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第27話 クリスタルケイブにて その1

『さあ。ここだ』


 

 フラードが立ち止まる。

 そこは土の壁が広がっており、行き止まりのようにも見える。



『フラード、どうするんだ?』


『うむ。まあ見ておれ』



 フラードが壁に向かって魔力操作で何か細工をしていく。

 すると、行き止まりだったところに小さな穴が開いていく。



『よし。さあ早く潜れ。あまり開けてはいられぬのだ』



 俺達は慌てて穴の中を潜る。

 ちょっと、俺やスーパーホーンには狭いかもしれん……。


 少し手間取ったが、何とか中に入ることができた。


 うん?……これは。

 ふと見ると、シャープやスーパーホーンもキョロキョロしている。

 どうやら違和感に気付いたらしい。


 

『アス達も気付いたと思うが、ダンジョン内では

ダンジョン特有の独特な魔力の流れ方がある。

そのため外部から魔力を感知するのは難しい。

まあ、生き物の隠し場所にはもってこいということだの』


 

 なるほど、魔力の独特な流れ方……ね。

 それが何となくだけど、違和感を生んでいるわけか。

 まあ、ともかく先に進むか。


 俺達はフラードの先導で先に進む。

 どうやらこのダンジョンはいたる所に水晶の結晶があるようで、

 洞窟内といっても水晶のおかげで少し明るい。

    

 

『フラード。人間にはなるべく見つからないようにしてくれよ』


『分かっておる。だがアス達も警戒は怠らないでくれ』 



 一応俺も魔力感知を飛ばしている。

 少し離れたところに魔力の反応がある。

 中にはどうやら交戦中のところもあるようだ。


 ……ふむ。飛び抜けて強い反応はあまりないかな。

 時々スーパーホーンやシャープクラスの反応はあるけど。

 まあ、それらは避けて通ればいいだろう。


 少し進んだところで魔物に出会った。


 ロックゴーレム。岩でできた人形の魔物。

 ロックバード。岩の皮膚に覆われた鳥。

 ブラウンスライム。土属性のスライム。


 スーパーホーンとシャープがサクッと片付けてくれた。

 ロックゴーレムとブラウンスライムの残骸はシャープが吸収。

 魔石は俺とスーパーホーンが分けて、ロックバードはフラードが食べた。


 軽食が済んだら探索を再開。

 ただ移動するのも暇なので色々鑑定してみる。



 「水晶」「魔力結晶」「水晶」「水晶」「水晶」「水晶」「水晶」

 「ダンジョン壁」「ダンジョン床」「ダンジョン天井」「水晶」「水晶」

 「魔力結晶」「水晶」「ロックゴーレムの破片」「鑑定が遮断されました」



【条件を満たしました。「鑑定LV:4」が「鑑定:LV5」に上昇しました】



 お、おう……。というか、水晶ばっかりで殆ど何もないな……。

 ……後、間違えてフラードに鑑定がかかったけど遮断された。

 そういえば、鑑定遮断っていうのを持ってたんだっけ?


 俺もそういうの欲しいな。

 今のところ鑑定持ちはフラード以外は見たことがないけど、

 人間なら鑑定持ちもいそうだし。

 

 俺が転生者だと分かっちゃうと面倒くさそうな気がするしなあ。

 鑑定遮断、どっかに落ちてたりしないかなあ。


 とはいえ、魔力をギリギリまで抑えての静かな移動だしなあ。

 よほど何か起こらない限りは大丈夫だと思うけど……。

 

 まあ、人間に見つかったり、

 さっきのような魔物との戦闘で目立つわけにもいかんしな。


 それからしばらく静かに移動を続けている。


 ……うーん。何というか、静かだ。……ここダンジョンなんだよな?


 

『フラード』


『……どうかしたか?』


『いや。道は大丈夫かなって。ダンジョンって何かありそうだしな』


『そうだな。中には罠があるダンジョンもあるが、

ここのダンジョンにはどうやら罠は無さそうだな』


『罠……そのような物デこのマロヲ害セルと思ウナ……。マロ』


『如何なる罠モこの甲殻ガ防イデご覧ニ入れヨウ』


『中には炎が噴き出るような罠もあるそうだぞ』

 

『……ソレハ勘弁願いたい』


『まぁまぁ。傷なら多少は俺が治せるし、炎も水で鎮火させれるよ』


『ム……。アス様の手を煩わセルわけには……』


『いやいや。味方の回復のために使わないと何のための治癒魔法なんだよ』



 そうして雑談をしながらも移動していると、

 「隠密」や「忍び足」のスキルが手に入ったが、それ以外は特に何もない。

 

 俺達は魔力を抑えて静かに移動しており、

 フラードが人間や魔物に出会わないように索敵しながら移動しているので

 殆ど何かと接触するということもなく、順調に進んでいた。



『そういえば、フラードの分体はどこにあるんだ?』


『……このダンジョンの場合は、どうやら最奥部にあるようだ』


『へえ。じゃあそのまま一番奥まで突っ切ればいいわけか』


『それはそうなのだが、そう簡単にも行かぬのだ』


『……何でだ?』


『ダンジョンの奥というのは、決まってそのダンジョンの主がいるものだ』


『……もしかして、主は避けては通れないってことか?』

    

『残念ながら、そういうことになるな』


『……まあ、やるだけやってみるしかないか』


『私だけでなく、アスや仲間のいるのだから……。

大丈夫だ。……あの時とは、違うのだから』


『……』



 フラードの言葉は、何だか自分自身に言い聞かせているようにも思えた。


 こんな調子で体感で数日ほど先に進んだところで、

 俺の魔力感知でも引っかかるものがあった。


 シャープやスーパーホーン、フラードは言わずもがな気付いたようだ。



『……こちらに向かっているな。数は……五……いや、六か』


『どうやら、二つの反応が四つの何かに追われているようだな』


『……マロ?コレ、人間じゃないカ?マロ』



 人間、だと?確かに追われている二つの魔力は

 俺達や追いかけている四つの魔力と性質が違うが……人間だったのか。



『フラード。迂回して進むことは?』


『無理だ。ここから先は一本道のようだ。壁に穴を開けるのも難しい。

やり過ごすなら、ここから急いで引き返すか……』


『……シカシ、それではダンジョンの奥にハ進めマセヌ』


『……さて、どうするか』



 フラードが俺の顔を見る。判断を任せるってことか? 

 ……ふぅ。何ていうか、こう地味に判断しずらい事ばかり起こるような。 

 

『仕方ない。もし、人間がこちらに

攻撃を仕掛けてくるなら相応の対処を行おう』


『先に進む、ということで良いのだな』


『ああ。シャープとスーパーホーンも準備だけはしておいてくれ』

 

『了解マロ~』


『ハハッ!』


 

 …………人間、か。 

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