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第34話 冒険者とミスリルと……?

 ここは深い洞窟のようにも思える、繰り抜かれた地下。


 地面を移動する大型の魔物などが通った跡は、

 大方このような洞窟のようなものになる。


 さて、そんな地下通路を移動している複数の影がいた。


 それは何体かの魔物を連れた複数の人間だった。

 

 

「なあ、本当にこっちでいいのか?」



 一人の男が問う。

 それに答えたのはもう一人のローブ姿の男。

 彼のそばにはコウモリの魔物、犬の魔物に大きなスライム。

 後ろには中型サイズのドラゴンまでもがいた。

 


「ああ。ソニックバットとダッシュドッグの追跡に問題はない」



 彼は自信ありげに答える。

 そんな彼の目の前で巨大蟻……。キラーアントを一撃で

 両断した剣士が口を挟む。



「おい。もしかするとキラーアントの巣に引っかかったかもしれん」



 それを聞いた他の男二人は顔を顰める。

 キラーアントは一匹一匹は弱いが数が多く、物量に物を言わせて

 格上の相手も押し切ってしまうことがある。


 そんなキラーアントの根城に足を踏み入れたかもしれない。

 それは彼らに緊張を走らせるには十分な情報だった。



「でもよぉ、折角あの"魔鉱龍"を発見したんだぜ?」


「そうだなぁ。最後に存在が確認されたのは、確か300年前だったか?」


「俺も資料でしか見たことないから分からん。

ただ、ああいう貴重な魔物については是非調べてみたい」


「またいつもの魔物使い(テイマー)の性分って奴か?」


「職業病抜きにしてもこいつの研究熱は異様だけどな」

 


 「違いねえ」と仲間と共に笑い合い、俺達は先に進む。


 俺達はAランク冒険者パーティ「大地の夜明け」。


 剣士のリーダーのロナウド。魔法使いのネルソン。

 そして魔物使いのチョーサの三人パーティ。


 俺は剣士としてそれなりに名が通ってるし、

 ネルソンも貴重な治癒魔法が使える魔法使いだ。

 しかし、俺達の中で一番注目を集めるのはある意味魔物使いのチョーサだろう。


 その理由はチョーサが相棒としていつも連れてるドラゴンだ。

 地竜レンゲ。Aランクの上位竜と呼ばれる竜種だ。

 

 その力と竜種のユニークスキルの威力は強力で、

 俺達のピンチを幾度となく助けてくれた頼れる仲間だ。


 頭も良くて、俺達の言葉にもある程度理解を示してくれる。

 もしコイツが喋れたなら、それはそれで賑やかになるだろうなと思った。


 後はBランクのビッグスライムと、

 今回限定で索敵、追跡要員でソニックバットとダッシュドッグを連れている。

 

 メインとなる他の魔物達は宿の専用の小屋に預けてもらっているのだ。

 ……一部は除くが。

 

 まあ、それはさておき。

 俺達は今、魔鉱龍と呼ばれる希少なドラゴンを追いかけている。


 魔法金属と呼ばれる貴重な金属をその身に宿すドラゴンだ。

 動く大金という皮肉めいた呼ばれ方をされることもある。


 目撃例がとにかく少なく、詳しい生態や発生原因等、

 分かっていないことがとにかく多いので、

 多くの学者の研究対象らしい。と、チョーサが言う。


 そして魔物使いのチョーサは機会あれば

 魔鉱龍をテイム……魔物を使役するスキルなのだが、それをしようと試みている。


 魔法金属から貴重な武器防具が作れるし、いざという時には金になる。

 それにチョーサが生態についてゆっくり調べられる。


 他にも理由はあるがその辺は割愛する。


 まあ、こうして魔鉱龍を追っているわけだが

 振り返っている間にもキラーアントの数は増えてきた。



「どうやら、キラーアントの巣穴に

入ってしまったのは間違いなさそうだな」


「魔鉱龍め、メチャメチャなところに突っ込んでやがるな」


「奴の匂いと姿はソニックバット達が掴んでいる。

この先をしばらく進めばいるそうだ」


「そうか。キラーアントは他はいるのか?」


「いや。魔鉱龍だけだ」


「さすがの凶暴蟻もドラゴンには手を出さないってわけか」


「……俺達の後ろ、レンゲいるんだけどな」


「……まあ、目的の獲物はこの先にいるから、いいだろ」


「……まあ、そうだな。そういうことにしといてやるよ」



 ネルソンに茶化されたのは少し不服だが、まあいいだろう。


 俺達はしばらく移動を続けて、ついに魔鉱龍の姿を捉える。

 全身が銀色の輝きを放つ煌びやかなドラゴン、間違いない。


 俺達は念のため剣や杖を構えた。

 チョーサはレンゲとビッグスライムの後ろに立つ。

 そしてその後ろで"鑑定"を行う。


 チョーサは珍しく高レベルの鑑定が使える。

 鑑定のスキルはそもそも持っている奴が少ない。

 スキルレベルが高いとなるとなおさらだ。



「…………なるほど」

 

