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第16話 反撃

 翌日、同じところで俺達は再びスーパーホーンとおち合った。



(仲間ト、話シテキタ。答エハ成果シダイトイウコトダ)


『つまり、俺達がどの程度蟻を追っ払って、

お前の仲間を助けたかによる。……そういうことか?』


(アア。ソウダ)



 俺達はスーパーホーンと少し会話した後、彼の仲間の所を案内してもらった。

 ただし、余所者が子供に近付きすぎると

 親が過剰反応するそうなのである程度離れたところからだ。


 どうやら地下に巣を作っているようで、入り口にデカいカブトムシがいた。

 そのカブトムシはスーパーホーンとコンタクトを取った後、

 俺達のことを凝視して、踵を返した。

 

 そのままスーパーホーンについて行き、巣穴の中に入る。



『お邪魔しまーす』

 

(オ……ジャマ?)


『ああ、家に上がるので失礼するよ。って意味だ』

  

(……何モシナイナラ入ルコトニ問題ナイ。我ガ許可シテイルカラナ)


 

 やはり、スーパーホーンがカブトムシのリーダーで間違いなさそうだ。

 てか、昨日はリーダー自ら俺達を見に来たのか。それでいいのか?

 

 それはさておき、巣穴の中にはデカいカブトムシが十何匹かいた。

 鑑定すると、種族は"バトルビートル"というらしい。

 彼らは魔法も使えないようなので、やはりスーパーホーンが特殊なのだろう。


 因みにオスには一本角があり、メスには角がない。

 その辺は地球のカブトムシとかも同じなので安心した。


 子供は……いわゆる幼虫。ただしデカい。なのでキモイ。

 幼虫はFランクの魔物の"カブトワーム"というらしい。


 幼虫はモゾモゾと動きながら、巣穴に集められた葉っぱを食べている。

 

 ふむ……。

 バトルビートルの時点でDランクなので、

 進化するとかなりの飛び級ということだな。あんなのがか……。


 少し見た目のキモさにゲンナリしたが、

 フラードの念話を聞いていると、

 キラーアントも同じDランクで、しかも群れで来るという。


 一体一体はバトルビードルに及ばないが、群れで滅多打ちにされるそうだ。


 そしてその間に子供のカブトワームが攫われてしまうらしい。

 現在カブトワームのいる巣穴にはキラーアントの開けた穴があるそうで、

 そこから決まって、大軍のキラーアントがやってくるという。


 さらに詳しく話を聞いて行くと、つい最近までキラーアントが

 大量に押し寄せるということはなかったらしい。


 ……なるほど。恐らく、たまたまキラーアントが巣を広げていたら、

 そのままバトルビートル達の巣穴が、

 キラーアントの巣穴と連結してしまったのだろう。


 だからと言って、それなりのサイズもあるカブトワーム達を

 移動させるのは、面倒だし根本的な解決にはならない。

 というか俺としてはスーパーホーンが欲しい。


 となると、キラーアント達を全滅させるか……。

 或いは、不戦協定のような物を結ばせる必要があるな。


 ……虫に、そこまでの知能があるのか分からんが。


 子供に近付きすぎないように地下を案内してもらっていると、

 周りのカブトムシたちがせわしなく動き始めた。



(……!キラーアントガ来タゾ!)



 スーパーホーンが叫ぶと同時に、

 これまた大きな黒蟻がワラワラと大量に出てきた。多いな。

 

