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第71話 火龍レッカ

『おおっとぉ、すげぇ。あっという間に火山に

戻って来たぞ!?こんな風に転移するんだな!』


『ったく、タダじゃねーんだぞ?

かなりの量の魔力を使うんだからな。転移』


『すまん。後で返す!』


『言質は取ったぞ。本当に返してもらうからな。

大体20万MPくらいか?』


『へっ?』



 ヒヒイロカネは、よく分かっていないという表情を

 浮かべたが、いずれ分かる。ふふふ。



『って、そんなことよりも早く行かねぇと!』



 ヒヒイロカネが走り出したので、俺は空を飛んで追い越した。



『なぁーッ!?ズルいぞお前ーッ!』


『飛べない自分に言ってくれ。それに……ッとと。

今は俺も上手いこと飛べているとは言い難いんだよ』



 それからしばらくヒヒイロカネと揉めながら

 火山の横穴の所まで戻った。


 するとソコには、全身が赤い色の鱗に覆われ、

 ボロボロの翼を背に生やした龍がいた。


 ……機嫌悪そうに顔を顰め、尻尾を地面に

 反復させて叩き付けながら。



『げぇっおっさん!!』


『何がげぇっ、だ!ヒヒイロカネ、

どういうことか説明してもらうぞ』



 どうやらこの赤い龍とヒヒイロカネは知り合いらしいな。


 ……ヒヒイロカネが頭を下げまくってるところから

 立場はこの龍の方が上のようだが……。


 そんな中、俺は空中で姿勢を制御する

 練習をしながら待っていると、

 話が終わったのか龍とヒヒイロカネがこちらを向いた。



『お前か。ヒヒイロカネが世話になったとかいう馬は』


『ああ、そうだよ』


『ったく情けない。龍ともあろうものが

こんな馬一匹に助けられるとはな』


『おっさん……その言い方はないんじゃねぇか?』


『……はぁ。まあ、いい。ヒヒイロカネが

世話になったらしいな。俺は"レッカ"という龍だ。

火龍……火属性の龍のな』


『俺はアス。見ての通りペガサスだ。ちょっと訳ありだがな』


『ヒヒイロカネから聞くに、この穴の奥に隠した

あの方の暴走を止めたらしいが、それは本当か?』


『あの方……あぁ……フラード……。

いや、ヤマタノオロチ、か?』


『……その名を知っているのか。貴様、何者だ?』


『何者……さあ、自分でもよく分からないんだよ。

馬、なのか、龍、なのか、それとも人なのか……』


『……一体何を言っているのだ。

……ヤマタノオロチが、神龍という選ばれし龍である、

ということも貴様は知っているのか?』


『ああ。知っている。本人から聞いたこともあるしな』


『なにぃ……?オロチから、聞いた……?

……アイツは、力を失って人間共に封じられたハズだ』


『その封印を偶然俺が解いたんだ』


『……そんなこと、戯言にしか思えん』


『……って、言われてもなぁ……

証拠になるようなものも無いし……』


『……ヒヒイロカネから聞いたが、

貴様、神獣の力を持っているらしいな?』


『え?ああ、うん。それほど強くはないけど』


『…………ッ!』


『ウッ!?』



 突然、レッカが炎を吹き出した。

 咄嗟に回避を試みるも、僅かに炎が身体を掠った。



『……アッツ、ツーッ!!』


『……なるほどな。速いといえば速いが、それだけだな』


『お、おっさん!いきなり何してんだよ!』



 ヒヒイロカネがレッカに抗議するが、

 レッカはヒヒイロカネを睨み付けて黙らせた。



『来い……馬……この俺がお前の力を試してやる』


『……ッツ、お前、何をそんなに怒っているんだ?』


『…………』



 レッカが再び炎を吹き出す。

 今度はキチンと肉眼でそれを捉え、躱す。



『動きに無駄が多いぞ!馬!』


『んなこと言われてもよォッ!!』



 俺が叫ぶ間にレッカが肉薄し、尻尾を叩き付ける。



『……ッググ……!』


『……その程度か?』



 俺は何とか起き上がって距離を取る。


 左眼は……使いたくはない。

 俺自身が持っている普通の、"鑑定"は通じるか……?


