初めての魔法 無効化の呪文
2話目です。
1話1話が短いですがよろしくお願いします。
最強を目指す、と決めたからには早速計画を練ろう。
まず、魔法。前世ではなかったから、教えてもらうか、調べるしかない。教えてもらう、は無理だろう。
魔法は危ないということを、次男の、グレン兄様が魔法を見せてくれた時に言っていた。2歳児に言ってもよくわからないだろうに。でもありがとう。
ちなみに、長男のアオバ兄様8歳、次男のグレン兄様5歳である。グレン兄様が、見せてくれたのは初級炎魔法である。
それ以外にも色々あるんだろうが、よちよち歩きしかできない2歳児の身体じゃあまり調べられない。どうしたものか……。
☆★☆
……考えていて気づいた。
この部屋の中には、本がある。
なんで今まで気づかなかったといえば、夜だから目がよく見えなかったのだ。しょうがない。
問題はどうやって取るかと、魔法の本なのかと言うことだが、後者は大丈夫だろう。
私の乳母メイネは、男爵家の子で、この家に来てから、魔法を覚え始めた。
魔法は、火をつけたり、戦いにも使えるしね。だが、メイネは一日中私のそばにいなければいけない。
だから、この部屋で魔法の本を読んでいる。
つまりこの部屋には、魔法の本がある!
しかし、どうやって取るか。ベットの柵は頑張ったら降りられないこともないが、音を立てられないし。メイネはこの部屋で寝てるし。
魔法はイメージだとグレン兄様が言っていた。
つまり、兄様が使っていた炎の初級魔法、指先に火をつけるなら出来るんじゃない?
今日は魔法の本を諦めて、今日はそれを練習しよう。 呪文は覚えてる。私は深呼吸して、寝返りを打ち、メイネと逆の方向を向く。
『炎よ、古の契約に従い我に力を貸したまえ』
私は、小さく呪文を唱える。
ふわりと空気が揺れて、私のそばには、炎の玉が浮かんでいた。
出来た……!出来たよ私!愛され系女子に一歩近づいたよ!
……消えないなぁ〜……(目そらし)手じゃなくて、空中に出ちゃったしな……?
あれれ~、ふしぎだなあー、あははは……。
いや、現実逃避してる場合じゃない、メイネが起きるかも!
呪文は小さい声だったから、大丈夫だったけど、流石に火は……、このままじゃ愛され女子じゃなくて炎上美少女(物理)になっちゃう……。
えっと、兄様のはすぐ消えてたし!なんていえば?!
ああ、もう! なるようになれ!
『無効化!』
すると……ふわりと空気がもう一度揺れて炎が消えた。
……よかったあ。これで失敗したら炎上美少女なんとかムーンになってたよ……。
とにかく、やめる呪文は無効化でいい、と。
ってか、メイネ起きなすぎじゃない?
もうこれ本とってもバレないんじゃ……?
試してみるか。ベットから、落ちたっていえばいいし。短い手足を頑張って伸ばし、本を取るためにベットから降りる。
たぶん、はたから見れば落ちかけているように見えるだろう。
頑張ってベットから降り、慎重に棚の上の本を取る。棚は子供用で小さい。たぶん直で置いてあるのは私が、ベットから降りられないと思っているからだろう。
窓の近くまで行くと、月明かりが入ってくる。
メイネは起きてないみたい。扉の向こうの騎士も大丈夫だろう。
私は、ドキドキしながらページをめくった。
今日、もう一度更新します。