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閑話 女王蟻の視点 その2

ブックマーク、感想ありがとうございます!

サービスで一話分、少し早めに投稿させていただきます♪

閑話ですがお楽しみいただければ幸いです。


※キャラ崩壊に注意!


「…………」



(……最近、アス様の様子がオカシイです)



 私はマザーアント。アス様の幹部を自負する

 キラーアント達の母なのです。


 我らがボスのアス様はとても聡明で優しい御方なのです。

 とても尊敬しています。今では子供達にもその素晴らしさは伝わっていて、

 アス様の人気は非常に高いのです。 

 

 そんなアス様が、御友人であられるフラード様の

 力を取り戻すために、最近ダンジョンへとお出かけになられました。


 二週間ほどでしょうか。それくらい経ったころに戻ってこられました。


 フラード様のお姿が変わっていましたので、

 きっと目的は上手くいったのでしょう。


 お土産ということで後から高純度の魔石も頂きました。

 

 しかし……。



『アス様。ご気分ハ如何デショウか?』


『あー……うーん……。あー……』


『……アス様?』



 アス様は今、私のいる女王の間にいます。

 しかしながら、何か用事があって来たというわけではなく……。

 何というか、ずっと考え事をしていて気が付いたら此処に来ている。


 なんだか、そんな風に見えます。 


 何か、あったのでしょうか?

 私達にも言えないような深い悩みが……?


 色々想像してしまいますが、ともかく

 アス様がこの調子では子供達も不安がります。


 何とか、正気に戻さなくては。


 

『あのー。アス様。何か御用デスか?』


『……あーうーん』


『……一体どうしたのでしょう。

"フラード"様なら何カ知ってイルのでしょうか?』


『……フラード』


『……え?』


『……あれ?ここは?』


『……アス様。ココは女王の間デス』


『……マザーか。どうして俺はこんなところに?』


『サテ。見たところ何かズット物思イにふけってイルように見えマシタガ』


『……ああ、そうか……。忘れてくれ……。…………邪魔したな』


『イエイエ。元気出シテくだサイ!

アス様が元気でナイと、子供達も不安ニ思いマスよ?』


『……ああ。……そうだな』


『ああ。ソウダ、ついでに御報告致しマスね』


『……なんだ?何かあるのか?』


『ハイ。明日未明に、お客様が来マス』


『……俺にか?』


『ハイ』


『どこから?』


『地下からデス』


『誰だ?』


『以前、お話シタと思いマスが……。

子供達の報告にヨルと、全身がミスリルのドラゴンのようデス』


『……ああ。そういえば、そんな話があったような気がする……』


『子供達によれば、害意はナイそうデスので。

……御客様も来ルのデスから、気をシッカリ持ってくだサイね?』


『……善処、するよ』



 アス様はフラフラとしながら部屋を後にしていきました。

 ……大丈夫でしょうか?


 ……それにしても、これは。……これは、何かありますね。

 アス様がフラード様に反応したことから、

 フラード様に何か手掛かりがありそうです。


 今夜、フラード様に会いに行ってみましょう。



 そして、夜。



 私は子供達を使わせて、フラード様の居場所を探ります。

 ……今夜も、外で月を見ているのですか。


 最近フラード様は夜に星や月を眺めることが多いのです。

 趣味か何かかと思い、そこまで気にはしていませんでしたが……。


 とにかく、会いに行ってみます。


 私は巣から出て、子供達の報告の場所に行きます。


 場所は、アス様の御住居から少しだけ離れたところにある丘。


 そこは、ニンゲンの街や山道も見渡せる開けた場所でしたっけ。


 ああ、いました。


 蒼い鱗が月の光を受けて宝石のように輝いています。


 頭が二つありますが、それでも本当の姿ではないそうです。

 

 いつか、真の姿を見てみたいですね。……いけない、話が逸れてしまう。


 フラード様が私に気付いたらしく、こちらを振り返ります。



『マザーアントか』


『ハイ』


『護衛も付けずにこんなところへ、どうした?』


『サテ、どうしてデショウか?』


『……アス、のことか?』


『……その通りデス』


『……ふう』


『アス様に何かアッタのデショウか?

フラード様なら、何カ知ってイルと思イ、ココまで来たのデスが』


『うッ……』


『……その反応ダト、やはり何か知っているのデスね』


『……あぅ。それは……だな……』


『……何デスかその反応。その恋をシタ女子のヨウナ反応ハ』


『ふぇっ!?こ、こここ……?』


『……ジトー』


『な、何じゃその眼は……!?』



 何でしょう。ムカつきますね。

 この女。アス様に何をしたのですか。



『アス様とお楽しみでしタカ?』


『うぇっ!?な、なに?どういう質問じゃそれぇっ!!』


『どうもこうも……。アス様と……シタンデスカ?』


『お、お主何か怖いぞッ!?』



 いけない。ちょっと黒い魔力が……。テヘヘ。

 しかし、何ですかこの反応。私がお慕いするアス様と何したんですかねぇ? 



『……ソレデハ、アライザライ全て吐いてもらいマショウか!』


『……マ、マザー……さん?』


『何故敬称ヲ付けるのデスか?フラード様?』


『ひ、ひぇぇ。こっちに来ないでくれ!』


『ダ~メ~で~ス~!

アス様の気を取り戻すタメデス!逃がしはしまセンよッ!!』



 アッー!!


 ……


 …………数分後。



『うぅぅぅ……マザーのアホォ!』


『ナッ!?フラード様こそなにシたか分かってイルのデスか!?』


『私に腕などはない!分けるにはああするしかないだろう!?』


『……口移し……ハ、ナイです。がっでむ』


『……少なくとも今、私を馬鹿にしたな?』


『私もシタイです!アス様と口移し!』


『知るかァッ!!お主途中から欲望ダダ洩れではないかッ!!』


『……フ、フフフヘヘヘ』


『マ、マザーが壊れたっ』



 さらに一悶着あって……。



『……はぁ』


『……ス、スミマセン。私としたコトが……。取り乱しマシた』

 

『取り乱したどころではなかったが』


『……ハハハ』


『誤魔化すな。……はぁ。そもそも私には分からぬ』


『……?』


『……恋、という奴だ』


『シタことないのデスか?』


『……ま……まぁ……』


『……因みに御年齢は?』


『……お主そんなにずけずけと入り込むタイプだったか?』


『……サテ、どうでショウ』


『……もうよい。確か……少なくとも数万年……。もう、数えてはおらぬ』


『……数万年間恋シタことナイのデスか?』


『……そう、じゃな』


『……苦労されたのデスね』


『何じゃその憐れみの視線。どうせ私は寂しい独り身の女よ……ふん』


『……アス様とフラード様かァ……』



 ほわほわほわん……。


 アス様とフラード様が仲良く一つ屋根の下で愛の巣を……。


 優しいアス様がフラード様を……。


 フラード様がアス様に……あんなことやこんなことを!!



『……ザー。……マザー?』


『ハッ!?』


『どうしたんじゃ?呼んでも返事がなかったが』


『イ、イエイエ何でもナイのデス!』


『そ、そうか……』


『ハイ!微塵モ何モアリマセンヨ!!』


『わ、分かった』


(……ああでも、こういう組み合わせもアリなのでしょうか?

魔物はまぁ魔力さえあれば産まれますから子供を作ることに問題は……)



『……マザー?』


『ハイ?』


『……何か変な事考えてなかったか?』


『……ソンナコトハナイデスヨ』



 マザーアント。彼女は妄想が少し激しかった。

 そして本人にその自覚はないのであった。


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