第19話 自宅の規模がおかしい件
あれから、マザーアント達とスーパーホーン達を
上手く統率するために少し試してみたことがある。
俺のために納めるという魔石を皆に平等に配ったことだ。
これが予想をはるかに上回る勢いですごい喜ばれた。
マザーアントは「エエッ!?」っと珍しく声を荒げていたので、
俺が何かやらかしたかと思ったが、単に驚いただけらしい。
何故かマザーアント達の忠誠度が一気に上がった気がするが、
まあ、悪い事ではないのでいいだろう。
だから、これはちょっとやめよう。
現在、俺の目の前には山の中腹を切り開いて、
丁寧に舗装しているキラーアント達と、
その中央にどこから運んできたのか分からないが、
巨大な白い石を角で器用に持ち上げながら
運んできているバトルビートル達がいる。
バトルビートルから石材を受け取ったキラーアントは
その石材の形を奇麗に整えた後、丁寧に積み上げている。
ちょっと器用すぎません?
あと、いくら打ち解けたからと言ってもこの連帯感は何事!?
ああ……何でこうなったんだ……。
俺は明後日の方向を見ながら思い出す。
ある日マザーが、
「馬の方と蛇の方の住居がないということでしたので、
僭越ながら用意させていただきます」と言いだしたので、任せた。
確かに、その間建築の様子を見ずに、
山の外周をしたり、厄介そうな魔物の排除をしたりしてて、
数日出払っていた俺にも問題はあると思う。思うけどな。
こ れ は や り す ぎ だ ろ !!
これ、もう家でも拠点でもないよ。
神殿までいっちゃってるよ。なんでだ。
どうしてこうなった。
龍眼でよく見ると、所々に
キラキラ光る物が散りばめられていたので、
恐る恐るマザーに尋ねた。
『アア。銀ヤミスリルガ採掘サレタノデ、
少ジズツ散リバメテミタノデスヨ。奇麗デショウ』
待てや。え?銀?銀は、まあ、百歩譲って置いとこう。
ミスリル?え?魔銀とか真銀とかそんな感じのふぁんたじぃな銀でしょ?
魔力を良く通して、
銀よりも柔軟性に優れるのに硬い、銀色に輝く希少金属。
どっから持ってきた。白状しようか。
……。
全身がミスリルのドラゴンに出会って、分けてもらった?
ごめんちょっと何言ってるか分からない。
今度俺に会いたいって言ってた?
何でやねん。厄介事の匂いしかしねえよ。
とりあえず、当分はダメだ。
せめてもう少し落ち着いてからね。頼むよ?
マザーは渋々、承諾してくれた。
……しかし、今更建築したものを取り止めさせるのは流石に無理だな。
…………諦めよう。
それから後日。
『ふむ。水魔法と光魔法に相性がいいのは治癒魔法か……』
『そうだ。水の生命エネルギーと、光の浄化作用。
それを組み合わせることで、治癒魔法となる』
『つまり、水と光の魔法が使えないと、
治癒魔法が使えないという事か?』
『そうだな。それゆえ治癒魔法を使える者は貴重だと言われる』
俺は現在、フラードに俺が習得できそうで、
役に立ちそうなスキルがないか尋ねていた。現実逃避とも言う。
それはさておき、治癒魔法。水と光の合体魔法という奴らしい。
合体魔法というのは、相性のいい二属性以上の魔法を組み合わせて
発動させる特殊な魔法のことらしい。
例えば、火属性の魔法と水属性の魔法を合体させることで、
大爆発を発生させれるらしい。魔法……?
……それ、自然現象じゃね。いや、原因は魔法だからやはり魔法なのか……?
さておき、魔法も含めた属性には、
火、水、土、雷、風、光、闇の七属性があるらしい。
そして、属性ごとに相性があるという。
火は土に強いが、水に弱い。
水は火に強いが、雷に弱い。
土は雷に強いが、火に弱い。
雷は水に強いが、土に弱い。
風は弱点を持たないが、得意属性も持たない。
光は闇に強くもあり、弱くもある。
闇は光に強くもあり、弱くもある。
ザックリ言うと、こういう感じになる。
治癒魔法は基本的に回復なので、属性はない。
俺が治癒魔法を習得しようとするのにはもちろん理由がある。
仲間が一気に増えたことと、
増えたのにもかかわらず、誰も治癒魔法が使えないということだ。
俺としては、せっかくできた仲間が怪我をするのを放置するのは忍びない。
人間だったころの感覚もあるから、そう思うのだろう。
治せる怪我が元で死なれたりしたらもう目も当てらないしな。
まあともかく、そういうわけで治癒魔法を習得しようと思ったわけだ。
因みに状態異常に関しては光魔法で治せるので問題ない。
さらに数日後。
今日も俺は治癒魔法の初歩"ライフ"の特訓だ。
二属性の魔法の流れ方を同一化させて、
一種類の魔法にするというのが中々難しい。
魔力操作のレベルが足りないのか?とも思ったが、
フラードが言うにはレベル5もあれば十分可能だという。
なら、訓練を続けるしかない。
それから数日して、神殿が完全に完成した。
もう神殿でいいよね、呼び方。もしくは白亜の城。
言っとくけどな、俺にこんな豪勢な建物は似合わないと思うぞ。
それから、そんなキラーアントとバトルビートル総動員で頭を下げるな。
俺はどちらかというと、対等な立場でだな……。
……キラーアント達もバトルビートル達も聞いてくれないので、
せめてマザーとスーパーホーンだけでも。お願いします。
どうにか、マザーと、念話が出来るようになった
スーパーホーンからは許可を取り付けた。
俺の幹部という立場を与えるとつい口走ってしまったが。
それを言うと納得してくれたので、もうそういう路線でいこう。
魔物って、こんなに上司に従順なんだね。知らなかったわ。
【条件を満たしました。
称号「総大将」を獲得しました。「総大将」獲得により、
スキル「威圧」「指揮:LV1」「統率:LV1」を獲得しました】
【条件を満たしました。
称号「統率者」を獲得しました。「統率者」獲得により、
スキル「指揮:LV1」「統率:LV1」「鼓舞」を獲得しました】
【「指揮:LV1」が「指揮:LV1」に統合されました】
【条件を満たしました。「指揮:LV1」が「指揮:LV2」に上昇しました】
【「統率:LV1」が「統率:LV1」に統合されました】
【条件を満たしました。「統率:LV1」が「統率:LV2」に上昇しました】
【条件を満たしました。
称号「指揮官」を獲得しました。「指揮官」獲得により、
スキル「指揮:LV1」「統率:LV1」を獲得しました】
【「指揮:LV1」が「指揮:LV2」に統合されました】
【「統率:LV1」が「統率:LV2」に統合されました】
【条件を満たしました。
称号「率いる者」を獲得しました。「率いる者」獲得により、
スキル「統率:LV1」「連携:LV1」を獲得しました】
【「統率:LV1」が「統率:LV2」に統合されました】
【条件を満たしました。「統率:LV2」が「統率:LV3」に上昇しました】
……なんか、増えてるんですけど………。
火→土→雷→水→火
光⇄闇
風「無属性で良くね?」