 気を引き締め、思い切り"鑑定"を使う。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:火龍レッカ

系統:ドラゴン系

状態:普通

LV :83/99

HP :74534/74534 

MP :71031/71031 

攻撃力:86043     

防御力:70026    

魔法力:86043 

魔防力:68257    

素早さ:76538         

ランク:S

攻撃系スキル

「全力攻撃:LV7」「牙攻撃:LV7」「爪攻撃:LV7」

魔法系スキル

「火魔法:LV8」「風魔法:LV4」

技能系スキル

「魔力感知:LV8」「魔力操作:LV8」「念話」「HP自動回復:LV7」

「MP自動回復:LV7」「暗視:LV5」「視覚拡張:LV7」「空間把握:LV5」

「威圧」「気合法」「魔戦法」「竜闘法」

「飛行:LV7」

耐性系スキル

「火耐性:LV8」「風耐性:LV3」「物理耐性:LV4」

「魔法耐性:LV3」「状態異常耐性:LV4」

ユニークスキル

「竜麟:LV10」「龍麟:LV4」「息吹」

称号

「魔物殺し」「魔物の殺戮者」「人族殺し」「人族の殺戮者」

「竜殺し」「災害」「最終進化」


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



『通じたッ……けど、なんてステータスだ……』



 フラードやクロ、ウィズダム程じゃないが……強い。


 だから、理解出来てしまう。


 俺が、火龍レッカに、手加減されている、ということを。



『どうした。もう、お手上げか?』


『……そうかもしれん』


『馬。何故左眼を閉じている。それに何か意味があるのか?』


『ちょっと訳ありでね……』


『……チッ。ならば神力はどうだ』


『それはフラード……ヤマタノオロチから

無闇に使うなと止められている』


『…………』


『……な、なぁおっさん。もう止めようぜ?

おっさんが神龍様の古い友だからって、

やって良い事と悪い事があると思うぜ……。

ましてや神龍様や俺の恩馬に手を出すなんてさぁ……』


『……ヒヒイロカネ、随分と言うようになったな?

お前から焼肉にしてやろうか?』


『ハッハッハッ。身体中緋緋色金が含まれてる俺は

煮ても焼いても食えやしませんよ。おっさん』


『……ケッ』


『もう、素直に言えば良いじゃないですかー。

……神龍様に会いたいって』


『…………えっ?』


『……チッ。ヒヒイロカネの分際で……』



 え?俺が攻撃されたの、ただの照れ隠しってこと?

 だとしたら、それはちょっと……ないわー。


 しかしレッカはそんな俺の心境など知る由もなく、

 空を見上げながら呟いた。



『……懐かしい魔力を感じたのだ』


『……』


『世界が身震いするような果てしなく巨大な魔力を。

俺がずっと尊敬したあの魔力を……』


『……』


『神龍ヤマタノオロチが、復活した証を……感じたのだ』



 レッカは、目に涙を浮かべていた。


 ……そうか。ヤマタノオロチ……フラードと

 長い付き合いのある龍……何だったか、死霊龍の時も……。


 ……レッカは、生き証人なんだ。


 神龍が倒れてから、今この時までの……、

 空白の龍族の歴史の……。



『……行こうか。神龍様の所まで』



 いつの間にか、俺はそう、レッカへと答えていた。



『……チッ……仕方ねえ……』



 俺はウィズダムへと意識を向けた。その時だった。



『……馬……アス……だったか』


『うん?』


『…………ヤマタノオロチを救った事……感謝する』



 レッカが、頭を深く下げながら答えた。



『…………いや、何も頭を下げなくても……。

……ほら、神龍様の所へ行こう。俺の近くまで来てくれ』


『……?分かった』


『や、これで一件落着だな!……すっげぇヒヤヒヤしたけど』


『ヒヒイロカネ?お前の案件はまだ終わってねえからな?』


『…………はぃ』


『………ははは……』



 ヒヒイロカネが意気消沈した。


 俺は、生き証人のドラゴンと、意気消沈のドラゴンに

 挟まれながらまたまた転移するになるのだった。


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