 

 因みにチョーサが鑑定で見た結果はこうである。

   


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:魔鉱龍ミスリル

系統:ドラゴン系

状態:通常

LV :17/99

HP :12912/12912  

MP :31584/31584 

攻撃力:20832     

防御力:31584    

魔法力:37496 

魔防力:33128    

素早さ:9072         

ランク:S

攻撃系スキル

「全力攻撃:LV3」「牙攻撃:LV3」「爪攻撃:LV3」

魔法系スキル

「水魔法:LV7」「風魔法:LV7」

技能系スキル

「魔力感知:LV8」「魔力操作:LV7」「念話」「錬金」

「HP自動回復:LV6」「MP自動回復:LV7」「暗視:LV7」

「掘削:LV8」「視覚拡張:LV7」「空間把握:LV6」

耐性系スキル

「水耐性:LV7」「風耐性:LV7」「物理耐性:LV8」

「魔法耐性:LV8」「状態異常耐性:LV2」

ユニークスキル

「ミスリルボディ」「竜麟:LV10」「龍麟:LV3」「息吹」

「硬質化」「超硬質化」

称号

「突然変異」「平和主義」「災害」「最終進化」


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐  

 


 実際のところアスが「龍だろ?自衛しろよ」と言っても

 仕方のないステータスとスキルなのである。

 

 いくらミスリルが人畜無害な性格だとしても、

 本質は突然変異を果たした上位龍。

 ステータスは腐るほど高いのであった。 


 そんなミスリルの前に立った地竜レンゲが牙を向けつつ威嚇する。

 その背後からチョーサが魔法陣を展開しつつ、ミスリルに声をかける。



「俺は魔物使いチョーサ。お前を従魔にすることを望む」

 

『いいでしょう。相手をしてあげます!』


「ほう、これが念話……頭に響く感じが面白い」



 魔物使いと、テイム対象の魔物の戦いが始まる。

 剣士のロナウド、魔法使いのネルソンは距離を取った。


 魔物を従魔として使役するには、魔物使い本人とその従魔の力だけで

 テイムしたい魔物を倒し、力を示さなければならないからだ。


 チョーサは呪文を詠唱し、魔法陣を展開する。



「……"召喚(サモン)"、メタルワイバーン!ハーブライフ!」



 魔法陣から鉄のボディを持つワイバーンと人型の植物の魔物が現れる。

 チョーサは魔物使いだが、召喚士(サモナー)のような従魔召喚の嗜みもある逸材なのだ。

  


「さすがに、マウンテンタートルは無しか」


「それ呼んだら洞窟が崩落するだろ」



 ロナウドとネルソンは苦笑しつつ戦闘を見守る。


 が、背後に強い気配を感じ咄嗟に各々剣と杖を構えた。


 地面に突然穴が開き、そこを蹴り上がる音が響く。

 現れたのは馬の魔物だった。


 ロベルトは目を細めた。



「アクアライトハクニー……か?何故こんなところに」


「いや。それどころじゃない……

こいつは本当に、アクアライトハクニーなのか?

感じたことがない魔力の質だ。……混沌としている」 

 


 魔力感知に長けた優秀な魔法使いである

 ネルソンが戦々恐々としているのを見て、

 

 剣士のロベルトは認識を改め、アクアライトハクニーを睨む。


 アクアライトハクニーの存在感が増したように思えた。

 そしてこちらへと向かい始める。

 

 地竜レンゲ達とチョーサは先ほどの宣誓の効果で、

 ミスリルと戦わざるを得ない状況にある。

 そのため彼らのサポートは望めない。


 ……限りなく不利な状態だな。

 冷や汗を流しながらロナウドとネルソンはそう思いつつ、得物を構えた。

  

※次話での彼らとの戦闘描写はほぼありません。

悪しからず。

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