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天才と不合格


今回は短いです。


「また、明日ね!」

「うん」


馬車の前で、姉様と別れた。

今日は家族とのお祝いで、姉様はまた明日師匠と一緒にお祝いだ。


「ただいま帰りました! お父様、お母様、アオバ兄様、グレン兄様、メリルリーファ!」


家に着くと、お父様達が玄関で待っていてくれた。


「ファララ、検査はどうだったんだ?」

「全適性って言われました!」

「は?」

「全適性です!」


固まったメリルリーファ以外のみんなにもう一度言う。まだ神殿からの知らせが来てないみたい。


「すっ、すごいわ、ファララ! 流石私達の娘!」


一番最初に復活したのは、お母様だった。


「流石だな! ファララ! 」


次はお父様。えへへ、すっごく嬉しい。





あれ? お兄様達は……?

お兄様達は無言。


「お兄様?」


「……なんでもない。ファララはすごいな」


アオバ兄様はそう言うと、なぜか、震え始めたグレン兄様に目を向ける。


「……よかったな。普通じゃなくて」



突然グレン兄様が、そう言ってわたしを睨みつけた。


あ。あの目、見覚えがある。前世の親友だと思っていたあの子が向けてきた、侮蔑に嫉妬、それに憎悪。そんないろんな感情を混ぜたみたいな目。

もしかして嫌われちゃった……?突然の衝撃にわたしの思考が止まる。

その間にも家族の会話は進んでいく。


「レン、そんな言い方はないだろう?ミミリス様と勇者以来の快挙だぞ」

「そうかもな。だからこそ、気味が悪い。なんなの、コレ。教えなくても昔からなんでもできるし。」

「レン、気持ちはわかるが、そんな言い方をするな」

「なんだよ。アオだって、そう思ってるのに。兄より優れた妹なんていらないでしょ? コレのせいでアオ、魔法師合格逃したんだから」


コレのせいで、魔法師合格逃したんだから?

わたしのせい? アオバ兄様の夢を壊した?

………私が? わたしのしたことは無駄だった?


「ファララのせいじゃないっ! 僕の力不足のせいだ!」


声を荒げたアオバ兄様にメリルリーファが泣き出す。 お父様とお母様は驚いた様な顔のまま動かない。


「力不足? アオ、受験者の中で一番強かったのに?」


魔法師合格は家族の中から、一番強い人が受けた場合のみ合格になる。


いつだったか、師匠が言っていた。魔力は遺伝する。だから、騎士や魔法師の見習い試験では1つの家から1人しか合格者が基本でない。

その時の魔力量で決まるため、ずっと努力してきた人よりも、全くその職業に就きたくない人が取り立てられることも多々ある、と。


私は転生者だ。3歳になる直前に記憶を思い出し、必死に3歳になる前から、魔力を上げてきた。3歳の頃に、今まで弟子を取らなかった、最強の魔女ミミリス様の弟子になった。


兄様も天才だ。


でも。


生まれつき何もかもに恵まれたまだ伸びしろがある最強の弟子と。


努力で天才になった少年がいたら。




どっちを取るだろうか?




「アオバ兄様……?」






お読みいただきありがとうございます。

明日も更新します。

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