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第11話 転移陣へ

 俺達は部屋から出ることにした。


 念話の特訓は何時でもできることなので、

 まず一度洞窟を出ることを優先することになったからだ。



(フラードは洞窟の出口が分かるか?)


『この洞窟は出入り口になる場所はない。

確か、どこかに"転移陣"があって、そこから出入りができたはず……』



 そう言ってフラードは魔力感知で

 転移陣なるものが放つ魔力を逆探知し始めたらしい。


 フラードの魔力感知レベル10は伊達ではないようで、

 ものの数分で転移陣の場所を探り当てた。



『ふーむ。転移陣は見つけたが……。これは……』



 フラードが少し顔をしかめている。

 尋ねると、転移陣の前に何かが陣取っているらしい。


 スライムやトレントなどとは比較にならない魔力の強さだという。



『アス。お前では荷が重いかもしれんな。私がやろう』



 フラードはそう提案してくれるが、丁重に断った。



(お前は全然万全の状態じゃないんだろ?だったら出来るだけ俺が戦うよ。

ただ、どうしてもピンチの時だけ助けてほしいけど……)



 フラードは「でも……」と心配するが、

 「俺も少しくらいはお前に追いつきたい」と言うと、

 それ以上は何も言わなかった。


 俺はフラードの案内に従って、道中の魔物は手早く俺が処理していく。

 フラードは基本的に肉食らしい。


 でもゴブリンの肉は不味くて食えたものではないそうだ。

 なので、狩った魔物の魔石を俺が差し出すと、

 それは俺が食えと返されてしまった。



『私はゴブリンでも食えるものがあるが、お前は草でないとダメだからな。

せめて魔石くらいは食っておけ。……うっぇぇっ……。マズ……』



 心底不味そうな顔をしてゴブリンを肉を一齧りした

 フラードの様子を見てると、

 俺は内心フラードへの申し訳なさでいっぱいになった。


 食事を終えると、フラードは魔物のランクについて教えてくれた。



『魔物にはランクという強さの目安がある。

下はFランクで、基本的には最上位はSSランクというランクに当たる』


(ふむ。どういう序列なんだ?)


『F、E、D、C、B、A、S、SSの順番で強くなっていくな』


(俺は……Cランクだから……。そんなに強いわけじゃないのか)


『今のアスには私との繋がりがあるから、Bランク級かもしれんな』


(マジか)


『もっとも、その力を使いこなせてこそ、なのだが……』


(そうだな。どのくらい変わったのか、

それも戦ってみないと分からないしな。……ん?)


『?どうかしたのか?』


(さっきフラードを鑑定したときは……

教えてもらったランクのどれでもなかったような……)


『ああ……Gランクのことか……』



 フラードは遠い目をして「今はまだ知らなくてもよい」と呟いた。

 教えたくないことなのだろうか?


 それからしばらくお互い黙っていたが、

 不意にフラードが口を開いた。



『……なあ、アスよ』


(どうかしたか?)


『今度は、お前のことを私に教えてくれないか?』


(んー?何か教えること……。

……あー、そうだ……。……実は俺、転生者って奴らしいんだよね)


『それは眼で見たから知っているが……。らしい、とは?』


(いやー。俺にはどうも人間だった時の記憶がなくてな……)


『……ふむ?私が知る限り、転生者で、

前世の記憶を保持していない、というのは……あまり聞いたことがないな』


(そうなのか?まあ、今記憶が戻ってもそれはそれで困るけど……)


『うーむ。必要があればアスの前世について、調べてみるのも一考か……』



 フラードさん。それはフラグや。



(今は困ってないからいいよ。

それよりはフラードの身体を元に戻す方が大事だろう)


『……アスがそういうなら、私もそうさせてもらうが……』



 俺はその後も時折念話の技術を教わったりしつつも転移陣を目指した。


 それから、体感だが数日ほどかけて移動し、転移陣の手前まで辿り着く。

 ここまで来ると流石に俺でも分かる。かなり強い魔力を感じる。


 俺達は転移陣のある空間に足を踏み入れる。

 少し開けた小部屋のような場所だった。


 その部屋の奥にある魔法陣の手前で寝そべっている魔物がいた。


 その魔物が俺達に気付いて起き上がる。


 俺はフラードの前に出て身構える。

 さて、どれくらいやれるか……?


 俺が一瞬思考に気を取られた瞬間。

 相手は既に起き上がり、魔法を放っていた。


 俺は慌てて身を捻じって魔法をかわす。


 同時に俺のすぐ横を光の光線が通った。あれは結構やばそうだ。

 しかも……かなり速い、な……。


 起き上がった魔物。それが目の前に立ち塞がる。


 目の前には、透き通った白色と金色が

 混じったような色合いの鱗と翼を持った魔物。


 それはまさしく、ドラゴンと呼べる存在だった。


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