第79話 人の持つ力
『……これは……』
「……はぁ、はぁっ……危なかった……!」
魔術師の女は俺の背後……男二人の後ろに移動していた。
男二人は一矢乱れぬコンビネーションで俺に攻撃を仕掛けてくるが、
大きく距離を取って飛行することで逃れた。
「……ウッ……大魔吸石が……」
パラパラと細かい石のようなものや、
岩のようなものが雨のように落ちてくる。
俺自身は風魔法で風を起こして細かい石は避けている。
岩は落ちてこない位置に陣取っているから問題ないだろう。
そのまま背後に、巨大なものが落下したような大きな音が響く。
「ヌゥゥッ!?」
「うわッ」
「ウゥ……」
その衝撃は地震のように、地上を揺らした。
背後を見れば……。
『……おー、随分とまぁ派手にやったもんだ……』
「「「「グオオオオッッッ……」」」」
ミシミシ、ビキビキという表現が似合うほどの勢いで、
帝都の城が崩れていく。
それも当然だろう。何故なら……フラードが真上に圧し掛かっているから。
しかし、今はフラードを眺めている余裕はない。
崩壊した大魔吸石の破片がポロポロと落ちてくるのを避けつつも、
目の前にいる三人の人間を"鑑定"した。
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名前:エルメリオ・ブラウス
種族:人間
職業:ソードマスター
状態:普通
LV :42/99
HP :12582/12585
MP :7014/7520
攻撃力:11647+1000
防御力:9455+2300
魔法力:6624
魔防力:7471+1400
素早さ:12622+1138
装備:
E.魔銀の剣
E.魔銀の鎧
E.魔銀の籠手
E.魔銀の膝当て
E.魔銀のグリーブ
攻撃系スキル
「全力攻撃:LV9」「剣術:LV9」「格闘術:LV7」
魔法系スキル
「強化魔法:LV5」
技能系スキル
「魔力感知:LV6」「魔力操作:LV5」「気合法」「魔戦法」
「竜闘法」「HP自動回復:LV8」「MP自動回復:LV4」「威圧」
「隠密:LV7」「暗視:LV4」「気配察知:LV8」
「視覚拡張:LV4」「空間把握:LV6」「加速:LV9」
「思考加速:LV8」「並列思考:LV3」「集中」「命中補正:LV5」
「回避補正:LV6」「危険察知:LV8」「指揮:LV7」
「統率:LV7」「連携:LV8」「鼓舞」
耐性系スキル
「物理耐性:LV7」「魔法耐性:LV7」「状態異常耐性:LV4」
「苦痛耐性:LV9」「全属性耐性:LV3」
ユニークスキル
「限界突破」
称号
「アルベリオン帝国護帝将」「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「人族殺し」
「人族の殺戮者」「努力家」「竜殺し」
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名前:アルフリード・フラメル
種族:人間
職業:重装将軍
状態:普通
LV :41/99
HP :12984/13368
MP :9011/9364
攻撃力:10422+850
防御力:15020+5452
魔法力:6624
魔防力:12622+2600
素早さ:6624+50
装備:
E.魔銀の長槍
E.魔銀の兜
E.魔銀の大盾
E.魔銀の鎧
E.魔銀の籠手
E.魔銀の膝当て
E.魔銀のグリーブ
攻撃系スキル
「全力攻撃:LV7」「槍術:LV7」「格闘術:LV7」
魔法系スキル
「強化魔法:LV6」
技能系スキル
「魔力感知:LV7」「魔力操作:LV6」「気合法」「魔戦法」
「竜闘法」「HP自動回復:LV9」「MP自動回復:LV4」「威圧」
「暗視:LV5」「気配察知:LV7」「視覚拡張:LV4」
「空間把握:LV5」「堅守:LV9」「思考加速:LV7」
「並列思考:LV2」「集中」「命中補正:LV3」
「回避補正:LV3」「危険察知:LV7」「指揮:LV7」
「統率:LV7」「連携:LV8」「鼓舞」
耐性系スキル
「物理耐性:LV9」「魔法耐性:LV9」「状態異常耐性:LV6」
「苦痛耐性:LV10」「全属性耐性:LV4」
ユニークスキル
「天守」
称号
「アルベリオン帝国護帝将」「魔物殺し」「人族殺し」
「鉄壁」「竜殺し」
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名前:エレネ・カラメル
種族:人間
職業:大魔法使い
状態:普通
LV :43/99
HP :9096/9364
MP :13078/13842
攻撃力:6931+100
防御力:7828+2200
魔法力:15244+2372
魔防力:11937+2900
素早さ:11878+50
装備:
E.魔銀の杖
E.魔銀の軽鎧
E.魔銀のグローブ
E.魔銀のローブ
E.魔銀の膝当て
