王城道中
本日2話目です。
「あの。師匠が馬車に乗っているのが落ち着かないんですが」
「わかる。わかるよ」
「ファラちゃん? フェリちゃん? だからどうしろと……?」
「瞬間移動なんで使わないんですか。使ってくれたら、こんなに落ち着かない気分になることもなかったのに」
「言い掛かりが酷い!」
私がつい、言ってしまった本音に師匠が綺麗な顔をしかめた。
「ふふっ」
姉様はどこか嬉しそうだ。
多分、1人で行く予定だった&王城にいい思い出がない、で不安だったんだろう。
クレーシア王国の王城には地下牢がある。
そこには王家の名で処刑される者たちが入れられる。姉様は、処刑されたことあるし。
ちなみにクレーシア王国はこの国の名前ね。2000年の歴史があります。
元々、別の国だったのを前の国の時、侯爵の座にいた、クレーシア家……今の王家がクーデターを起こし、この国になりました。前の国の名前は不明。
「……それにしても、師匠がこんな簡単に出てきてくれるとは。もう、かなり外に出てなかったんでしょう?」
姉様がぽつりと言った。それは私も思った。
「そんなことないですよ。王太子の成人式には言ってましたぁ」
「それ以外では?」
「……」
あんま、出てないんですね。
私達が乗っている馬車はお父様によると、師匠が乗っていて、全適性と精霊の愛し子もいるため、国王陛下の馬車より豪華らしい。めっちゃ見られるな……。
そのあと約10時間。宿を借りたりしながら王都についた。
「そろそろ着きますよ」
師匠の声で外を見ると。そこには、ザ・ファンタジーという感じの景色が広がっていた。
「ここが……。クレーシア王国の王都……」
思わず呟くと姉様と師匠が微笑ましいものを見る顔になった。2人とも行ったことがあるからね。
「なんですか、その顔は」
「ん〜、うちの妹は可愛いなーって」
「うちの弟子は可愛いなーって」
にやにやと笑いながら師匠と姉様がそう言ってくる。
うぅ。5歳だけど恥ずかしい……。
「……王城か。
やっぱり、あの人の造った場所だなぁ」
なにか、師匠が言った気がしたが、聞こえなかった。
「師匠、何か言いました?」
「いいえ。なんにも」
気のせいだったようだ。馬車が、ゆっくりと速度を落とし、完全に止まった。
「着き……ましたね」
「着きましたねぇ、降りましょっか」
扉が開くと、まず師匠が出た。続いて姉様、私と降りる。
顔を上げると、そこには天使のような顔立ちの少年が2人。そっくりな顔で私を見つめていた。
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