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議事録その5

今回はバルクとクリセスの回です。

クリスマスパーティーをした夜

私は一人で庭でくつろいでいた。

片手に酒、テーブルには残り物の

ビーフシチューを置いていた。

この庭というのは私が城の中でも

気に入っている場所である。

時々夜にこの庭に出て月を見ている。

この庭からは城下町が一望できる。

今日がクリスマスという事もあってか

日付が変わる頃になっても城下町は

明るかった。

「今日は疲れましたね・・・」

朝から城のイルミネーションをして

そこから様々な手配をしていた。

クリスマスパーティーとやらでも

あの4人はやらかしたので

やっとこの時間はゆっくり出来る。

というかビーフシチューを鍋ごと

持ってくる時点で私自身気付かないうちに

疲れていたのだろう。

そして案の定取り皿も忘れた。

「まぁビーフシチューも残りわずかですし

いい事にしましょうか」

と誰に言うわけでも無く呟いた。

食べる前にクリセスからもらった

マフラーを取った。

流石にもらっておいて

つけないのはマズイだろうと思い

今までつけていた。

「さて、誰もいませんが・・・乾杯」

と1人でグラスを持った手をあげた。

「・・・バルク?」

「クリセスですか。

どうかされましたか?」

「・・・クリスマスだからバルクに

夜這いをしようとしたら部屋にいなかった」

「もはや夜這いは年がら年中ですが」

「・・・だから城の中を探していたら

バルクお気に入りの庭に来たの」

「そうですか。

・・・では、その手にあるグラスと皿は

なんですか?」

「・・・先にキッチンに寄って

酒と鍋が無いから・・・1人宴会してるかな」

「まぁ宴会していますが・・・

参加しますか?」

「バルクがいる場所・・・私の場所

バルクの宴会・・・私も参加」

と言いながら皿をこちらに出してきた。

「はいはい、わかりましたよ」

と差し出してきた皿にビーフシチューを盛った。

「・・・ありがとう、バルク」


「改めて乾杯」

「・・・乾杯」

と私達はグラスを合わした。

「・・・バルク付き合って」

「クリセス、乾杯の次の言葉が

付き合って、っておかしくないですか?」

「・ ・・私にはこれが普通。

だから付き合」

「ダメです」

「むぅ・・・バルクの意気地なし」

「何故そのように言われるのか

理解出来ませんが・・・」

「女の子に言わせておいて

無視、ダメ、絶対」

「一応、答えましたよ?」

「バルクの答えは

はいorイエスだけ」

綺麗に2つとも肯定の意味の選択肢を

作りやがったよ。

「選択肢を2つ作った意味

ありますか?」

「・・・私の思いに応えるために」

「それは余計に応えませんよ」

「・・・ダメ?」

「ダメですよ」

「・・・何でダメなの?

ダメなら理由があるはず

それ、教えて」

「・・・貴方は自分の家での立場

わかっているのですか?」

「知らない」

「貴方はこの国でも有数の豪族の跡取り娘。

それを知らない貴方ではないでしょう?」

そうなのである。

クリセスはこの国の中でも

かなり大きい力を持つ豪族出身。

しかも跡取り娘。

他にも兄弟はいるが

1番魔力的な強さだと

クリセスが歴代で最強とも

言われている。

「・・・家は関係ない。

あの時助けてくれたのはバルクだけ」

助けたというのは私とクリセスが

出会うきっかけになった事件だ。

あの時、私はたまたま近くにいたので

助けた。ただそれだけを彼女は

ずっと思っている。

「あれはたまたまですよ。

・・・第一、種族が不明な野郎を

信じますか?」

この国では私とフォードの種族は

国家秘密レベルである。

故に豪族と言えども知らないのである。

別にバレても何も不利益が起きないが

多少混乱することもあり秘密にしている。

「・・・私が信じる」

「とりあえずこの話終わりにしましょう。

クリスマスにする話ではないでしょう」

と話を終わる事にした。

「すぅ・・・」

と気がついたら寝ていた。

「全く・・・貴方は」

私はクリセスを俗に言うお姫様抱っこを

して、彼女を抱きかかえ、部屋に持っていた。


議事録まとめ

家というのは意外と身を縛る。

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