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兄様達


遅くなり、申し訳ありません!


「ファララのせいじゃない。だから。大丈夫だよ」


私と目を合わせるために背を屈めた兄様がゆっくりと幼子に言い聞かせるようにそう言った。


ファララのせいじゃない。落ちたことは否定しないんだね。


『気持ちは分かるが、そんな言い方はないだろう』


アオバ兄様もそう思ってるの?なんで本当のこと、言ってくれないの?


グレン兄様の言ったことは真実。


なんで。言ってくれなかったの?


アオバ兄様が試験に落ちた事さえ私は知らなかったんだよ?


「ふぇっ、えぇぇぇんっっ!」


姉と兄の間には険悪な雰囲気が流れていて。

お父様、お母様は固まっている。


そんな状況で1歳児が泣き出したら。それは当然だろう。そもそも外に出たくなかったらしいメリルリーファは、大きな声で泣き始めた。






「大丈夫でしたか。ファララ様が気にすることなんてないですよ。それにしても全適性とは、すごいですね! 」


困ったような顔をした私の専属侍女はさっき以来落ち込んでいる私を励ましてくれている。

本当に出来た侍女だ。メリルリーファが泣き始めたことでお父様とお母様は慌てて室内に入っていった。


怒ったような、悲しんでいるような顔でグレン兄様の手を引っ張って。


「ファララ様。奥様から伝言です」


2人いる、専属侍女のうちのもう1人。カエデの青い髪が見えた。


「……何?」

「今日のお祝いは申し訳ないけど見送るとの事です。あと。この埋め合わせは必ず、するからねと」

「そう。ありがとう。夕食は部屋に運んでちょうだい」

「かしこまりました」


ぺこりと一礼してカエデは出ていった。


「ねえ、メイネ。1人になりたいから夕食になったら呼んでくれる?」


メイネは何か言いたげな顔をしたものの、こくんと頷き出ていった。

1人になった私はベットに倒れかかり黒猫のぬいぐるみ、リースを探す。毛並みのいいリースを抱きしめてため息をつく。



まさか、兄様達があんな風に思ってたなんて。

目を閉じて先ほどのことを思い出しているとふと思った。



……あれ? これ私、悪くなくない?




いや、本当に。

多分お兄様達は私がなんの努力もせず、魔法を使えて、最強の弟子になったと思っているんだろうな。

結構、師匠を探すのも、夜中の魔法トレーニングも頑張ったのに。

負けたのは兄様達がなんの努力も3歳までにしなかったから。

転生した記憶ありの時点でズルかもだけど。水月のことを思えば、それくらい許されてもいいんじゃない?

そう、本当にあの兄様なんなんだろう。ちょっと腹立ってきた。

アオバ兄様だって、良い兄を演じているだけなんじゃ? ……兄様って煽ったら、本心出すタイプだよね。




明日、朝、兄様達と話してみよう。




☆★☆




「おはようございます、兄様方。あの昨日のことなんですが」


廊下のところであった兄様達に挨拶と一緒にそういうと。


「ファララ。昨日も言ったが、お前のせいじゃない」


何を言おうとしていると思ったのかアオバ兄様がそう言ってくる。


「こいつのせいだろ!」


グレン兄様がまた騒ぎ始めた。昨日、お父様達に怒られただろうに懲りてないな。この人。


「違う」

「そうですよね! 私、何も悪くないですよね!勝手に嫉妬してギャーギャー言っている兄様達が悪いんですよね! 妹に負けちゃうような兄様達が!」


ぱっと笑ってそう言うと、兄様達が目を見開いた。その隙にさらに言葉を続ける。


「私、3歳の時から頑張ってたんですよ? どうせ兄様達、何もしてなかったんでしょう? 私がミミリス様の弟子になったのだって当然ですよね!」


わざと兄様達を煽るようにそう言うと、私はこれからミミリス様とフェリス姉様とお祝いしてきます!と言って、去る。



……さて、帰った時どうなってるかな。




読んでいただきありがとうございます!

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