 それに呼応するかのように、

 素早く移動したスーパーホーンがキラーアント達を蹴散らし始める。


 ……俺達を放置して。


 バトルビードルは一匹で、

 キラーアント数匹を相手にするのが限界なようだ。


 子供を防衛するのに、まるで戦力が足りていない。

 これだと完全に都合のいい餌場だな。


 俺とフラードはモゾモゾと動いて逃げようとしている

 カブトワームを追おうとするキラーアント達の前に立つ。


 蟻達は牙を鳴らして近付いてくるが、

 フラードの神龍眼"恐慌の魔眼"で、恐慌状態に陥ってしまう。


 同士討ちしだす者。逃げ出す者。動けなくなる者。

 昨日の小動物のように、精神が弱い奴に至っては死んでしまっている。


 これは、相当エグイな。いや酷すぎる。


 さておき、色々な行動に出る黒蟻がいたが、平等に俺が

 "アクアバレット"と"ライトバレット"を使い分けて確実に仕留める。

 キラーアントの魔法防御は低いようなので脳天を貫けば一撃だ。


【条件を満たしました。レベルが1から2に上昇しました】


 キラーアントを一度に数十体葬ったが、1レベルしか上がらなかった。

 周りではカブトムシ達が驚いた様子だったが、

 我に返って怯んだ蟻達を倒している。

 スーパーホーンは仕留め切ったようで、こちらに向かってくる。



(驚イタ。強イノダナ。オ前達ハ)


『まあ、そういうことだ。

さて、分かっていると思うが俺達がキラーアントの巣を何とかしたら……』


(分カッテイル。キラーアントノ巣ヲ丸ゴト一ツ相手ニシテ、

生キテ帰ッテ来タ者ニ反発スル者ハココニハオルマイ。

我ラバトルビートルハツヨサコソガ正義。

モシ、蟻ノ巣カラ生還シテクレバ、我ラ一同等シクオ前ヲ主ト認メルダロウ)



 あれ?仲間になる範囲がスーパーホーン単品から、

 一族郎党になってるんだけど。いつの間にそんな話になったんですかね?


 それに対して、俺の疑念を感じ取ったらしいフラードが答えてくれた。 



『魔物の世界は厳しい。故に強い者に従って、

その庇護下に入ろうと画策する者もいるものだ』



 ふーん。……その辺は人間も同じだと思うけどな。

 人間の場合はどちらかと言うと武力じゃなくて、大抵権力の事を言うけど。


 その後、全員無事にキラーアントを排除しきると

 あちこちのカブトムシからお礼を言われた。


 どうやら、少しは打ち解けてもらえたか?

 ……まあ、子供守ってもらった相手を邪険にする奴はいないか。


 念話はこちらに向けて放たれた魔力を拾ってしまうので、

 言葉が重なって聞こえてしまう。これを全て聞き取るのは難しいな。

 この辺は慣れるしかないか。


 さて、気を取り直して次はこちらが攻める番だ。


 周りのカブトムシ達に下がってもらい、

 俺は魔力を解放する。カブトムシ達はその魔力にたじろいでいるが、

 フラードはさすが、涼しげにしている。


 俺は魔力を静かに練り上げ、圧縮していく。


 限界まで圧縮した水の魔力に回転を加える。

 魔力の回転。それが大きくなり、そのまま水の回転となる。


 それを一気に膨張させて撃ち出した。



 『"ウォータートルネード"!』



 別に口に出して言う必要はないが、

 ここはカブトムシ達に強さをアピールする必要がある。


 ウォータートルネード。要は水の竜巻を発生させて攻撃する。

 水魔法がレベル5になったことで使えるようになった大技だ。


 魔力消耗が大きくて現状では2発が限界な上、

 発動の準備に時間がかかるので、どうしても使える場面が限られてしまう。


 ただし、威力も攻撃範囲もかなりある。

 今回はちょうど、大量殲滅も期待して放った形だ。


 ウォータートルネードが地下を削る音が響いたが、

 やがてそれも収まった。そして頭の中に情報が入り込む。



【条件を満たしました。レベルが2から5に上昇しました】


【条件を満たしました。称号「魔物殺し」を獲得しました】


【条件を満たしました。称号「昆虫殺し」を獲得しました】



 どうやら、一気にかなり殲滅できたようだ。

 俺はフラードと共にウォータートルネードが蹂躙した穴に入り込む。


 スーパーホーンは立証人として、俺達に同行する形だ。

 バトルビートル達に見送られて、キラーアントの巣穴に入る。



(ソレニシテモ……アノ規模ノ魔法ヲアレ程素早ク撃テルトハ……)



 スーパーホーンは何かブツブツ言っていたが、

 俺が聞き取るには魔力が小さすぎて気付くことはなかった。


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