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第18話 山の主に会いに行こう

 俺達は今、スーパーホーンと、マザーアントが自ら率いている

 キラーアント達に周りを固められた状態で山を登っている。


 話としては簡単で、この山の主と言える存在に挨拶に行くというもの。


 マザー曰く、優しい方。

 スーパーホーン曰く、怒らせたら命の保証はできない。


 どんな奴なのかあまり想像つかないが、とにかく山を登るしかない。


 しばらく大勢で登山する。大人数なので魔物なんて当然出会うこともない。

 普通に山を登っただけで、頂上についてしまった。


 山の頂上は木が開けた箇所があり、

 そこには小さな祠が一つ建てられているようだ。


 近付いてみて分かったが、結構奇麗に整備されている。

 建てられてから結構経っているだろうに。

 祠を眺めていると、マザーが念話で話してくれた。



『ココガ、山ノ主ノ住居ナノデス』


『へえ?祠に棲んでいるって、神様みたいだな』


『……今ハ、出カケテイルヨウデスネ』



 今は主は出払っているらしい。仕方ないので待つことにした。


 フラードが途中で待ちくたびれて

 居眠りし始めるくらいには時間が経った頃、不意に強い魔力を感じた。


 その魔力に反応してフラードも目を覚ます。

 マザー達も感じ取っていたようで、そちらを向いている。


 俺はその姿を見た時、驚いた。()()の姿をしていたからだ。


 ソレは、踵に付くほど長い黒髪をした和服の女性だった。


 ……は?和服……?黒髪……?俺は思わず身構えた。


 しかし、向こうの女性は普通に話し始めた。



「何じゃ。マザーアントよ。随分とまた大勢で押しかけてきたのう」


『ハハハ……。突然ノ訪問。無礼ハ承知ノ上デス』


「そうか。うん?カブトの長もおるのか。珍しい組み合わせだのう?」


「……」


「ああうん、そうかそうか。何となく想像は付く。

蟻達と揉めたのだろう?わらわに仲裁でも求めに来たのか?」


『イエ、ソレハ既ニ解決シマシタ。今回ハ、紹介シタイ相手ガイマシテ』


「ふむ。そこの、馬と得体の知れぬ蛇か?」



 女性の目が俺達を見据え、ギラリと輝く。

 フラードを得体の知れない蛇と言うところもだが……

 

 コイツは強い。俺が洞窟で戦ったホワイトドラゴンよりも間違いなく。

 ……というか、今の俺より強いかもしれん。


 しかし、

 俺の警戒等関係ないと言わんばかりに

 マザーは念話でそのまま俺達を紹介する。


 仕方ないので、

 俺とフラードはそれを受けて前に出て、挨拶する。



『俺はアス。色々あってこの山に来た。よろしく』


『私はフラードと呼べばよい。アスの友じゃ』


「クク、クハハハハ……!」



 ……何だコイツ。何か突然笑い出したんだけど。

 マザー達が慌てているが、どうしたんだ?


 ……うん?何か少し身体に違和感を感じるな。

 何となく、コレかな?と思い、光魔法の"精神回復(メンタルリカバー)"を使うと落ち着いた。


 すると、突然笑い出した女性が驚いた顔をする。



「ほほお。こ奴ら手段は違うがわらわの"催眠"を撃ち祓いおったか」



 催眠、だと?いつの間に?

 まさか、笑い声がトリガーじゃないよな。流石に。



『アスよ。この女の笑い声に気を付けよ。

催眠効果があるようだぞ。見たところ、光魔法で解除したようだが……』


『……マジで、笑い声かよ』


 フラードは顔をしかめながら俺に忠告してくれた。

 本当に笑い声なのね。割と適当だったのに。


 ……ああなるほど、だからこの女性が笑った時にマザー達は慌てたのか。


 周りを見ると、誰かが洗脳されたという感じでもなさそうなので、

 特定の相手だけを催眠にかけることも出来そうな感じだな。


 俺が冷静になって分析していると、

 女性はクスクスと微笑み、笑顔を浮かべて自己紹介した。



「試すような真似をして悪かったのう。

わらわは"ヤマヒメ"という。この山の主のようなものだ」



 ヤマヒメ。なんか、どっかで聞いたことがあるような気がするな。

 何だったっけ?……まあ、とりあえず、

 フラードのヤマタノオロチに続く和テイスト二号だな。


 その後、ヤマヒメにマザー始め蟻達と

 スーパーホーンのカブトムシ一族を配下にしたことを伝えた。



「おやおや。蟻一族とカブト一族を配下にしたのか。

通りで、長同士が珍しく仲良く来たわけじゃ。

まあ、力ずくではなくお互いに益ある対等な契りなら構わぬ」


『まあ。そりゃ当然だな。

俺も奴隷のようにこき使うのは趣味じゃない』


「ククク。まあ、あまり変なことをしないのならば、

山に棲むことは認めよう。蟻の長もカブトの長も認める器だしのう」


『それはありがたい』


「ただし。目に余る行為を行った場合。

お主も蟻一族もカブト一族も山から追放させてもらう」



 ヤマヒメはピシャリと言い切る。

 元々棲んでた奴らごと追放か。中々厳しいな。

 とはいえ、あまり変なことをしなければ特にお咎めはないらしい。


 多分、大丈夫だろう。

 

 俺達はその後下山し、折角仲間になったのだから

 親睦を深めようという俺の提案で

 キラーアント達とバトルビートル達と共に宴会のような

 ごった返しの中食事を取って、そのままの勢いで、

 皆で一緒に地下に特大の大部屋を掘って、仲良く全員で眠った。


 何だろう。疲れたけど、こうやってみんなでバカ騒ぎするのも悪くないな。


 そう思いながら俺は意識を落とした。

  

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