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第21話 スノースライム

『マロー♪』



 一匹の魔物がいた。

 冬の時期が来ると、どこからともなく現れる魔物だ。


 スノースライム。そう呼ばれていた。


 かつて、大昔の勇者が白くてふわふわなお菓子、という話をした。

 マシュマロと呼ばれるお菓子だ。


 スノースライムは偶然か、サイズこそは大きく違うが

 そのマシュマロと呼ばれるお菓子によく似ていた。


 その勇者が、初めてスノースライムを見た時、

 勇者は好奇心に抗えず、スノースライムを口にした。


 そして、吐いた。


 それはもう盛大に。


 それ以降、一部の者からは「勇者すら抗えない魔性の者」と囁かれたという。



『……なにそれ?』


『……ククッ。何って、スノースライムという魔物の解説よ』



 フラードはそう言って、笑いを堪えている。

 いや、確かにひどい話だけどな。


 何故そういう話をしているかというと、

 冬越えのために白亜の城で魔石をしまう場所や量を考えていたら、

 いつの間にか、白い変な魔物が紛れ込んでいたためである。


 どうも、スノースライムというスライムらしい。

 ……まあ、それはさておき。



『というか、今のところ俺まともな勇者の話を全く聞かないんだけど』

 

『ソレハ災難マロ』


『せめてもう少しまともな話が聞きたいわ、俺も』


『マトモな勇者なんていたら、魔物ハもっと人間ト仲良くなってるマロ』


『なるほど、そういう見解もアリか』


『……アスよ。お前は一体誰と会話をしておるのだ?』


『え?』


『……フッ。マロ』 



 ……え?今までの念話、フラードじゃなかったのか?


 ……そういえば、確かにフラードの声色とは少し違うような。

 マシュマロスライム、いやスノースライムだったか?

 ソイツは俺を見た後、体を揺らした。そして。 



『……やれやれだぜ。マロ』



 やたらハードボイルドな声で呟いた。

 何なんだ、コイツ。と思っていたら、フラードが

 「しゃ、喋ったァァァァ!!?」と、珍しく声を荒げた。


 

『どうしたんだフラード?そんな急に叫んで』


『……アスよ、スライムというのはな。

基本的に知能が低い。だから、普通念話を使うことはありえんのだ!』



 そうなのか。このマシュマロ……いやスノースライムはその後も

 『このマロにツイテ来レルかい?マロ』とか。

 『マロを超えようなど、愚カナ……。マロ』とか呟いていた。


 何言ってるのかよくわからないが、

 厄介な能力とか持ってると困るので、一応龍眼で鑑定してみた。



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

種族:スノースライム・スマート

系統:スライム系

状態:通常

LV :10/20

HP :1053/1053  

MP :1024/1024

攻撃力:690

防御力:1300+65

魔法力:967+48

魔防力:1106+55

素早さ:690

ランク:C

攻撃系スキル

「全力攻撃:LV3」「触手攻撃:LV3」「毒攻撃:LV4」

魔法系スキル

「水魔法:LV4」

技能系スキル

「魔力感知:LV5」「魔力操作:LV6」「念話」「堅固」

「余裕」「魔力強化」「HP自動回復:LV4」「MP自動回復:LV3」

耐性系スキル

「水耐性:LV4」「物理耐性:LV5」「苦痛無効」「毒耐性:LV5」

ユニークスキル

「スライムボディ」「捕食吸収」「保管」「分裂」

称号

「魔物殺し」「死線を越えし者」「突然変異」


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐



『うーん……。正直、あまり強い感じがしないな』


『いや、アスよ!?スライム系としては

このステータスとスキルの数はかなり異常だから!

念話ができる知性まで入れたら、ほぼいないと思うレベルだぞ!?』



 フラードも鑑定していたようで、

 フラードのツッコミが炸裂した。

 ここまでツッコミ役なのも珍しいと内心思った。



『マジか。……そんな奴が、何でここにいるんだ?』


『知らぬ。聞いてみい』


『……なあ、何でお前はここにいるんだ?』


『美味シソウな匂いがシタから。マロ』


『美味しそうな匂い?』



 そう返すと、スノースライムはその辺に転がっていた

 魔石に纏わりついて、

 それをそのまま取り込んで吸収してしまった。



『ああ。コイツ、魔石を求めてここに入って来たのか』


『アス。魔石を取られておるぞ。どうするつもりじゃ』


『え?決まってるよ。味方になるよう説得するんだよ』


『……また、人材マニア病か?』


『失礼な。お前が散々コイツは珍しい個体だって主張したんだろ』


『た、確かにそうだが……』



 俺はその後、スノースライムと念話による対話を試みて、

 多少揉めた(ぶつりてきせっとく)後、魔石を毎日欠かさず食べさせることを条件に

 仲間に引き込むことに成功した。 



『ところで、冬の間はいいが、春が来たら

どうするつもりなのだ?そやつ、気温の高い環境が苦手なのだぞ』


『ソレマデに、進化する。そして暑さに平気ニなる。マロ』


『……だってよ』


『そう都合よくいくかのう』


『最悪キラーアントが掘った地下に放り込もう。

あそこなら涼しいし、陽の光も届かないからな』


『マロー♪』



 そして、この喋るスノースライムに出会ってから、

 俺達はいよいよ、本格的な冬を迎えることになる。


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