E.魔銀のグリーブ
攻撃系スキル
「全力攻撃:LV3」「杖術:LV5」「護身術:LV6」
魔法系スキル
「火魔法:LV8」「水魔法:LV8」「土魔法:LV6」「雷魔法:LV7」
「闇魔法:LV6」「強化魔法:LV7」「魔障壁」
技能系スキル
「魔力感知:LV9」「魔力操作:LV9」「気合法」「魔戦法」
「竜闘法」「HP自動回復:LV6」「MP自動回復:LV8」
「隠密:LV9」「暗視:LV6」「気配察知:LV7」
「視覚拡張:LV2」「空間把握:LV8」「魔力強化:LV9」
「思考加速:LV8」「並列思考:LV4」「集中」「命中補正:LV6」
「回避補正:LV6」「危険察知:LV7」「指揮:LV6」
「統率:LV7」「連携:LV7」「詠唱短縮:LV9」
耐性系スキル
「物理耐性:LV5」「魔法耐性:LV8」「状態異常耐性:LV5」
「苦痛耐性:LV4」「全属性耐性:LV4」
ユニークスキル
「空間魔法」
称号
「アルベリオン帝国護帝将」「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「人族殺し」
「人族の殺戮者」「竜殺し」
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……見ての通り、剣士、盾持ち、魔法使いの順に鑑定した。
まず、目に付くのは、そのスキルの多さだ。
一体、どれほどの戦闘や訓練を持ってすればこれほど高レベルの
スキルを大量に獲得するにまでに至れるのか。
加えて、素でOS1.0の時のガード恐竜ロボットと
ほぼ同等のステータスも持っている。
装備品やスキルの補正も入れれば、OS2.0に引き上げた
ガード恐竜ロボット達を押し留めることができるのも納得だ。
……間違いなく、これまでに会った人間の中でも、ダントツに強い。
「竜殺し」の称号まで持っているんだ。
高ランクの冒険者と同等か、それ以上の実力者ということになる。
もちろん竜と龍の間には、どうしようもないほどに巨大な壁が
あるのは分かっているつもりだ。
だが、彼らはフラードを見た時も警戒こそすれども、
戦意を失ったり、狂乱することはなかった。
……つまり。彼らは……本物の戦士、という奴なんだろう。
そして、先ほど魔術師の女への俺の脚による攻撃が外れたのは……
直前の魔力と、景色の歪みからして、"空間魔法"で躱したのだろう。
……ウィズダム以外で使える者がいるとは、思わなかったが……。
『……ふー……』
人間の最も厄介な点、それは知識と経験、過去の先人達の残した
データ等に基づく、効率的で合理的な行動。
彼らは、俺とは比較にならないほどの努力と時間を重ねて、
今の力を、地位を築きあげているのだろう。
彼らは倒壊していく城を忌々し気に見つめながら、
俺へと得物を構えていく。
『……まぁ、自分の主君がどうなっているか、心配で仕方ないだろうな』
「「「……」」」」
彼らは黙ったままだった。代わりに剣を、槍を、杖を向けた。
『……ッ!!』
三人の放つ魔力の質が……変わった。
三人の身体の皮膚が鱗状に変わっていくのは……"竜闘法"かッ!
『ウッ!』
「オオオオラァァァァァッッッ!!!」
剣士の男が、気付けば一瞬で距離を
詰めてその剣を振り下ろしてきていた。
どうにかそれに気付いた俺は翼に神力を帯びて剣を受ける。
『グウゥゥッッッ!!』
剣が翼に喰い込み、骨が砕ける音がバキバキと耳を不快に撫でる。
「……"ダークジャベリン"ッ!」
『グゥァァァッッ!!』
剣士に気を取られている間に、魔法使いの女の攻撃をモロに……。
闇属性は……不味い……グッ……。
『そこを退け!マロ!』
「「ギギィ……ガガガ!!」」
「"ヘイト・シールド"」
ふと気付けば、グレッシャーもガード恐竜ロボットも、
盾の男に攻撃を阻まれ、時折反撃を受けていた。
……徐々に……消耗している……。
『ヌゥァァァァッッッ!!』
俺自身も"竜闘法"を発動させ、能力を底上げする。
皮膚が竜鱗へと変わっていくが、殆ど無意味だ。
「オオオオオオッッッ!!」
『グ、ググガガ……!!』
クソォ…………この剣士……人間とは、思えない速さだ……!
魔法や神力で防御しようにも、間に合わずに防御できていない
箇所を執拗に狙われる上に、そもそもあの女の闇魔法の対応に手一杯だ。
瞬く間に、体力が奪われていく……。
……右目だけでは、捉えきれない……。
「オラァァァァァッッッ!!」
『……ァ……ッ……』
剣士に後脚を斬り飛ばされ、体勢が崩れた。
目の前に飛び込んで来たのは、闇属性の魔力が
籠めに籠められた魔力の槍。そして闇の波状の攻撃。
……辛うじて開いていた右目に見えたのは……。
……盾を持った男の槍が、グレッシャースライムを貫いていた様だった。
……ぬ……る……かった……か……。
……。
【…………ロセ……】




