対出したかったキャラランキング1位です。




